利尿作用はむくみ解消に効果的って本当?利尿作用との上手な付き合い方を紹介!
脚や顔がむくんで辛い想いをされている方は多いのではないでしょうか?
むくみを放置していると痒みやだるさを感じるだけでなく、血管が浮き出たり血栓ができたりする可能性があります。
そうならないためにも体内の老廃物を排出する利尿作用を促しましょう。
今回は利尿作用を高める食品やそれらの食品を摂取する時に気をつけるべきことを解説していきます。
この記事の目次
コーヒーを飲んだらトイレが近くなるのはなぜ?利尿作用のメカニズム
コーヒーを飲むとトイレの回数が多くなると感じませんか?
このようにトイレの回数が増えるのはコーヒーに含まれているカフェインが影響していることをご存知の方は多いかと思います。
しかし、具体的にどのようなメカニズムなのかご存知でしょうか?
ここではカフェインが作り出す利尿作用のメカニズムを解説していきます。
カフェインには大きく分けて①血管が拡張されて血流が増加する②本来行われる水分の再吸収が行われないという2つの作用があります。
①血管が拡張されて血流が増加する
カフェインを摂取すると自律神経のうちの1つである交感神経が刺激されて血管が拡張します。
それが腎臓でおこることで腎臓の血流が増加し利尿作用が促進されます。
腎臓は血液を濾過して体に不要なものを尿として排出し、必要なものは再吸収する臓器です。
そのため、血流が増加し腎臓の働きが活性化すると濾過作業が促進されるので尿をいつも以上に作り出すことになります。
②本来行われる水分の再吸収が行われない
先ほど解説したように腎臓は血液を濾過し、体に必要なものを再吸収します。
しかし、カフェインが影響すると体に必要なものである水分の再吸収が抑制され体外に排出されます。
こうして尿の量が増加します。
このようにカフェインを摂取すると腎臓が刺激されることで利尿作用があります。
利尿作用が引き起こされると体にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここからは利尿作用がもたらすメリットを紹介します。
そのお悩みが解消するかも?利尿作用のメリットを紹介!
利尿作用のメリットには①老廃物や毒素の排出②むくみ改善③高血圧改善があります。
尿として体に不要なものや水分が排泄されることで体に嬉しいメリットをもたらしてくれます。
利尿作用のメリット①老廃物や毒素の排出
利尿作用によって腎臓が刺激され働きが活発になることで体にとって不要な乳酸や尿素などの老廃物や毒素が尿と一緒に排出されるのでデトックス効果があります。
老廃物や毒素が排出されず血液中に多く蓄積されると尿毒症という状態に陥り急性腎不全につながる場合がありますので、尿と一緒に不要なものを排出し老廃物を体に溜め込まないことが大切です。
利尿作用のメリット②むくみ改善
老廃物や毒素の排出について紹介しましたが、体にとって不要なもの(特にナトリウムやカリウム)を尿と一緒に排出するとむくみが改善するというメリットもあります。
また、老廃物や毒素だけでなく体内に過剰に溜まった水分が皮下に染み出すことでむくみが現れます。
ナトリウムやカリウムと合わせて余分な水分も尿と一緒に排出するとむくみが改善します。
利尿作用のメリット③高血圧改善
血圧とは血液が血管の内壁を押す力のことなので、高血圧の時には血管が血液で強く押されている状態です。
この状態から血圧を下げるには血管内を通る血液の量を減らせばいいのですが、そこでポイントとなってくるのが水分です。
体内の水分量が減ると血液の量も減るので尿として不要な水分を排出しておけば血圧の上昇を防ぐことができます。
高血圧を放置しておくと心臓や脳の病気につながることがあり、日頃からの対策が大切です。
デトックス効果あり?これが利尿作用の高い食品
利尿作用によってもたらされるメリットをご紹介しました。
これらのメリットを得ることができる食品はカフェインを含むコーヒーだけではありません。
