【栄養ドリンクを飲むメリット】寝る前におすすめの栄養ドリンクや飲み方
テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」
35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。
調子が悪い時や、仕事で疲れている時などに栄養ドリンクを飲まれる人は多いのではないでしょうか?
栄養ドリンクを飲むことで、手軽に疲労回復ができるほか、飲むことで元気づけてくれたり、気合を入れたりできますよね。
しかし栄養ドリンクの成分によっては飲む時間帯を選ぶ必要があります。
それは「カフェイン」が配合されている栄養ドリンクです。
栄養ドリンクの成分の中にカフェインが入っていると寝つきが悪くなってしまい、睡眠の妨げになります。
そのためカフェイン入りの栄養ドリンクを寝る前に飲むことはオススメできません。
今回は、寝る前に栄養ドリンクの飲み方や、栄養ドリンクの選び方についてご紹介します。
この記事の目次
【栄養ドリンク】寝る前に栄養ドリンクを飲んでいいの?
そもそも栄養ドリンクとは何なのでしょうか?
栄養ドリンクとは疲労回復や体力回復を目的とした有効成分が配合されている飲み物のことを指しています。
栄養ドリンクは配合されている成分によって、「一般用医薬品」と「医薬部外品」に分類されます。
さらに一般用医薬品は「第2類医薬品」と「第3類医薬品」と細かく分けられています。
これらは効能や効果、副作用などさまざまな臨床データに基づいて、分類されています。
一般用医薬品に分類されている栄養ドリンクは、人体への有効成分が配合されており、疲労回復や栄養補給などの効果を得る事ができます。
しかし飲み過ぎると、過剰摂取になってしまうため副作用が出現しやすくなります。
また医薬品のため、定期的に内服している薬がある方にとっては、相互作用によって薬の効果が十分に発揮できない場合もあります。
服薬している方は医師や薬剤師に確認するようにしてから、栄養ドリンクを飲むようにしましょう。
医薬部外品に分類されている栄養ドリンクは、一般用医薬品の栄養ドリンクよりも有効成分の配合量が少なく、安全性の高いドリンクになっています。
しかしこちらも過剰摂取には注意が必要です。
栄養ドリンクには多くの種類の有効成分が配合されています。
糖類は体や脳を動かすエネルギーに変換され、元気の源となります。
ビタミンやアミノ酸は糖類をエネルギーに変える手助けをしてくれ、かつ免疫力を高める働きがあります。
他にもさまざまな有効成分が相乗効果のように働くことで、疲労や体力が回復したように感じさせてくれます。
これらの栄養ドリンクは、基本的にいつ飲んでもかまいません。
人によっては朝起きたタイミングや仕事の休憩中に飲まれる方もいます。
しかし一番は「寝る前」に飲むことをおすすめします。
人の体は就寝している間に体を修復し、疲労を回復させます。
有効成分がたっぷり配合された栄養ドリンクを寝る前に取り入れることで、体の修復や疲労により効果を発揮できます。
また風邪を引いた時や体調のすぐれない時にも、手軽に栄養やエネルギーを補給できる栄養ドリンクはおすすめです。
ただし一部の栄養ドリンクにはアルコールが含まれていることがあります。
アルコールが含まれている栄養ドリンクは成分表に記載されているだけでなく、商品説明欄に注意喚起されています。
決して誤った飲み方はしないようにしてください。
【栄養ドリンク】寝る前に栄養ドリンクを飲むメリット
寝る前に栄養ドリンクを飲むことで以下のメリットを得る事ができます。
【栄養ドリンク】疲労回復
寝ている時に人間の体は最も修復します。
寝る前に栄養ドリンクを飲むことで、体の修復に必要なエネルギーを補給する事ができます。
【栄養ドリンク】肝機能回復
基本的に栄養ドリンクには「タウリン」という成分が配合されています。
タウリンには肝臓を修復する効果があります。
【栄養ドリンク】角膜の修復
前述したタウリンには角膜を修復する作用があります。
普段からパソコンを使用する方や目を酷使する業務に従事している方など、眼精疲労にも効果的です。
【栄養ドリンク】栄養補給
現代の日本人は常に栄養不足と言われています。
特にビタミンが不足しており、一日の食事で足りなかった栄養をドリンクで補うことで、手軽に栄養補給できます。
