誰にもいえない心の病の原因は「低血圧」かも!低血圧の症状と改善方法を詳しくご紹介!!
「つかれやすい」「やる気が出ない」「不安になる」などの症状に悩まされていませんか!それは「低血圧症」という病気かもしれません。
低血圧は身体の見えない場所に症状があらわれ、病状が重くなることも少ないため病気として扱われることが少ないのです。
この記事では低血圧の症状と改善方法を詳しく解説いたします。
この記事の目次
明確な定義のない「低血圧」!上が100以下なら要注意!!
血圧とは文字通り血液の圧力です。
つまり血液が血管の内側(内壁)を押す力のことで、血圧は心臓の拡大や収縮によって変化します。
血圧は「上が120で下が70」などと2つの数字であらわします(血圧は圧力の単位であるmm/Hg であらわします)。
心臓が収縮したときの血圧を最高血圧(収縮期血圧または単に上ともいう)、心臓が拡張したときの血圧を最低血圧(拡張期血圧または単に下ともいう)と言います。
この最高と最低の2つの数値を見て正常な血圧かどうかを判断するのは皆さんもご存知の通りです。
もっと簡単にいえば、心臓が収縮した状態は血液を送り出すポンプ(心臓)を押して血液を最大に送り出しているため血圧は高くなり、反対の場合の心臓が拡張しているときはポンプが元に戻った状態になるので最低の圧力を示します。
高血圧を判断する場合には目安の血圧(一般に上が130、下が100以上であれば高血圧と診断されます)が明確に定義されており自分で数値を見て判断できますが、低血圧の場合には明確な基準がありません。
これには2つの理由があります。
まず大きな原因である1つ目は、高血圧が重い病気に進行することが多いのに比較して低血圧はそれほどの重症になることが圧倒的に少ないことです。
高血圧は血管に与える影響が大きく、長く高血圧の状態が続くと血管を傷つけてしまい正常に血液が送れなくなると、身体の各所で大きな問題をひき起こしてしまいます。
低血圧の場合には、これらの危険に比べると生命の危険にさらされることは非常に少ないことが大きな理由です。
もう1つの理由は血圧とは身体の状態態により増減するからです。
例えば急に立ち上がったり力を入れると血圧は上がり正常値を超えることがあります。
就寝時などのように身体を横たえていたり、リラックスした状態のときに血圧は下がります。
これは血液が重力(頭から足の下の方に向かって働く力)に反して血液を脳などの上部や身体全体に力を働かせている
ためで、横たわっている際には大きな力を使わなくても良いからです。
つまり低血圧はリラックスした安全近い状態と判断されるため、医療機関などでも血圧が高いことの方に注意が集中してしまうため、低血圧の状態を問題視することが少ないのです。
では低血圧とは病気ではないのでしょうか。
そうではありません。
低血圧の状態が長く続くと高血圧と同じように身体の各所で異変を生じます。
高血圧に比べて注目度が低く、実際の症例の数も多くはありませんが注意しなければいけない危険な病気です。
なお厳密な低血圧を判断する指標はありませんが、一般的には上が100を下回っている場合には低血圧症が疑われます。
低血圧症は病気!症状も違う3つの低血圧症!!
