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それ本当に水虫?間違った塗り薬で悪化の可能性も!手水虫と似た疾患を知っておこう

それ本当に水虫?間違った塗り薬で悪化の可能性も!手水虫と似た疾患を知っておこう

手のひらや指の間にプツプツと水ぶくれのようなものができている場合には様々な原因が考えられます。

その原因の中には水虫もあげられますが、足だけでなく手にも水虫ができるとご存知でしたか?

この記事では手水虫と症状の似た疾患との見分け方や手水虫になる原因と治療法を紹介していきます。

手水虫と間違いやすい疾患①「接触皮膚炎」

接触皮膚炎は水虫の塗り薬で悪化することがあります。

悪化に気づかず薬を塗り続けていると患部が広がり治癒に時間がかかります。

接触皮膚炎の特徴を紹介していきますので確認してみてください。

〈原因〉
刺激物に接触することがきっかけで発症します。
日常生活の中に刺激物は多く存在していて、その刺激が皮膚のバリア機能を超えた時に症状が出ます。
そのため、寝不足や疲労でバリア機能が低下している時には発症する可能性が上がります。
刺激物になりうるものは、洗剤や衣類、金属、植物、化粧品、香水などが考えられますが、人によって刺激となるものは異なるので、症状が出た時から新たに生活に取り入れたものがあるかどうか確認してみるといいでしょう。

〈症状〉
原因と考えられる物質が触れた箇所のみに症状が出ます。
接触皮膚炎とは一般的にかぶれと言われるものです。
かゆみや痛み、赤みがみられ、ひどい場合には腫れも生じます。
赤いブツブツとした水ぶくれが水虫の症状と似ています。
長期的に放置していると患部が乾燥していることから皮膚に厚みが出てゴワゴワし色素沈着を起こすこともあります。
手のこうは皮膚が分厚いので症状が出にくいですが、刺激物が付着した手のひらで皮膚の薄い部分を触るとそこに症状が出る場合もあります。

〈治療法〉
原因と考えられる物質を生活から取り除くことから始まります。
思い当たるものがない時には、肌に刺激の少ない手袋をして守る方法もありますが、この場合洗剤や柔軟剤が刺激となる可能性があるのでそれらにも充分注意しましょう。
また、原因物質に触れたとしても手洗いやシャワーで洗い流せば問題ないのでこまめに手をふくことも有効です。
かゆみがひどい場合にはステロイドの塗り薬を用います。

手水虫と間違いやすい疾患②「汗疱性湿疹」

汗疱性湿疹という疾患名を耳にしたことがある方は少ないのではないでしょうか?
一般的にはあせもと言われているもので、こちらだとご存知の方も多いと思います。
汗疱性湿疹も水虫と似た症状がでる疾患です。
特徴を確認していきましょう。

〈原因〉
汗の出口が汗でふやけ汗腺がつまることで、閉じ込められた汗が角質層に炎症をおこします。
汗を多くかく人や敏感肌の人、金属アレルギーの人がなりやすいとされています。
緊張やストレスにより汗をかきやすい場合も同じです。
小さなお子さんや運動部の学生は汗をかく機会が多いので周りの大人が気づいてあげられるようにしておきましょう。
汗をかきやすい春から夏に発症し、冬に治るというリズムで繰り返し症状に悩まされる場合もあります。
最近では運動不足や冷房の影響で発汗機能が衰えていることも原因とされています。

〈症状〉
手のひらや指、足に小さな水ぶくれができ、その周りが赤くなりかゆみを感じます。
かゆみが伴うため搔きむしると水ぶくれが破れ痛みが生じます。
強いかゆみがある場合には掻きむしらないでいることが難しいですが、搔きむしると水ぶくれが増えていき、さらに悪化し患部がじくじくすることで角質が剥がれます。
水虫と違って人に移ることはありません。

〈治療法〉
症状が軽度の場合は初期症状が出てから3週間もしないうちに自然治癒することもありますが、かゆみや痛みが強かったり水ぶくれが大きかったりする場合には早期に治療を開始したほうがいいでしょう。
炎症を抑えるステロイドの塗り薬や皮膚表面を軟化させて汗腺の詰まりをなくす尿素軟膏を塗ります。
日常生活ではこまめに汗を拭き取ったり手洗いをしたりして手を清潔に保つことが大切です。
皮膚がふやけることも避けたいのでお風呂上がりには患部をよく乾燥させましょう。

手水虫と間違いやすい疾患③「皮膚カンジダ症」

カンジダ菌は口の中や消化管などに常にいる菌で通常人体に悪影響を及ぼすことはありません。
しかし、時として過剰に増殖し様々な症状をもたらすことがあります。
水虫と非常に似た症状が多いですがどのような特徴があるのでしょうか?

〈原因〉
不衛生な状態や蒸れて高温多湿になった時、免疫力が低下している時に菌が増殖します。
手洗いをしないだけでなく入浴もしなければ不衛生な状態となりますし、暑い中長時間通気性の悪い手袋をつけていると高温多湿な環境に手を晒し続けることになります。
症状が出る前からこのような環境になることを避けるようにしておきましょう。
また、ステロイド薬や免疫抑制剤を使った治療をしている場合には感染リスクが高まりますので少しでも症状が出たら早期に対応するようにしましょう。
感染した手で目をさわれば目にも症状が出る可能性があります。
そうならないためにも重症化する前に治療を開始するほうがいいでしょう。

〈症状〉
皮膚カンジダ症の症状が手に出る場合、蒸れやすい指の間にできることが多いです。
長時間濡れた状態になる水仕事をすることが多い人がなりやすいです。
かゆみや痛み、腫れの他に皮がむけたり膿が出たりします。
症状が出ている箇所の周囲が白くふやけたようになって境目が分かりにくいのが特徴です。

