カフェイン中毒って何?知らないと恐いカフェイン中毒とコーヒーの飲みすぎについて
コーヒーやお茶、エナジードリンクなどに含まれているカフェイン。
その過剰摂取によるカフェイン中毒症状で救急搬送される例が増えています。
そしてカフェイン中毒症状がひどい場合には死を招くほどの危険な状態に陥ります。
そうならないためにも、今回はカフェインの正しい情報をご紹介しますのでカフェインと上手に付き合っていきましょう。
この記事の目次
カフェイン中毒症状を起こさなければカフェインはいいことづくし?
コーヒーの味や香りが好きで毎のコーヒーブレイクが習慣化しているという方もいらっしゃると思います。
そのコーヒーブレイクは香りでリラックス効果があるだけでなく、コーヒーに多く含まれるカフェインからも様々な効果を得られます。
そもそもカフェインとはなんなのかも含め紹介していきます。
〈カフェインとは〉
アルカロイドとよばれる化合物の一種でコーヒーやお茶、エナジードリンクに多く含まれています。
苦味のある白色の結晶です。
〈カフェインの効果〉
カフェインを摂取することで①覚醒作用②疲労感減少③血管拡張④利尿作用といった効果があります。
それぞれどのような要因でおこるのか解説していきます。
カフェインの効果①覚醒作用
疲労によりアデノシンという睡眠物質が体内にたまると脳が眠りに誘われます。
それとは逆に、ヒスタミンと呼ばれる物質が脳内に放出されると覚醒します。
カフェインには睡眠物質であるアデノシンの働きを抑える効果があるため覚醒作用のあるヒスタミンが有利に働きます。
そうして覚醒することで集中力があがり業務効率が上がります。
カフェインの効果②疲労感減少
カフェインにはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が含まれます。
ポリフェノールには抗酸化作用があるので疲労の原因となる活性酸素を除去してくれ、これにより疲労感が軽減します。
カフェインの効果③血管拡張
カフェインは血管を拡張するアデノシンという物質と非常に構造が似ており、カフェインを摂取することで血管を拡張し頭痛を和らげます。
頭痛薬にもカフェインは使用されています。
カフェインの効果④利尿作用
尿の排出を促進するカリウムを豊富に含んでいます。
それによるデトックス効果でむくみに有効です。
就寝前にカフェインを摂取すると夜間にトイレにおきる可能性が高いので、カフェインを摂取するタイミングには気をつけましょう。
こんな症状感じてない?これがカフェイン中毒症状!
ここまでカフェインのメリットを解説しました。
これらのメリットを求めて日々カフェインを摂取されている方の中には、下記のような症状に悩まされている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
カフェインを過度に摂取した場合には中毒症状を起こすことがあります。
カフェイン中毒に陥った際に現れる症状を解説していきます。
①筋肉の痙攣
カフェインは心拍数をあげる作用があるため筋肉を興奮させ痙攣を引き起こすことがあります。
特に目の筋肉はカフェインの影響を受けやすく瞼の痙攣を引き起こしやすいです。
②消化不良/吐き気
食後の適量のコーヒーは胃液の分泌を促すので消化を促進してくれます。
しかし、それが過剰になると胃酸によって胃が荒れ消化不良や吐き気の原因となります。
③頭痛
カフェインによって血管が拡張することで頭痛が和らぐ効果がありますが、過剰に摂取すると血管の拡張が大きく、それが血管周囲の神経を刺激し頭痛の原因となります。
④不安感/睡眠不足
カフェインが心拍数を増加させる作用のある交感神経の働きを高めることでイライラし不安感が増します。
働きの高まった交感神経が、眠気を誘発する副交感神経の働きを阻害するため入眠することが難しくなります。
カフェイン中毒症状の危険性に気づいていないのは日本だけ?
過剰に摂取すると中毒をおこすカフェインですが、この危険性をご存知でしたか?
また、カフェイン中毒症状の危険から日本人を守るために国は摂取量の基準など対策を設けているのでしょうか?
ここでは各国のカフェインに対する注意喚起をご紹介します。
〈カナダ〉
健康な一般成人は1日当たり400mg以上、12歳以下の児童は体重1 kg当たり2.5mg以上の摂取を避けるよう勧告しています。
〈イギリス〉
英国食品基準庁が妊婦のカフェイン摂取量は1日200 mg未満に制限すべきと勧告しています。
〈日本〉
農林水産省のホームページにおいてカフェインの過剰摂取による影響と各国の注意喚起を掲載しているものの具体的な制限や規制は検討されていません。
各国でカフェイン中毒により命を落とす若者が増えていることから、国が具体的に規制する必要性が高まっています。
解毒剤がないって本当?これがカフェイン中毒症状の治療!
重度の場合危険性の高いカフェイン中毒ですが、中毒症状に苦しめられた場合どのような治療方法があるのでしょうか?