リスクが少ないといわれ軽視されがちな低血圧ですが、血圧が低い状態が続くと身体に様々な症状があらわれます。
特に多いのが脳に与える障害です。
「不安」や「やる気がおきない」、「寝ても寝ても眠気がおさまらない」などは、血圧が低いため十分に脳に血液が行き渡らないために起きる症状です。
重力に勝らければいけない血圧が不足しているために特に上部にある脳に影響が出ることが多くなります。
他にも「身体がだるい」「力が入らない」などの症状もあり、生命の危険とまではいえないまでも本人にとってはかなりの苦痛です。
このように低血圧の状態が長く続くことを低血圧症という病名でいいます。
低血圧症は症状によって3つに分類されます。
《②-1 本態性低血圧 》
低血圧で最も多いのが「本能性低血圧」です。
親族などに同じ症状を持つ人が多いために遺伝が原因にかかわっているのではといわれますが、現在の段階では立証されておらず可能性があるという程度で解釈されています
低血圧の状態が長く続き、ほかに原因となる病気や異常が見られない場合に「本能性低血圧」と診断されます。
原因は分からないものの、何かしらの症状があらわれます。
やはり血圧が低い状態が続くため、脳が正常に働かず不安をあおったりするので精神的に不安定な状態になります。
うつの状態にも似ているため、精神的な疾患と間違われることも多く、血圧をまめに測っておき低血圧の状態が数日間続くようであれば本態性低血圧を疑って医師に相談してみましょう。
《②-2 症候性低血圧 》
「症候性低血圧」は本能性低血圧と相反するもので、ほかに原因となる病気や異常があっておきるもので、そのために「二次性低血圧」とも呼ばれます。
心臓病や糖尿病、循環器系の疾患やパーキンソン病、甲状腺異常などからも低血圧をおこしたり、薬剤の投与により低血圧が続く場合には「症候性低血圧」と診断されます。
薬による副作用の場合では投薬を中止しなければいけません。
また病気が原因であれば根本の病気を治癒しなければいけないため、簡単には治療ができないことが多い低血圧です。根本の病気の方が簡単に治療できるものであれば問題はありませんが、心臓病や糖尿病などを簡単に治すことは難しく、治療に使われる薬に低血圧の副作用を起こすものもあり病気の重さを比較して判断することになります。
心臓病や糖尿病は生命の危険にさらされる病気でありますから、やはり低血圧になることを犠牲にして投薬を含めた治療を続けることが多くなります。
これが前述したように高血圧よりは低血圧の方が良いという判断の基準であり、血圧を抑える薬を飲むことにより低血圧の状態が一時的におきたり続いたりすることになります。
治療方法として薬の処方を変更するなどの方法が考えられますが、根本の病気が重ければ優先順位は危険度で判断されるため大きな改善は見込めません。
また原因となる病気はご紹介したもの以外にも多くあり、特定できたとしても前述のように低血圧を優先に治療できないのが現状です。
症候性低血圧の症状は本態性低血圧と同じように精神的な症状が多くみられますが、次にご説明します「起立性低血圧」のように、立ち上がったり体制を変えたりするときに、めまいやふらつきなどの症状があらわれることもあります。
《②-3 起立性低血圧 》
「起立性低血圧」は言葉の通りに、立ち上がった際に血液が重力で降りて脳の血液が不足するためにおきる低血圧です。
起立して2分以内に「最高血圧が20mmHg以上低下する」もしくは「最高血圧が90mmHg未満に低下する」、「最低血圧に10mmHg以下の低下がみられる」場合に「起立性低血圧」と診断されますが、自分で3分間の血圧の推移をみるのは困難なことです。
症状として起き上がったり寝ていた状態から身体を起したときに、めまいや立ちくらみのような感じが続いた場合には病院に行って診断してもらいましょう。
お風呂上りにたまにある目の前が真っ黒く見えるようになる「顔面暗黒感」や、倦怠感や疲労感をおぼえることもあり生活に支障をきたすとともに重くなると失神発作をおこすことさえあります。
この3つの低血圧を一般的に「慢性低血圧」と呼んでいます。
起立性低血圧だけを別としてとらえることもありますが、3つをまとめてことように1つのカテゴリーとしてとらえているのです。
これに対して数は多くありませんが「急性低血圧」と呼ばれるものがあります。
2つを比べた場合には「急性低血圧」の方が、より深刻だと考えられます。
症状としては「ショック状態」になります。
血圧が急激に下がってしまうために、倒れたり意識がなくなることもあります。
原因として「心筋梗塞」「大量出血」「薬剤によるショック」「重度の感染症」などがあげられます。
大量出血した場合などに、医師が血圧をチェックするのはこのためです。
血圧が低下し続けることは血流が減っていることを意味します。
輸血などで血液を送って何とか重大な局面を回避しなければいけません。
基本的にみなさんが問題として抱えている低血圧は「慢性低血圧」ですので、急性低血圧については簡単な説明といたします。
低血圧症の症状と原因を徹底解説!!
