頓服薬という言葉は聞いたことがあっても、詳しい意味や正しい服用法が分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、病院で頓服薬を処方されても、なんとなく服用しているという方も多いと思います。
しかし、それでは頓服薬の効果が十分に発揮されないかもしれません。
頓服薬は、正しい方法で使用することが大切です。
用法用量を守り、適切に使うことで、十分に効果を発揮できるようになりますよ。
そこで今回は、頓服薬の正しい服用法や注意点、頓服薬の種類について詳しくご紹介いたします。
普段から頓服薬を服用する機会が多い方は、是非参考にしてみてくださいね!
定期薬と頓服薬の違いは飲むタイミング
薬には、「定期薬」と「頓服薬」という2つのタイプがあります。
【定期薬】:決まった時間・タイミングに使用する薬
定期薬とは、毎日決まった時間やタイミングに使用する薬のことをいいます。
病院で処方される薬はこのタイプが多く、「1日3回毎食後」「1日1回眠前」と使用方法が指示されます。
抗菌薬(抗生物質)は種類によって使用方法が異なり、1日1回~複数回使用が必要な薬もあります。
十分な効果を得るためには、指示された通り使用するようにしましょう。
高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病に関する薬のタイプも定期薬です。
毎日決まったタイミングに使用することで、体の状態をコントロールできます。
【頓服薬】:症状がある時や必要な時に使用する薬
頓服薬とは、食後や眠前など決まった時間ではなく、症状がある時や必要な時にだけ使用する薬のことをいいます。
頓服薬にはいくつか種類があり、痛みがある時にだけ使用する鎮痛剤、眠れない時にだけ使用する睡眠剤、発熱時のみ使用する解熱剤などがあります。
対症療法的な薬なので、根本的な治療につながるわけではありません。
しかし、辛い症状を素早く抑えられる利便性があります。
どのような症状がどのくらい出た時にどうやって使用するかは、かかりつけの病院に相談または確認しておくといいでしょう。
1日に服用していい頓服薬の回数は?
頓服薬は、1日に2~3回まで服用してOKです。
続けて服用する場合は、4~6時間ほどの間隔をあけて服用するといいでしょう。
ただし、症状・状態・薬により服用する回数や間隔は変わってくる時もあるので、頓服薬の服用方法については処方された病院や薬局などで確認するようにしてください。
ちなみに、頓服薬を服用する時は、できるだけ水や白湯と一緒に飲むことをおすすめします。
牛乳やお茶、ジュースなどと一緒に飲むと、薬によっては効果が半減したりなくなったりします。
また、副作用が出たり症状がひどくなったりすることもあります。
ですから、外出先に頓服薬を持っていく時は、水や白湯を入れた水筒と一緒に持っていくと安心です。
しかし、牛乳やお茶、ジュースなどと一緒に飲んでも効果が変わらない薬もあります。
そうであれば、水や白湯以外と一緒に飲んでもOKです。
気になる方は、病院や薬局で1度聞いてみるといいでしょう。
頓服薬には用途別に様々な種類が用意されている
頓服薬には色々な種類がありますが、主な頓服薬は以下の通りです。
頓服薬の種類①解熱剤
高熱(38度5分以上)の時に使用する頓服薬で、鎮痛作用があるものも多いです。
すぐに効果が出ないからといって、続けて服用することはやめましょう。最低でも4~6時間あけて服用してください。
頓服薬の種類②鎮痛剤
腹痛や頭痛、歯痛や生理痛などの突発的な痛みや悪化した痛みに使用します。
解熱剤と同じように、最低4~6時間はあけて服用するようにしましょう。
鎮痛剤には解熱作用があるものも多いですが、片頭痛や腹痛の薬に解熱作用はありません。
頓服薬の種類③下剤
便秘の症状が悪化した時に使用する頓服薬です。
便通が数日ない時に飲むのが一般的です。