いくつかご紹介しますのでご自身の好みなどに合わせて取りやすそうな食材から挑戦してみてください。
<オレンジジュース>
オレンジジュースを飲むと柑橘類に多く含まれるカリウムによって利尿作用がもたらされます。
通常は膀胱に500ccほどの尿がたまれば尿意を感じます。
しかし、カリウムを摂取すると膀胱の働きが促進されるので200ccほどで尿意を感じるようになりトイレに行く頻度が増えます。
オレンジジュースはカリウム以外に糖分も多く含まれているので取りすぎには注意が必要です。
<ほうれん草>
ほうれん草にもカリウムが多く含まれています。
加熱せず生の状態の方がカリウムは豊富に含まれていますが、生のほうれん草のえぐみの原因であるシュウ酸は体内のカルシウム不足を引き起こすので加熱して摂取した方がいいでしょう。
最近ではサラダほうれん草という生で食べられる種類のものも広く出回るようになりましたので、そういったものを取り入れるのもおすすめです。
<きゅうり>
きゅうりは栄養がないのではないかと言われるほど水分を豊富に含んだ野菜で、その95%が水分です。
汗をたくさんかく夏が旬だということもあり水分補給にぴったりです。
そのようなきゅうりにも多く含まれている栄養素がカリウムです。
カリウムと水分を同時に摂取することで老廃物の排出がよりスムーズにできます。
さらに、カリウムには同じ量のナトリウム(塩分)を尿として体外に排出する働きがあるのでむくみの改善も期待できます。
<枝豆>
枝豆にもカリウムが豊富に含まれています。
冷凍するとカリウムの量が少し増えるので、気軽に調理できる冷凍の枝豆を利用してもいいでしょう。
また、枝豆は殻ごと茹でるので栄養が逃げにくい食材です。
様々な調理方法でレシピの幅を広げてみてください。
ただし枝豆は未成熟状態の大豆なので大豆アレルギーの方は注意が必要です。
過度に摂取すると危ない!利尿作用の高い食品のデメリット
ここまで利尿作用の高い食品や利尿作用のメリットを紹介しました。
しかし、過度に摂取すると体に危険を及ぼすことがあります。
ここでは、利尿作用の高い食材を過度に摂取した場合のデメリットを紹介します。
利尿作用の高い食品のデメリット①トイレの回数が増える
1日の排尿回数は平均で6~8回程です。
しかし利尿作用の高い食品を過剰に摂取すると、それ以上にトイレに行く回数が多かったり就寝時に尿意によって目覚め、睡眠が阻害されたりします。
そうなることで生活に支障をきたすことがありますのでトイレの回数は増えれば増えるほどいいというものでもありません。
1日の排尿回数が8回以上になっている場合は食品選びに気をつけてみてください。
また、心配な場合は泌尿器科や内科を受診しましょう。
利尿作用の高い食品のデメリット②脱水症状
よっぽどの過剰摂取をしなければ脱水症状の心配はいりませんが大事にいたる場合もありますので、このような危険性があることを把握しておきましょう。
利尿作用の高い食品の中でも特にコーヒーはカフェインだけでなくカリウムも多く含んでいます。
そのため、コーヒーで水分補給することが習慣になっていて毎日多量に摂取している方は脱水症状が現れる可能性があります。
コーヒーの摂取量を減らす、水も飲むようにする、といった対策をとってください。
利尿作用の高い食品のデメリット③腎臓への負担
腎臓は血液を濾過して体に不要なものを尿として排出する臓器なので、濾過しなければいけない老廃物がたくさんあると腎臓に負担がかかります。
利尿作用の高い食品に含まれるカリウムやカフェインを過剰にとることが習慣になり、腎臓に負担をかけ続けると腎臓が機能を果たせなくなり血液中に老廃物がたまっていくので、血液を綺麗にする治療が必要になる場合もあります。
そもそも腎臓に持病のある方はかかりつけの病院で食事指導など受けているかと思いますが、むくみ改善など利尿作用のメリットを期待して利尿作用の高い食品をとろうとせず食事指導の内容にそった食事を心がけてください。