【栄養ドリンク】免疫力向上
抵抗力を高める成分(ジオウやニンジン、ショウキョウなど)の入った栄養ドリンクを飲むことで、免疫力を高める事ができます。
しかしメリットがある反面、デメリットもあります。
栄養ドリンクは飲みやすさを重視し、かなりの量の糖分が使用されています。
その為、毎日栄養ドリンクを飲用していると血糖値が高くなり、糖尿病などのリスクが高まります。
また保存料などの添加物も多く含まれているため、栄養ドリンクを毎日飲んだり、過剰に飲み過ぎたりするのは避けてください。
【栄養ドリンク】寝る前にオススメの栄養ドリンクの選び方
寝る前に栄養ドリンクを飲む場合、配合されている成分に注意する必要があります。
栄養ドリンクの多くは「カフェイン」が含まれています。
カフェインには覚醒作用があり、脳や体が興奮状態になります。
これはカフェインがアデノシンという鎮静効果のある神経伝達物質が脳内で伝達されるのをブロックするためです。
鎮静が妨げられることで、脳が活動モードになり覚醒します。
カフェインを摂取すると30分後が最も血中濃度が高くなり、この時間に一番覚醒効果が高くなります。
デトロイトのヘンリーフォード病院にある睡眠障害研究センターで、カフェインによる入眠妨害効果を調べた実験が行われました。
睡眠障害のない健康な男女12名に対し、カフェイン抜きの飲み物、入眠時にカフェイン入りの飲み物、入眠3時間前にカフェイン入りの飲み物、入眠6時間前にカフェイン入りの飲み物をそれぞれ摂取してもらい、睡眠の質や時間、睡眠効率、徐波睡眠の程度を調べました。
また12人それぞれに入眠状況について主観的な評価してもらいました。
結果カフェイン抜きの飲み物を飲んでいる人たちは入眠するまでの時間が約20分程度であったのに対し、入眠時にカフェインを摂取した人たちは約43分、入眠3時間前にカフェインを摂取した人たちは約37分、入眠6時間前にカフェインを摂取した人たちは約44分と、明らかにカフェインを摂取していない人の方が眠りにつくまでの時間が短いことがわかりました。
さらに睡眠時間においては、カフェインを摂取していない人たちは約7.5時間であったのに対し、カフェインを摂取した人たちの睡眠時間は約6.5時間と1時間の差がありました。
他にもカフェインを摂取している人たちはカフェインを摂取していな人たちに比べ、睡眠の効率や睡眠の質が低下していました。
そして主観的な評価を見てみると、カフェインを摂取している人たちは眠りにつくまでの時間も長くなり、睡眠の質は明らかに下がっていると感じていました。
カフェインによる覚醒効果は、他にも人の体にある「深部体温」に影響を与えています。
これは体の内部、内臓の温度を示しています。
深部体温は朝から夕方に向けて上昇していき、夜から朝にかけて下降していくリズムで推移しています。
深部体温が上がると活動的になり、逆に下がると眠りやすくなるように体のリズムができています。
そして深部体温の低下が眠気の要因となっています。
カフェインを過剰に摂取すると、脳が覚醒し、それに呼応して深部体温も上昇します。
その為、なかなか深部体温が下がらず、寝つきにくくなります。
またカフェインには利尿作用があり、夜トイレのために何度も目が覚めることがあります。
途中で覚醒することで眠りが浅くなって体が十分な休息をとれなくなります。
寝る前に栄養ドリンクを飲む場合は、カフェインが配合されていないものを選ぶようにしましょう。
寝る前に飲むことを想定されたカフェインレスの栄養ドリンクも、ドラッグストアなどで一般販売されています。
カフェインレスの栄養ドリンクにもさまざまな種類があり、寝つきが良くなるような成分の栄養ドリンクがあれば、疲労回復に特化した栄養ドリンク、体調不良時に最適なビタミンたっぷりの栄養ドリンクなど、自分の状況・用途に合わせて選択するようにしてください。
オススメのカフェインレス栄養ドリンク4選
オススメのカフェインレスの栄養ドリンクを紹介します。
【オススメの栄養ドリンク】リポビタンノンカフェイン
疲れた時に飲めて、ノンカフェインなので、夜飲んでもぐっすり睡眠できます。
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【オススメの栄養ドリンク】チョコラBBドリンクⅡ
疲れた時だけではなく、肌荒れにも効果的なノンカフェイン栄養ドリンクです。