寝る前に服用すると、翌朝便通があります。
下剤に頼るのも1つの方法ですが、食べ物や運動などで排便を促すよう心掛けることも大切です。
頓服薬の種類④睡眠剤
睡眠導入剤として、眠れない時に使用します。
1回の服用量を守り、正しく使うことが大切です。
くれぐれも乱用しないようにしてください。
頓服薬の種類⑤狭心症発作止めの薬(血管拡張剤)
狭心症の発作が起こった時に使用する頓服薬で、ニトログリセリンという舌下錠が有名です。
舌の下や歯茎と頬の間に錠剤を入れて服用します。
口腔内の粘膜から薬の成分が吸収され、通常1分以内に効果が現れます。
かみ砕いたり飲み込んだりせずに使用しましょう。
頓服薬を服用する際に注意すること
辛い症状を一時的に改善してくれる頓服薬ですが、使い方を誤ると十分に効果を発揮しません。
ですから、頓服薬を服用する時は以下のことに注意しましょう。
①用法・容量は必ず守る
病院や薬局で指示された服用方法は必ず守りましょう。
そうでなければ効果が期待できない上、副作用リスクも高まります。
症状がないときにむやみに飲んだり、連続して服薬したりすると、胃を荒らしたりする可能性もあります。
「痛みが引かないから多めに飲んじゃおう!」などの自己判断は決してしてはいけません。
頓服薬を服用しても症状が改善しない場合は、かかりつけの病院に相談するようにしてください。
②古い薬は飲まない
薬には使用期限があり、期限が過ぎたものは品質が変わってしまう可能性があります。
以前使っていた頓服薬が残っている場合でも、それを飲むのは危険です。
使用期限が過ぎた薬は早く捨てて、誤って服用してしまわないようにしましょう。
③飲み合わせ・食べ合わせに気を付ける
1錠ずつ飲めば問題ない薬でも、食べ物や飲み物、薬同士との飲み合わせによって薬の効果が変わったり悪い影響が出たりする組み合わせがあります。
日頃からサプリメントや健康食品を摂取している方は、病院や薬局で飲み合わせ・食べ合わせについて相談しておくと安心です。
いつ服用するの?頓服薬と頓用の違い
飲み薬ではなく、坐薬や貼り薬、注射薬などのいわゆる外用剤は「頓用(とんよう)」といわれています。
頓用には、解熱剤、鎮痛剤、吐き気止め、発作治療薬などがあります。
速効性がある薬で、辛い症状を一時的に抑えてくれます。
ただし、頓用も頓服薬と同じく対症療法にすぎません。
ですから、頓用を使用しても症状が改善しない場合は、かかりつけの病院に相談しましょう。
薬は用法・用量をしっかり守ることで効果を発揮します。
しかし、頓用は症状に応じて自分自身で薬を使用する必要があります。
ですから、「どれくらいの間隔を空けて薬を使ったらいいのか」「1日に何回使用していいのか」「頓用の正しい使用方法について」は事前にしっかり確認しておきましょう。
できれば、自分自身だけではなく、家族にも使い方を理解してもらうと安心です。
特に発作治療薬を使用する方は、家族に理解してもらうようにすると、いざという時に心強いですよ。
また、昔病気になった時に使用した頓用を使用するのも避けましょう。
同じ症状だとしても、以前とは違う病気だったということはよくあります。
昔の頓用を使用すると、症状が悪化したり治療が遅延したりする場合があるので注意が必要です。
最後に【困った時はプロに相談しよう!】
頓服薬を飲んでも症状が良くならない時もありますよね。
そんな時は、専門業者に相談するといいでしょう。
肩や腰の痛みを抑えたい場合は、マッサージや整体などの専門業者に見てもらうと改善するかもしれません。
身体の状態を整えることで、その他の症状も良くなることがありますよ。
また、「どういった薬を飲んだらいいか」「症状を改善するために日常生活で気を付けること」などについても相談できるのは助かりますね。
様々な専門業者のサービス内容や料金、口コミなどを比較できるサイトがありますので、是非それらを参考にして、ご自分に合った専門業者を見つけてみてください!