低血圧症の症状や原因を知るためには、血圧が低くなるシステムを覚えておくと良いでしょう。
前述のように脳などの高い部分に血液を送るためには、相応の血圧(血液を押し出す力)が必要になります。
重力にさからって上に血液という液体を送り込むわけですから、結構な力を継続しなければいけません。
そのかわりに横たわった状態では血液を送り出す力が少なくてすむため、症状もやわらぐのです。
寝ているときには何ともないが、起き上がったときに症状が出るというのもこれが理由です。
また長期にわたって血圧が低い状態が継続すると、血管の中の平滑筋と呼ばれる血管を伸び縮みさせつ筋肉が弱ってしまい、血流が悪くなります。
他にも血液自体が不足していると血圧は低くなるため、大量の出血があるときに血圧が下がるという意味が理解できると思います。
大量出血しなくとも血液をつくる器官がキチンと機能していなければ血液が不足します。
また血液をつくるには水分を必要とするため、必要な水分補給を絶やしてはいけないことも重要です。
重力は頭のテッペンから足先の方に向かうため、最も先に血液が不足するのが頭の部分なので、脳に障害が多く出るのです。
これによって、めまい、立ちくらみ、吐き気などをもよおします。
また進行すれば指先などの先端に血液が行き渡らなくなることもあり、酸素や栄養も十分に届かず冷たくなったり感じ方が鈍くなることもあります。
血液の循環が悪くなると最も影響を受けるのが心臓です。
息苦しいとか浮遊感、ひいては失神や痙攣という症状がおきることもあります。
循環器や消化機関にも影響を与え、不整脈や脚がむくむだのの症状や過呼吸や胸痛(胸が痛む)などがおきることもあり、血液が通常に循環しないことで多くの臓器で不具合がおき多種多様の症状があらわれる危険な病気なのです。
病院でおこなう低血圧の治療法!
原因が他の病気にあると分かっている場合には、その病気の治療を優先しますが、実際には完治しづらい病気が多いため、前述のように低血圧と上手く付き合っていくしかありません。
また原因が血液の不足であれば輸血したり、血液をつくる器官を治療します。
ただし、これも既にお話ししていますが、高齢になればなるほど恐れられるのは「高血圧」です。
高いより低い方が安全というのが医療界の定説であり、高齢者に血圧を上げる薬を投与することはほとんど聞いたことがありません。
自分でできる低血圧の症状を改善させる方法!!
低血圧を改善するには心臓(ポンプ)の働きを良くして、全身にまんべんなく血液を送ってもらうことです。
そのためにおすすめするのが、たんぱく質とミネラル分の豊富な食事です。
高血圧では塩分を制限されますが、低血圧の場合には塩分を充分に補給することも大事です。
特におすすめなのは「梅干し」です。
梅干しに含まれるクエン酸は疲れやすい低血圧の人にとっては疲労回復効果が大きく塩分の補給になります。
ただし原因が高血圧で血圧を下げる薬のためで低血圧になっているのであれば、塩分は控えるのが当然です。
また「ふくらはぎは第二の心臓」といわれるように、ふくらはぎの筋肉を使うことで、血液の循環が良くなります。
こうした運動は集中して長い時間するのではなく、短い時間で良いので毎日継続するようにしましょう。
続けることで心臓をはじめ各機関の機能が改善されていきます。
一度で辞めずに継続することを目標にしましょう。
具体的には階段の段差などを利用して上り下りを繰り返すだけです。
続けていると、むくみや動悸が改善されるのを実感できるはずです。
放っておくと重病にもつながる危険な低血圧!早く気付いて対策を!!
低血圧は軽視されがちな病気ですが、本人が感じる症状は精神的なものが多く非常に重く感じられます。
医師は生命を第一に考えるため低血圧は二の次と考えますが、低血圧をわずらって日々不安な思いを強いられるのはたまったものではありません。
今回はこれらの事情を踏まえて以下のことを解説いたしました。
- 低血圧と判断するには上(収縮期血圧)が100以下の場合を目安にする
- 低血圧は血圧の低い状態で低血圧症は病気の名前である
- 低血圧症は「本態性低血圧」「起立性低血圧」「症候性低血圧」の3タイプがあり症状も異なる
- 低血圧症は、めまい・吐き気・倦怠感・うつ・耳鳴りなどの見えない症状が多い
- 低血圧は血液の不足や他の病気が原因であることも
- 低血圧の改善には規則正しい生活
- バランスの良い食事と多めの水分補給
- 適度な運動が低血圧を大きく改善
低血圧の苦しみは、なってみた人でないと分かりません。
また他の病気とも間違いやすいので、早く気付くことが大切です。
ある程度の年令に達したら、血圧を定期的に記録するのも良いでしょう。
早く気付いて健康寿命を延ばしてください!!