薬に頼らず、普段の生活でできる頑固な便秘をするっと出す対処方法【便秘対処法:厳選7つ】
テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」
35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。
“約850万人”この数字は、日本政府の最新調査でわかった便秘に悩む男女の人数です。
つまり、約10人に1人の男女が頑固な便秘に悩んでいるという計算になります。
便秘は、女性の悩みばかりだと思われていましたが最近では男性も悩まされています。
現代では、サプリメントや食べ物など様々な対処法がありますが、実は普段の生活の中でも充分対処ができる方法があります。
今回は、この頑固な便秘の原因はどこにあるのか?普段の生活でどのように対処すればよいのか?についてご紹介します。
腸に負担をかけていませんか?それが便秘の原因になるのです!?
”食べ過ぎ”、”飲み過ぎ”、”悩みやストレス”によって腸に負担がかかり、便秘になっている可能性があります。
腸に負担がかかり疲れていると、以下の3つの機能が低下し、便秘や下痢を引き起こすことがあります。
≪低下する腸の機能≫
-
消化や栄養を吸収する機能
甘い物や脂っこいものの食べ過ぎなど。
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水分を吸収する機能
お酒の飲み過ぎや水分の取りすぎなど。
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便を体の外に出す機能
さらに、普段の生活での悩み事や睡眠不足などが原因でストレスを溜め込んでしまうことも腸に負担をかける原因となります。
また、便秘かどうかを見分ける簡単な方法として一般的には、2~3日以上1回も便がない、もしくは1週間の便の回数が2回以下という状態を「便秘」と言います。
しかし、便は人それぞれペースがありますので毎日便が出ないから便秘と言うことにはなりません。
すぐにできる便秘解消の厳選7つの対処法をご紹介!
便秘対処法①「考える人のポーズ」で便をスルッと出す
①まず便座に普通に座った状態から上半身を前かがみになる
②右ひじと右ひざをくっ付け、右手にあごをのせて”ほおずえ“をつく
③足は軽く開いて、つま先を立てる
④最後に腹筋に力を入れる
これはアメリカのフロリダ州の病院で発表された研究結果で、トイレに座ってもなかなか便が出せないと言う22人のうち、半数の11人が“考える人”のポーズをとることで、スルッと便を出すことに成功したという対処法です。
人が便を出すために必要な筋肉を理想的なかたちで動かしてくれる状態になるのが“考える人”のポーズです。
便秘対処法②「トイレに行く習慣づけ」で脳に記憶する
この方法は『毎朝決まったタイミングで、トイレに行く』だけです。
便をするペースは人それぞれ違いますが、便秘の状態では、排便のペース自体をつかめません。そのペースをつかむための対処法が、“トイレに行く習慣”です。
例えば、お昼の12時と言えば、“お昼ご飯”の時間です。12時になるとお腹が空いてくる人が多いのは、理由があるのです。
「習慣」と言うのは、言い換えると「脳が記録した行動パターン」です。
人間は、“決まった時間”に“決まったこと“をするように意識しながら生活することで、脳が”決まったこと“を記憶していきます。
その“決まったこと”の記憶は、何も考えなくても身体が動くように脳がサインを出すようになります。
その為、12時になるとお昼ご飯を食べるという「習慣」は、今まで給食などの「決まったこと」が経験上脳に記憶されているので、それが作用して今でも自動的に12時になるとお腹が空くようになる、というメカニズムです。
このメカニズムを便秘の対処法に利用します。
“朝起きたらまず、トイレに行く“ことを繰り返し、脳に“決まった時間”に“決まったこと“をするように記憶させましょう。