他の中毒とは違って解毒剤がないというのは本当なのかも含め、治療法をご紹介していきます。
①血液吸着
血液を取り出し、その血液内のカフェインを活性炭などで吸着させ取り除き、綺麗になった血液を再度体に戻す方法です。
カフェインの血中濃度を下げる目的で行われます。
②血液透析
血液を取り出し、透析機を通して特殊なフィルターでカフェインを濾過し血液内のカフェインを取り除いてから再度体に戻す方法です。
1度行えば十分に回復する場合もありますが、慢性的に血液透析を必要とする場合もあります。
③胃洗浄
カフェインは市販の風邪薬や眠気予防薬にも含まれていて比較的簡単に摂取できることからそれらの薬を多量に摂取し、カフェイン中毒を起こす場合があります。
摂取後4時間以内であれば胃を洗浄することでカフェインが体内に吸収される前に除去できる可能性があります。
④解毒剤
解毒剤・拮抗薬共に存在しません。
そのため日頃から中毒症状が出ないよう自身に合った適切な摂取量に留める必要性があります。
意外と知らないカフェイン中毒症状から脱する難しさ!
重度のカフェイン中毒の場合は先ほどご紹介したような治療法がありますが、軽度の場合にはカフェインに依存している状態から抜け出す努力が必要です。
カフェイン中毒も他の中毒症状同様、摂取を中断した場合に離脱症状と呼ばれる禁断症状がみられることがあります。
具体的にどのような離脱症状があるのかご紹介していきます。
①偏頭痛
もっとも多くみられる離脱症状です。
カフェインの影響で拡張していた脳の血管がカフェインを摂取しなくなり元の状態に戻ります。
そうして拡張がおさまることでカフェイン摂取時から比較して血管が極度に収縮したような感覚になり頭痛に襲われます。
人によっては非常に強い痛みなので、かかりつけの医師に相談してみるのもいいでしょう。
②吐き気/だるさ
風邪の症状と似た吐き気や筋肉の痛み、だるさを感じることがあります。
ひどい場合は座っているのも辛いような状態になります。
カフェイン中毒から脱すると決めたら仕事を休めるタイミングを設けるなど予定の調整をしておくといいでしょう。
③眠気
カフェインを取らなければ眠気を抑えられない状態になっている人は強い眠気に襲われます。
眠気により日中も頭がぼーっとして集中力が低下しがちです。
運転など集中力を必要とすることは避けるようにしましょう。
これらの離脱症状はカフェインを最後に摂取した時から24〜48時間後をピークに2〜9日続きます。
しかし、中毒症状から抜け出すことができればこれまで悩まされていた様々な不快な症状から解放されます。
離脱症状があまりにもしんどい場合はカフェインの摂取量を段階的に減らすなど工夫しながらカフェイン中毒を脱しましょう。
無理をしすぎず医療機関で相談することを検討してみてもいいでしょう。
あなたの安全量は?カフェイン中毒症状を起こさないために知っておこう!
1度カフェイン中毒に陥ると離脱症状も含め様々な症状に苦しむことになります。
しかし、カフェイン中毒から抜け出し、慢性的に過剰摂取しなければカフェインの効果を得ることができます。
カフェインは正しい知識を持って自分にあった量を摂取していれば問題ありません。
ここでは、一人一人のカフェイン安全量を見つけるための目安を紹介していきます。
〈年齢別の目安量〉
小児:1日に3mg/kg
成人:1日に5.7mg/kg
〈体重別の目安量〉※成人の場合
40kg:228mg
60kg:342mg
80kg:456mg
インスタントコーヒー一杯に含まれるカフェインが約60mgなので体重40kgの成人は1日にコーヒーを4杯ほど飲むことができます。
カフェインを多く含むものとしてコーヒーをイメージされる方が多いと思いますが、玉露にはコーヒーの2倍以上の約160mgのカフェインが含まれています。
また、エナジードリンクやサプリメントにもカフェインが含まれているので注意が必要です。
予期せずカフェインを含んでいるものもありますので口にする前に原材料をチェックすると安心です。
年齢や体重以外にも、カフェインの影響を受けやすい体質などがあり安全量には個人差があるので、目安量でも中毒症状が現れる場合があります。
心配な場合は少量から試すかデカフェやカフェインレスを取り入れるといいでしょう。
まとめ【カフェイン中毒症状の危険性を認識しよう!】
今回は、カフェイン中毒症状の危険性とカフェインの安全量についてお話ししました。
1度中毒症状に陥ると脱するのが大変なので普段から自身の安全量を意識しましょう。
- カフェインの効果:覚醒作用/疲労感減少/血管拡張/利尿作用
- カフェイン中毒の症状:筋肉の痙攣/消化不良/吐き気/頭痛/不安感/睡眠不足
- カフェイン中毒への国の対応:カフェインへの制限や規制については検討されていない。
- カフェイン中毒の治療:重症の場合は血液吸着および血液透析、胃洗浄。解毒剤や拮抗薬はない。
- カフェイン中毒の離脱症状:偏頭痛/吐き気/だるさ/眠気
- カフェインの安全量:成人の場合1日に5.7mg/kgまで。体重60kgの場合は1日に342mgまで(インスタントコーヒーのカフェイン含有量:約60mg)