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【オススメの栄養ドリンク】チオビタドリンクアイピタスゼロ
カフェインレスはもちろん、糖類0で寝る前の栄養ドリンクにうれしい1本です。
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【オススメの栄養ドリンク】ユンケル黄帝液DCF 30ML
第2類医薬品のノンカフェイン栄養ドリンクです。
普段の疲れから、病中病後の栄養補給、風邪などの疾患時にも効果的です。
※医薬品は使用上の注意をよく読み用法・用量を守って正しくお使いください。
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栄養ドリンクを寝る前に飲む時の注意点
寝る前に栄養ドリンクを飲む場合は、配合されている成分を見て、カフェイン入りの栄養ドリンクは避けるようにしてください。
またカフェイン入りの栄養ドリンクが手に入らなかった場合は飲む時間帯、飲む量に気をつければ飲んでもかまいません。
カフェインは一度摂取すると、長時間体の中に残ります。
カフェインが体の中で分解され、血中濃度が低下する時間は約2.5時間~4.5時間といわれています。
少なくとも入眠する4時間前までに飲むようにしましょう。
ただし子どもや高齢者はカフェインを分解する肝臓の機能が低いため、分解に時間がかかります。
その為、夕方以降はカフェインを摂取しないようにしましょう。
そして飲む量にも注意が必要です。
一般的な栄養ドリンク100mlに含有されているカフェイン量は約50mgと言われています。
これはコーヒーに置き換えると約150ml分、つまりコーヒーカップ2杯分ほどのカフェイン量になります。
もし栄養ドリンクを1日に2本飲むとなると、コーヒー4杯分、1日に3杯飲むとなるとコーヒー6杯分と、かなりカフェインの摂取量が多くなります。
ただしこれはあくまで100ml中におけるカフェイン量のことですので、飲む栄養ドリンクの量によっては、さらにカフェイン量が多いことも十分に有り得る話です。
成分表に注意し、配合されているカフェイン量を必ず確認した上で飲むようにしてください。
また間違えやすいものとして「栄養ドリンク」と「エナジードリンク」の違いがあります。
この2つは似ているようで、実はまったく違うものです。
栄養ドリンクは医薬部外品に指定され、成分の表示が厚生労働省より義務付けられています。
それに対しエナジードリンクは清涼飲料水に指定され、成分の表示が義務付けられていません。
エナジードリンクにもカフェインは配合されています。
飲用する場合は注意が必要です。
一般的にカフェインは1日400mg以内であれば、カフェインによる人体への悪影響はないとされています。
しかし日本人は緑茶を飲む機会が多く、食の欧米化によりコーラなどの清涼飲料水を飲むこともあります。
その上で栄養ドリンクを飲むと、知らず識らずのうちに400mgの上限をオーバーしてしまうこともあるため、栄養ドリンクを飲む場合は1日のカフェイン量を意識しながら飲み物を選択するようにしてください。
ここで飲料を選択する上で、目安となるカフェイン量を記載しておきます。
目安となるカフェイン量
・コーヒー(ドリップ)100mlあたり60mg
・コーヒー(インスタント)100mlあたり40mg
・エスプレッソ30mlあたり60mg
・コーラ100mlあたり10mg
・緑茶(玉露)100mlあたり120mg
・栄養ドリンク100mlあたり50mg
・エナジードリンク100mlあたり40mg
最後に【正しい栄養ドリンクを選択して翌朝すっきり目覚めよう】
今回は、寝る前に栄養ドリンクの飲み方や、栄養ドリンクの選び方についてご紹介しました。
この記事を参考に、自分の体調に合わせて上手に栄養ドリンクを活用してください。
- カフェインレスの栄養ドリンクであれば、寝る前に飲んでも問題ない
- 寝る前に飲むことで、疲労回復、栄養補給、免疫力改善などの効果が得られる
- カフェイン入りの栄養ドリンクを飲む場合、寝る4時間前までに飲むようにする
- カフェイン入りの栄養ドリンクを飲む場合、1日のカフェイン量に注意する
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