このように利尿作用の高い食品を過剰に摂取することで体に負担がかかるだけでなく生活に支障が出る場合もあります。
1日にカフェインなら成人はコーヒー4杯、カリウムなら成人はオレンジジュース4杯を上限として摂取しましょう。
長時間トイレにいけない時におすすめ!利尿作用の低い食品
利尿作用の高い食品を紹介してきましたが、長時間トイレにいけないときにはトイレの心配をせずにすむようにしたいと思われるでしょう。
しかし、極端に水分を取らずにいると脳梗塞や心筋梗塞になる危険性があります。
そこで、ここからは利尿作用の低い食品を紹介しますので参考にしてみてください。
<水(白湯)>
人間の体の約60%は水分でできています。
特に筋肉は保水力が高いので筋肉量を増やすと体の水分量を増やすことができます。
このように人間に欠かせない存在の水は利尿作用が低い飲み物です。
さらに水はミネラルが含まれていますが腎臓に負担がかかるほどの量は含まれていないので安心して飲むことができます。
しかし、食事中や食後は多く水を飲むと消化液や消化酵素の働きを邪魔することになるので控えましょう。
また、冷たい状態で飲むと体が冷え、交感神経の働きが強くなり排尿が促されることでトイレが近くなりますので白湯や常温の状態で飲むのがおすすめです。
他に、水は味がなく飲みづらいという方にはフレーバーをつけた水がおすすめです。
レモンやお好みの果物、ハーブなどを水に入れ半日ほど待つと果物やハーブの風味が水に移り飲みやすくなります。
果物のビタミンが溶け出し栄養素がアップするというメリットもあります。
<麦茶>
麦茶はお茶の中では珍しくカフェインが含まれてないので利尿作用がありません。
夏場に飲まれるイメージが強い麦茶ですが、たくさん汗をかく季節に補っておきたいミネラルが含まれています。
夏バテを防止するためにも積極的に飲んでおきたい飲み物です。
さらにバクテリアが定着するのを邪魔する効果があります。
特に虫歯菌であるミュータンス菌が歯に菌の膜をはるのを邪魔してくれるので虫歯になりにくくなります。
利尿作用の高い食品と上手に付き合ってむくみ撃退!
利尿作用の高い食品のデメリットや利尿作用の低い食品を紹介しましたが、利尿作用をうまく利用することで得られるむくみや高血圧の改善といったメリットがあります。
利尿作用の高い食品との上手な付き合い方を紹介しますので、ぜひ取り入れてみてください。
就寝前に利尿作用の高い食品をとり過ぎない
就寝時、頻繁にトイレに起きると寝不足になるので就寝前はとりすぎないように気をつけましょう。
特にカフェインを含む食品は利尿作用だけでなく覚醒効果もありますので就寝前には取らない方がスムーズな入眠を実現できるでしょう。
こまめに水分補給する
10〜15分に一口というようにこまめに水分補給を行うことでしっかりと胃から水分が吸収できます。
なぜなら一度にたくさん水分をとっても胃が一度に吸収できる量は200〜250mlで、吸収できなかった分は排出されるからです。
そうなれば吸収されなかった分を排出するためにトイレに頻繁に行くことになります。
また、水分を摂取してから体内に吸収されるまでには30分ほどかかりますので「少量」の水分を「こまめに」とることがポイントになってきます。
まとめ【利尿作用の高い食品と上手に付き合おう!】
今回は利尿作用の高い食品やそのメリットについてお話ししました。
むくみでお悩みの方は、利尿作用のデメリットに注意しながら利尿作用のデトックス効果を利用してみてください。
- 血管を拡張して血流を増加させること、腎臓で本来行われる水分の再吸収がカ行われないことから排尿回数が増える
- 利尿作用のメリットは、老廃物や毒素の排出、むくみ改善、高血圧改善
- 利尿作用の高い食品は、コーヒー、オレンジジュース、ほうれん草、きゅうり、枝豆など
- 利尿作用のデメリットは、トイレの回数が増える、脱水症状、腎臓への負担
- 利尿作用の低い食品は、水(白湯)、麦茶など