ぐっしょり寝汗で眠れないかた必見!寝汗の原因と対策をご紹介
ぐっしょりとした寝汗でなかなかぐっすり眠れないとお悩みの方はいませんか?
寝汗は睡眠環境や自律神経などが原因となるほか、別の病気のサインであることも。
寝汗の原因を正しく知って、生活を見直すことで改善することがあります。
ぜひこの記事を参考にして、寝汗に悩まされない「安眠」を取り戻しましょう!
この記事の目次
そもそも人はなぜ汗をかくの?汗が出る器官は2つ
暑いとき、緊張したとき、びっくりしたとき、はたまた辛いものを食べたとき。
人は色々な場面で汗をかきます。
そもそもなぜ人は汗をかくのでしょうか。
人の体の中には、汗が出る器官として「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類の汗腺(汗が噴き出る場所)があります。
それぞれ、出てくる汗の性質や汗が出る状況が異なっています。
汗が出る器官ごとの汗の性質について
エクリン汗腺
エクリン汗腺は体中の皮膚表面に300万個くらいあるとされている汗腺です。
出てくる汗は無色透明。
役割としては体温調整のために汗を出します。
アポクリン汗腺
アポクリン汗腺は、わきの下や乳輪、外陰部などに存在。
数はエクリン汗腺より少なく、エクリン汗腺と違い、開口部が毛根とつながるように存在しています。
出てくる汗は白濁しており、粘性があります。
このときに皮膚の常在菌と反応すると、ワキガ臭を発生させます。
役割としては、エクリン汗腺のような温度調整ではなく、精神的に驚いたときや辛いものを食べたときなどに汗を出します。
後程説明しますが、寝汗の汗は体内温度を調整するために出るので、このアポクリン汗腺から出る汗との関連性は低いです。
人が汗をかく理由は大きく分けて3つ
人が汗をかく理由は大きく分けて3つに分類されます。
①体温調整するため
運動したときや気温が高い時など、自分の体の上昇した体温を下げるために出される汗。
このときの汗はエクリン汗腺から出ます。温熱性発汗とも言います。
②精神的な刺激によるもの
緊張したときやストレスがかかっている状況で出てくる汗。
精神性発汗とも言います。
このときの汗は、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の両方からでます。
③辛いものなどの味覚の刺激による
辛いものを食べたときに吹き出て来る汗。
このときの汗はエクリン汗腺から出ます。
汗をかく原因は上記の通りですが、①や②の原因は過剰な寝汗にもつながるものとされています。
寝汗をかくのは何故?寝汗は寝ている時の体温調整に関係しています!
結論から言いますと、寝汗による発汗は、「寝ている間に体内の温度調整を行う」ためです。
深い眠りに入るために、体温を下げていくということが必要になり、その方法として汗をかきます。
深い眠りを理解するには、まずはレム睡眠とノンレム睡眠の違いを知りましょう。
レム睡眠とノンレム睡眠の違い
レム睡眠
眠っていても、目玉が動くなど、脳が起きている状態で、眠りとしては「浅い眠り」になります。
ノンレム睡眠
レム睡眠と違い、脳も休んでいる状態です。
「熟睡した状態」であると言えます。
ノンレム睡眠は睡眠の深さによって4段階に分類されます。
睡眠開始後はステージ1の浅い眠りで、その後、ステージ2、ステージ3…とよりどんどん深い眠りになっていきます。
実は、このレム睡眠とノンレム睡眠は就寝中に繰り返され、ノンレム睡眠からレム睡眠に入るまでを「睡眠単位」と呼びます。
この睡眠単位は、90分ごとに繰り返されます。
深い睡眠は体温が下がっていく過程で得られるのですが、まずレム睡眠で体温を上げ、ノンレム睡眠で体温を下げることで、深い眠りに入ることができるというメカニズムです。
この時、深部体温を下げるため、「発汗作用」によって体温を下げようとするのですが、これが寝汗の生じる原因となります。
一般的には、就寝中に大人でコップ一杯くらいの寝汗をかくと言われているので、ある程度の寝汗は人の生理現象として行われるものであると言えます。
寝汗がすごい?その寝汗、病気のサインかも!
