舌が痛い!何科を受ければいいの?舌が痛い時はどんな治療するの?
テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」
35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。
舌が痛かったり、ピリピリした痛みが続くことはありませんか?
歯に当たったり、食事中に異物が舌に刺さったり外傷要因以外に、舌が痛くなることはあるのでしょうか?
また、舌が痛い時は、何科に受診すればいいのか気になりますよね。
そこで今回は、舌が痛む人の性格や体質、舌が痛い時に何科に受診したらいいのかについてご紹介します。
この記事の目次
【舌が痛い】「舌痛症」になりやすい人の性格や体質
舌にピリピリとした痛みがある時、舌の痛みがすぐに治まらずに持続する場合、それは「舌痛症」かもしれません。
舌痛症は全人口のうち、1%~3%の割合で発症します。
細菌やウイルスの感染が原因とされますが、はっきりとした原因の特定には至っていないため、原因療法は難しい病気です。
舌痛症の治療は、痛みを和らげる対症療法が中心となります。
舌痛症は見た目では大きな異常はないので、鏡で目視しても分かりません。
しかし、ピリピリとした痛みが続き、不快感があります。
では、舌痛症はどんな人になりやすいのでしょうか?性格や体質に分けて紹介します。
【舌が痛い】「舌痛症」になりやすい人の性格
まじめで几帳面な人は、ストレスを感じやすく心身に不調が表れやすいタイプの人は、舌痛症を起こしやすい傾向にあります。
【舌が痛い】「舌痛症」になりやすい人の体質
更年期を迎えた女性の発症率は高く、閉経後には15%程度の女性が舌痛症を経験します。
舌痛症が更年期の女性に起きやすい傾向が見られることから、ホルモンバランスや、自律神経の乱れも原因になると考えられています。
投薬中など、口が乾きやすい要因がある場合にも、舌痛症を起こしやすくなります。
【舌が痛い】舌の痛み方によって病気を見分けよう!
舌痛症の症状は、舌にピリピリとした痛みが続きます。
舌の病気で「舌炎」や「舌の腫瘍」などは痛みが伴います。
腫瘍と舌痛症の区別は、飴(アメ)をなめて痛みがあるかないかという簡単な方法があります。
しかし、舌に異常や痛みが起きる病気は他にもあり、医師の検査を受けなければ診断がつかないものが多いため、チェック項目はあくまでも参考程度にして、病院での受診が必要です。
【舌が痛い】食事すると舌の痛みはどうなる?
舌炎や腫瘍で痛みがある時に、食事をすると痛みはより強く増します。
しかし、舌痛症の場合は、アメやガムを口に入れると痛みが和らぎます。
【舌が痛い】舌が痛む場所はどこ?
舌痛症の場合は、舌の先や縁(ふち)に痛みが表れますが、その痛みが移動することがあります。
腫瘍などと区別がつきやすい症状のひとつです。
【舌が痛い】舌の痛みの強さはどれくらい?
舌痛症の痛みには波があり、痛みが強まったり弱まったりと一定しないことが多いことが特徴です。
痛みが強くなると精神的にも不安定になりやすく、痛みへの不安感や不快感からさらに症状を悪化することもあります。
【舌が痛い】舌が痛む時間はいつ頃?
舌痛症の痛みが起きやすいのは、夕方~夜にかけてです。
この時刻には傷みが強くなるという不安感も伴うため、ストレスが増大して、より症状が悪化し傷みを強く感じやすくなります。
【舌が痛い】歯科治療の影響はあるの?
歯科治療を受けている時は、ピリピリした痛みが続くことがあります。
この場合には神経の異常が疑われます。
神経痛と同様に考えていますが、これに関してはまだ因果関係がはっきりしていません。
しかし、歯科治療を受けた後に必ず舌が痛くなるという人は、歯科治療の影響を受けていると考えられます。
舌痛症かどうか判断がつかない場合、以下をチェックしてください。
- 舌に痛みが長く続き、3ヶ月以上経っても治らない
- 口の中が乾燥しやすく、ザラザラ感やベタベタ感がある
- 夕方以降に痛みが強くなる日により痛みの強さが違う痛む場所が変わる
- アメやガムを口に入れることで痛みが和らぐ
- 歯科治療をきっかけに痛みが強くなる
- まじめで几帳面な性格更年期の女性
- 自律神経の乱れを指摘されたことがある
- 口内を検査してもカンジダや口腔内がんは発見されない
- 内科的疾患、主に貧血などがない
- 歯科治療による義歯や被せものに不具合が起きていない
- 痛み止めや軟膏、うがい薬を使っても効果がなく痛みが止まらない
上記項目をチェックして、いくつか当てはまる場合には、舌痛症の可能性が高くなります。
【舌が痛い】何科に受診したらいいの?どんな治療するの?
舌が痛い時や、舌痛症かもと思ったら何科に受診したらいいのでしょうか?
【舌が痛い】歯科口腔外科や耳鼻咽喉科へ受診する!
