寝不足は万病のもと!寝不足の眠気対処する方法と良質な睡眠をとる方法
テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」
35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。
経済協力開発機構という国際機関が調査した、30ヶ国の睡眠時間の比較では日本がダントツで少ないという結果が出ています。
睡眠時間が少ない、いわゆる寝不足という状態が長期間続くと集中力や体力の低下から始まり、最終的には心身に何らかの症状が現れ始めます。
今回は、寝不足による眠気対策から、睡眠の質を上げるための根本的な解決策について紹介します。
この記事の目次
注意しよう!寝不足は顔にでるんです!
寝不足は「顔」に出やすいので、鏡で顔を見てみると一目瞭然です。
簡単なチェックリストをご用意したので、一度チェックしてみて下さい。
2.目の下にクマができている
3.皮膚がたるんできる
4.毛穴が広がっている
5.顔全体があかくなっている
このように顔に寝不足の症状が出るのは、自律神経の乱れによるものです。
睡眠不足というストレスにより、コルチゾールというホルモンが体内で放出されて、皮膚のコラーゲンとエラスチンを分解します。
コラーゲンとエラスチンは、皮膚の弾力と柔らかな肌を保つのに欠かせない物質です。
また、コラーゲンとエラスチンが分解されることで、皮脂の分泌が促進されて毛穴が広がります。
開いた毛穴に皮脂が詰まると、顔全体が赤くなります。
あなたの寝不足は本当に大丈夫?チェックリストで確認しよう!
寝る数分前までスマホやパソコンを使用している
寝つきが悪く30分以上かかる
夜中に1回以上目が覚める
寝る時間が日によってマチマチ
寝つけるかが不安
自分が思っている時間より早く目が覚める
小さな物音や光で目が覚める
起きた時、疲労が残っている感じがする
昼間、睡魔が押し寄せることがある
朝起きても気分が晴れないでイライラすることがある
0~2個 睡眠の質がよく、疲れも取れて理想的な睡眠
3~5個 少し睡眠の質が悪くなっている
6~8個 隠れ寝不足の疑いがあり。自覚症状がない
9~10個 寝不足の可能性があり。
寝不足によって身体への悪影響があります!
近年の研究結果から、睡眠不足は認知症やがん、その他の命にかかわる病気になることが分ってきています。
寝不足により、睡眠時無呼吸症候群になる可能性もあります。
睡眠時無呼吸症候群は、寝てるときに呼吸が何度も止まります。
その間、身体に酸素が入ってこないので深く眠ることができず、寝不足の状態が一晩中続き日中睡魔を感じるのです。
睡眠時無呼吸症候群は糖尿病、脳血管障害、高血圧症、心疾患などの生活習慣病にもつながるとされています。
睡眠時の血中酸素濃度が低くなって、低酸素状態を繰り返します。
この状態を放置していると、高血圧症、脂質異常症、糖尿病から動脈硬化が進行し、不整脈や、心筋梗塞、脳卒中、狭心症などの合併症も誘発します。
また、睡眠時無呼吸症候群は特に肥満の人に多いです。
寝不足の眠気を対処する方法を3つ紹介
寝不足の時は、どうしても日中に眠気が襲ってきます。
眠気の対処方法として、席をたつ、ストレッチをする、顔を洗う、トイレに行く、散歩に出かけるなどがあります。
しかし、会議などでどうしても対処ができない場合に3つの方法を紹介します。
眠気覚ましのツボを押して眠気を覚ましましょう!
【合谷(ごうこく)】
親指と人差し指でLの字を作ると、親指と人差し指のつけ根が交差する辺りに、骨の窪んだところです。
【睛明(せいめい)】
目頭と鼻のつけ根です。
【中衝(ちゅうしょう)】
中指の爪の根元にある人差し指側にあるツボです。
【労宮(ろうきゅう)】
手のひらの中央の親指より、手を握ったときに中指が当たる位置です。
カフェインを摂取して眠気を覚ましましょう!
コーヒーや、緑茶などのカフェインを眠気覚ましに取りましょう。
カフェインは脳に直接働きかけることで作用しますが、日ごろ飲み慣れている人は耐性ができてあまり効き目がないかもしれません。
10分~30分の仮眠して眠気を覚ましましょう!
睡魔が襲ってきてどうしても目が覚めないときは、10分~20分の仮眠をとることで集中力が向上し、作業能率が上がることが分かっています。
ただし、30分以上の睡眠をすると眠りが深くなりすぎるので、逆に集中力が下がることも分かっています。
寝不足にならないように睡眠の質を向上させる方法を知ろう!
「寝つき」「熟睡」「寝起きスッキリ」の3つが整えば、いい睡眠が取れます。
睡眠の質の向上には、自律神経のバランスを整えることが大切です。
寝不足にならないように自律神経を整える「メラトニン」を増やそう!
睡眠は脳を冷やし、脳の疲労を取ります。
また、就寝前に自律神経が副交感神経に切り替わることで、身体がリラックス状態になりスムーズに入眠できます。
そのためには睡眠を誘発するホルモン「メラトニン」を増加させることが大切です。
メラトニンを増やすには原料である「セロトニン」を増やす必要があり、セロトニンは日中に多く分泌されます。
セロトニンを多く分泌させるには、朝は起床時に日光を浴びることです。
他にも日中身体を多く動かすとセロトニンの分泌が増えることが分かっています。
また、セロトニンの原料となるアミノ酸「トリプトファン」を摂取することも大切で、トリプトファンは大豆製品、乳製品、ナッツ、魚類に豊富に含まれています。
セロトニンを作るにはビタミンB6・ナイアシン(ビタミンB3)マグネシウムの摂取も重要です。
これらの食材を意識して食べることで、副交感神経に切り替わりやすくなり、睡眠の質が高まることが期待できます。
寝不足にならないようにその他の方法を試してみよう!
・白湯、生姜湯、カモミールティーなどの温かい飲み物を寝る前に飲んで安眠効果を高める
・ぬるめのお湯でお風呂に入ってリラックスする
・お昼にはできるだけ身体を動かして運動する
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35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。