〈治療法〉
抗真菌薬を塗ることで改善が期待できますが、患部を湿った状態にしておかないことが重要です。
そのため、手を洗った後に指の間をしっかり拭き取り、パウダーをはたいてサラサラにしておくといいでしょう。
手洗いなどで薬がおちた時には頻繁に塗り直すことで早期の治癒が望めます。

手水虫と間違いやすい疾患④「掌蹠膿疱症」

解明されていないことの多い掌蹠膿疱症ですが、悪化すると手や足だけでなく色々なところへ症状が現れることがありますので、少しでも疑わしい場合は早めに医療機関を受診したい疾患です。

〈原因〉
現在、喫煙歴や金属アレルギーが関係していることは分かっていますが、喫煙歴がなく金属アレルギーでもない方が発症する例もあり、原因の全てが解明されているわけではありません。
虫歯や扁桃炎、歯周炎、副鼻腔炎と行った疾患が引き金となって起こる場合もあります。
日頃から小さな体調不良も放置せず対処しておくことでリスクが軽減されます。

〈症状〉
初期段階では手の平だけでなく同時に足の裏にも症状が出ます。
小さな水ぶくれがたくさんできた後に膿がたまり、膿が乾くとかさぶたとなって剥がれます。
これを繰り返すと皮膚が厚みを増しひび割れるようになります。
軽度の場合はかゆみを伴うことが多いですが、重度になると関節や骨に炎症がおこり痛みを感じるようになります。

〈治療法〉
喫煙や金属アレルギーといった原因が分かっていればそれを取り除きます。
また、かゆみがひどい場合にはステロイドの塗り薬を使います。
他にはビタミンDの塗り薬を使うことで皮膚細胞の過剰な増殖を抑える効果が期待できますが、塗る時に皮膚をめくらないように優しく塗るようにしましょう。
皮膚を剥がすと症状が繰り返しあらわれ悪化する可能性が高くなるためです。
内服薬では、抗生物質や免疫抑制剤、関節炎の痛みがひどい場合には痛み止めが処方されます。

これが手水虫の症状!似た疾患と比較して見極めよう!

ここまで手水虫と似た症状が出る疾患を紹介しました。
ここからは水虫の症状を紹介しますので類似疾患との違いを確認してみてください。

〈症状〉
両手だけでなく片手だけに症状が出る場合や足や他の箇所にも症状が出ている場合が多いです。
水ぶくれやかゆみ、赤みが出る他、水ぶくれが繰り返しできることで皮膚が硬くなり、乾燥して皮がむけひび割れてくることもあります。
類似疾患と見分けるのが難しいほどそれぞれ症状が似ています。

〈原因〉
家族に水虫の人がいる場合にはバスマットやスリッパなどを通してカビの一種である白癬菌に触れることが感染のきっかけになります。
他にはプールや銭湯といった場所でも感染のリスクがありますが、24〜48時間以内に菌を洗い流せば水虫は発症しません。
毎日の入浴時に体を清潔にしていれば感染のリスクは軽減します。

手水虫の治療でしてはいけない間違い!治療法と注意点を紹介!

類似疾患の多い手水虫ですが、皮膚科で白癬菌が確認できれば診断が確定します。
手水虫と診断がくだれば治療を開始するわけですが、どのような内容になるのか確認していきましょう。

〈治療法〉
まずは菌の細胞膜合成を防いで菌を殺すための抗真菌薬を塗ります。
手洗いなどで薬が落ちるたびに塗り直しが必要になるものもありますが、最近では1日に1回塗れば効果が期待できるものもあるので日々の生活でも問題なく取り入れられるのではないでしょうか?
お風呂上がりの皮膚が柔らかくなっているタイミングで塗ると浸透力が上がります。
塗り薬で効果が十分でない時には抗真菌薬の飲み薬を併用します。
この飲み薬には肝機能障害をおこす副作用や他の薬に反応して作用を強める場合もありますから、現在服用されている薬がある方は医師や薬剤師に相談してください。

水虫の薬に関して注意しておきたいことは他にもあります。
症状がなくなったからといって自己判断で薬の使用を中止すると、症状がぶり返す場合があります。
医師の指示に従って処方内容を守るようにしましょう。
また、処方された薬がなくなったものの症状が治らないために家にあるステロイド薬を使用すると悪化することがあります。
これは水虫の症状が出ている箇所にステロイド薬を塗ると白癬菌の増殖を促すことになるのでなるためです。
自己判断での薬選びは危険です。

最後に【手水虫かどうか見極めよう!】

今回は手にできた水虫の原因と治療法を紹介しました。
悪化させないためにも、手にできた水ぶくれが水虫によるものなのか、しっかりと確認してから治療を開始しましょう。

  • 接触皮膚炎は刺激物に接することでかゆみ、痛み、赤み、腫れ、水ぶくれが生じる
  • 汗が原因で起こる汗疱性湿疹は水ぶくれ、かゆみ、赤みがでて皮がむける
  • 皮膚カンジダ症は免疫力が落ちることでかゆみ、痛み、腫れを感じ白くふやける
  • 金属アレルギーがきっかけでなる掌蹠膿疱症は水ぶくれ、膿、痛み、関節痛がおこる
  • 手水虫はバスマット、スリッパなどを通してカビの一種である白癬菌に触れたまま放置することで水ぶくれ、かゆみ、赤み、苔癬化が生じ乾燥して皮がむける
  • 手水虫にステロイド薬を使用すると悪化するので抗真菌薬を塗布する

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