どこに受診すればいいのか迷いますが、口腔内のことなので、まず歯科口腔外科や耳鼻咽喉科へ受診しましょう。
舌に軽い炎症や、傷があるために痛みが起きている場合は、歯科口腔外科、耳鼻咽喉科で見つかります。
そこで痛み止めや軟膏、うがい薬などが処方されますが、舌痛症が原因での痛みには、これらの薬が効きません。
ここで舌痛症とわかることが多いです。
舌の痛みが3ヶ月続いている時は、舌痛症や腫瘍の可能性が高くなります。
歯科口腔外科や耳鼻咽喉科から、精神科や心療内科での治療をすすめられるケースがあります。
ここで抗不安剤を処方されたり、認知行動療法を受けるようすすめられたりすることがあります。
【舌が痛い】薬で治らない場合は認知行動療法を試そう!
認知行動療法は、精神不安やストレスなど精神的な問題が関係して、舌の痛みが発症している時に行います。
舌痛症の原因となっている精神不安やストレスの解消、痛みに意識を向けないようリラックスしてもらうことを目的とした治療です。
認知行動療法のうち、痛みを感じる症状に対して行われるマインドフルネス療法があります。
自分と向き合って行動を第三者的に観察して、痛みを乗り越えていく療法で、舌痛症の痛みを敏感に受け止めやすい人には効果があります。
【舌が痛い】局所治療、心理療法、内服治療を組み合わせて治療
舌痛症の治療に多いのが、局所治療、心理療法、内服治療を組み合わせる方法です。
軟膏や痛み止めでは効果を感じられない舌痛症ですが、保湿剤を塗ることで痛みが軽減することがあり、局所治療としてはこの方法が用いられます。
舌に必要以上の刺激を与えないため、舌を磨く習慣がある人は回数が多すぎないか一度見直してください。
義歯を使っている場合は、舌に当たることで刺激を与え傷をつけていないか、診察を受けた方がいいでしょう。
タバコも強い刺激になるので禁煙が必要です。
精神面から舌痛症を起こしていると診断された場合には、以下の薬が処方されます。
- 抗うつ剤
- 抗不安剤
- 睡眠導入剤
また痛みを和らげたり炎症を抑えたり、精神の緊張を少なくするために、漢方薬が処方されるケースがあります。
【舌が痛い】舌が炎症して痛い時は舌炎かも!
舌炎と診断された場合は、細菌やカビ(真菌)による炎症が原因です。
感染の有無を検査で調べて、感染していることが確認された場合は、もとになっている細菌や真菌を取り除く治療をします。
舌が強く発赤していたり舌苔が目立つ場合は、カビによる真菌感染の可能性が高くなります。
真菌に対しては抗真菌薬が効果的で、舌に塗布する治療をします。
このときにはうがいも兼ねると効果があがります。
【舌が痛い】口の中が乾燥して舌が痛い時は唾液の検査
口の中が乾燥していることで舌に痛みを感じるときには、唾液を採取して唾液を検査します。
唾液の減少により口内が強く乾燥し、痛みを伴うことがあります。
服薬中には薬の副作用で唾液が減り、口内乾燥が進む場合も多く、もし水分摂取やアメをなめるなどの方法で口に潤いが戻らないときには、処方している病院で相談しましょう。
口内が乾燥しにくい薬に変更してもらうのもいいでしょう。
体質でドライマウス気味の場合には、市販の保湿剤で応急的に湿り気を与えることも差し支えありません。
ただドライマウス(口内乾燥)の原因には、何か病気が隠れていることがあります。
糖尿病の原因となりやすい生活を送っていたり、他に思い当たる症状があったりする人は、一度内科で血液検査を受けてください。
糖尿病が潜んでいた場合は、その治療を進めて症状を抑えることで、口内乾燥が和らぎ、舌の痛みが軽減されます。
【舌が痛い】その他の病気(舌がん)の治療方法
舌がんなど腫瘍が関係しているときは、外科治療が必要になります。
外科治療や、抗がん剤治療などを受けて腫瘍の除去や進行を止める方法が中心です。
この場合は早期発見早期治療が肝心なので、舌の痛みが強く広範囲であったり、1ヶ所が強く鋭い痛みを持ったりする時には、まず内科や歯科口腔外科、外科などを受診して、他に気になる症状がある場合にはそれもすべて伝えましょう。
大きな疾患や腫瘍を伴わない舌の痛みで「舌痛症」と診断された場合には、精神面での治療や内服治療が進められます。
【舌が痛い】舌の痛みの原因が内部疾患にある場合
内部疾患から舌の痛みを起こすことが、舌が痛いと感じる症状を引き起こす病気には、以下のようなものがあります。
- 糖尿病
- シェーグレン
- 症候群貧血
内科でこの検査を受け、疾患が発見されたときには、病気治療を進めましょう。
舌が痛い時はさまざまな原因と治療法がある!
今回は、舌が痛む人の性格や体質、舌が痛い時に何科に受診したらいいのかについてご紹介しました。
舌に痛みがあるというだけでも、さまざまな原因があり、その治療も多岐にわたります。
薬物や対症療法だけで痛みを抑えるものから、外科治療で病変を除去する必要があるものまでいろいろです。
まず痛みが起きるタイミングや場所を確かめ、かかりつけ医に相談してください。
口内をいつも清潔に保ち、乾燥を避け、傷がないにもかかわらず痛みが長く続くときには、舌痛症や他病変の可能性があります。
舌痛症は大きな疾患と結びつかない病気ですが、重大な疾患が隠れているときに舌の痛みが起きるケースがあるので、長く続く舌の痛みは、一度診察を受けましょう。
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