先ほど説明した通り、本来、寝汗が出るのは深い眠りを作り出すための生理現象ですが、安眠を得るためのはずの寝汗が過剰に出てしまい、逆に睡眠の邪魔をして睡眠不足になる場合があります。
寝汗で悩まれる方はそうだと思いますが、ぐっしょりと寝間着や寝具が濡れてしまうほどの過剰な寝汗が出る場合は、次のような原因を疑ってください。
中には病気のサインの可能性もあるため要チェックです。
過剰な寝汗の原因と考えられるもの
睡眠時の環境によるもの
病気が直接関わる要因ではありませんが、寝室の室温や寝具の種類や素材が過剰な寝汗の原因となる場合があります。
夏など室温が高くなる場合、冷房を使用して室温を適温に保つのはもちろんですが、逆に冬の場合、必要以上に厚着をして着込んでしまい、それが原因で体温が上がってしまう場合もあります。
そのようなとき、体温を下げるために発汗量が多くなることがあります。
寝具については、通気性の悪い寝間着や吸湿性に優れないシーツなどを使用していると、蒸れてしまい体温調整がうまくいかない場合がありますので要注意です。
睡眠時の環境は深い眠りにも大きく影響するため、寝汗がひどい場合は、まずは睡眠時の環境が適切かどうかを確認しましょう。
自律神経の乱れやストレスによるもの
ストレスが過剰に加わった特に汗をかいてしまうという経験がある方も多いと思いますが、強いストレスは自律神経を乱すため、過剰な寝汗の原因となることがあります。
自律神経が乱れると、交感神経と副交感神経がうまく切り替えることができなくなります。
交感神経は血管を収縮させて脈拍や血圧を上げ、体を活性化させる作用があります。
一方、副交感神経はその逆で、血管を拡張して脈拍や血圧を下げて、リラックスさせる効果があります。
もちろん快適な睡眠に必要なのは、「副交感神経」が働いたリラックスした状態なのですが、自律神経が乱れると血管の収縮や拡張がうまくいかず、交感神経が働き過剰な寝汗につながる原因になります。
ホルモンバランスの乱れや生理によるもの
更年期障害や生理も過剰な寝汗の原因の一つとして挙げられます。
<更年期障害>
更年期などでホルモンバランスが乱れやすくなると、自律神経系も同様に乱れていき、発汗しやすくなり、過剰な寝汗につながる場合があります。
女性だけではなく、男性の症状として現れることもあります。
<PMS(月経前症候群)>
女性ホルモンであるプロゲステロンが増加することで、体温が上がり発汗につながる場合があります。
その他の原因によるもの
<甲状腺機能亢進症>
甲状腺はのどぼとけ付近にある器官ですが、その役割として「甲状腺ホルモン」を作り出しています。
甲状腺ホルモンは代謝を上げる働きをしますが、その分泌が異常に増加するのが甲状腺機能亢進症です。
バセドウ病が有名ですが、甲状腺ホルモンは代謝を上げるため発熱しやすくなり、過剰な寝汗へつながる要因となります。
そのほか、体重の減少、動悸、イライラ、目が出てくる、首の周りが腫れるなどの症状があれば甲状腺機能亢進症が疑われます。
<風邪、結核>
風邪や結核にかかっている場合も、体が発熱するため過剰な寝汗につながる原因となります。
この場合は、実際に検温したり、観察したりすることで症状の見極めが大切です。
<その他>
そのほか、肥満やアルコール・水分の取りすぎでも発汗することがあります。
特に、アルコールを就寝前に多量に摂取した場合、体内で発生したアセトアルデヒドを汗として排出しようとするため、多量の寝汗をかく原因となります。
このように過剰な寝汗は病気などにも通じる場合がありますので、自分の寝汗がどのような原因によるものかを把握することが大切です。
寝汗は、お肌のトラブルや体臭などを引き起こすので出来るだけ早く対策をしたいところですよね。
自律神経の乱れや悪い睡眠環境が原因となることも多いため、まずは次のような対策をお試しください。
寝汗の対策は?自宅でもできる改善方法
ここでは、寝汗の要因でもある自律神経の乱れを抑えリラックスできるように、睡眠時に快適に眠る方法をご紹介します。
睡眠時の環境を整えよう
体温は寝具や室温の影響を受けやすいため、適切な室温と寝具で体温調整を行うことが大切です。
室温については、夏・冬共にエアコンを使用して、適温を保つようにしましょう。
特に冬は厚着をしてしまいがちですが、厚着をしすぎると体温が高くなり寝汗をかいてしまうので要注意です。
寝間着やシーツなども、汗をかいてもすぐに乾くように速乾性や吸湿性のある素材のものを使用するのがおすすめです。
寝る前の心得
何気なく普段行っている行動も睡眠時に影響を与えることがあるので、注意してください。
以下にその行動例をご紹介します。
寝る3時間前には食事を終わらせよう
寝る直前に食事をすると、その消化吸収に身体が集中することで、就寝中に脳や体が休めない状態になるため、睡眠の質が下がってしまいます。
食事は消化が落ち着くのに3時間ほどかかることから、寝る3時間前には終わらせるようにしましょう。
寝る90分前に入浴をする(お湯は40℃くらいのぬるめで)
体内の深部温度が下がることによって眠気を感じるため、質の良い睡眠には深部体温を下げる必要があります。
入浴することで深部体温が上がりますが、だいたい90分くらいで元の深部体温にまで下がります。
直前にお風呂に入ると深部体温が上がったままで、質の良い睡眠を確保できません。
また、42度以上のお湯につかると、交感神経が働いてしまうため、体が活性化してしまいます。
40度くらいのぬるめのお湯で入浴することで副交感神経が優位になりリラックスすることができます。
就寝前にスマホやパソコンをいじらない
ついつい寝ながらスマホをさわってしまいがちですが、スマホやパソコンから発せられる短波長のブルーライトは睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。
寝ながら動画閲覧やネットサーフィンをしてしまうとあっという間に睡眠時間もなくなってしまうため、就寝前にスマホなどを触るのは避けるようにしましょう。
寝るときは暗くしよう
寝るときに電気をつけたままにすると睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が抑えられてしまうため、安眠の妨げになります。
寝汗対策のツボを押してリラックスをしよう
寝汗対策のツボとして、自律神経を安定させる効果のあるツボをいくつかご紹介します。
夜、寝る前などに刺激することでリラックスした状態で睡眠をとることが出来ます。
・内関(ないかん)
両手首にある横シワの中央から親指2本分下にさがったところにある安眠のツボです。
自律神経を整えてリラックスできる効果があります。
ゆっくりと優しく親指で押して刺激をしてください。
・百会(ひゃくえ)
頭頂部にあるツボで、こちらもリラックスできる効果をもったツボです。
左右の耳の穴を結んだ線と頭の中心を通る線との交点にあります。
不眠のほか、頭痛、耳鳴り、めまい、鼻づまりや高血圧にも効果があるとされています。
爪を立てずに指の腹でゆっくりと5秒程度押して刺激をしてください。
それでも寝汗が改善されないときはどうするの?
これまで見てきたような改善策を試してみても寝汗が改善されない!という場合は、一度専門医に診てもらうこともおすすめします。
説明した通り、過剰な寝汗は重大な疾患である場合や睡眠不足にもつながって健康を害する要因ともなりますので、もしやと思ったらできるだけ早く受診してください。
まとめ【寝汗対策は睡眠環境とリラックスが大切!】
寝汗は就寝中の体温調整を目的とするものなので、一般的にもコップ1杯くらいの寝汗をかきます。
しかし、あまりに過剰な場合は何かしらの原因により体温調整がうまく行っていないと考えられるため、今回ご紹介した対策をぜひお試しください。
- 寝汗をかく原因は色々ある!中には病気によるものもあるので注意
- 寝汗の対策は睡眠環境改善とリラックスがポイント!寝る前の行動にも注意
- 寝汗が改善されなかったら、病院で診てもらおう
正しく知って、対策を!寝不足にもつながってしまう過剰な寝汗から解放されましょう!