便秘対処法③「お風呂」で腸を温めて腸の機能を回復
次にご紹介するのが、「温度」を利用した便秘対処法です。
この方法は、お風呂に入りながらお腹を膨らませたり凹ませたりする深呼吸をします。お風呂の温度は、40度で時間は20分前後を目安に入るのが効果的です。
腸の機能が低下してしまうと身体に現れる症状が、体温の低下です。
お風呂に入って体温が36度~38度前後に温まることで血のめぐりが良くなり腸の機能が回復される事に繋がります。
さらに、血のめぐりを良くすることで腸の疲れが取れるようになります。
便秘対処法④「腸もみマッサージ」で腸疲労を回復
次にご紹介する便秘対処法は、“腸もみ”マッサージです。
“肩こり”には、“肩もみ”をするように、便秘の原因である“腸の疲れ”には、“腸もみ”が効果的です。
具体的には、以下の①と②を2分ずつ合計4分間行うことで、腸のまわりの血行が良くなり、結果、腸の疲労が回復して便が出やすくなります。
①左手で左の肋骨(ろっこつ)の下、右手で右の腰骨(ようこつ)のあたりを強めにつかみます。
②指先にゆっくり力を入れて、おさえるようにもみほぐす。
左手と右手を入れ替えて、それぞれ2分ずつ合計4分間行いましょう。
便秘対処法⑤「へそ下腹筋トレーニング」で腹横筋を鍛える
この便秘対処法は、便を大腸から押し出す力をつけるために「腹横筋(ふくおうきん)」と言う部分をきたえるトレーニングです。
「ドローイン」とも呼ばれています。寝ながらできるトレーニングなので、誰でも簡単に行えます。
①両膝を立てて、仰向けに寝ます。
②お腹をへこませながら、30秒程かけて息をゆっくり吸い込みます。同時におへそまわりの腹筋に力を入れていきます。
③吸い込んだ時と同じように、30秒程かけて息をゆっくり吐いていきます。同時に腹筋の力をゆるめます。
便秘対処法⑥「ねじり体操」で大腸のねじれによる便詰まりを解消
ねじり体操は、最近の研究で判明した新たな便秘の原因に効果的な方法です。
新しい便秘の原因と言うのは、“大腸のねじれ”です。大腸の一部がねじれている事で便が詰まってしまうため、便秘状態になってしまいます。
特に、便秘かな?と思った時に、いつも同じ場所が痛む人は、正常な腸ではねじれていない部分がねじれてしまう”ねじれ腸“になっている可能性があります。
“ねじれ腸”は、便秘の時に腹痛が起きたり、子供の頃からずっと便秘気味の方に良く見られる症状です。
ねじり体操は身体をねじって腸のねじれを解決することで、便が詰まっている部分を元の状態に戻す事により便が出やすくする対処法です。
①左脚を伸ばして座り、右脚の膝を立て、左脚にクロスさせます。
②上半身を右にねじって、左のひじの裏を右膝につけます。
この体勢で深呼吸を5回行います。反対側も同様に行います。
便秘対処法⑦「リラックス」で腸の疲れを癒す
リラックスは便秘の対処法の中でも重要なポイントです。
リラックスを感じていると副交感神経が活発になりますが、ストレスを感じていると交感神経が活発になります。
頑固な便秘に悩んでいると、イライラしたり不安になったりしますよね。
そのイライラや不安はストレスとなり、体の中で交感神経(こうかんしんけい)が活発になり腸の疲れに繋がってしまい便秘がよりひどくなってしまう場合もあります。
お風呂に入ったり自分が楽しい事や好きな事をしたり考えたりして身体と心をリラックスさせてあげることで、副交感神経が優位になり便秘がひどくなってしまう事を防ぎます。
気持ちに余裕をもつことも便秘を対処する立派な方法です。
対処をしないまま便秘を放置しないで!
医学的には、便秘は病気ではありません。
しかし、「がん」や「糖尿病」などの重い病気の原因のサインとも言われています。そんな重い病気のサインなのに発見が遅れてしまうのがほとんどだそうです。
その一番の理由は、便秘と言う症状を告白する「恥ずかしさ」が大きな病気の発見を遅らせてしまうそうです。
ご紹介した対処法などで解決ができない場合は、まず親しい人に相談をして、お近くの「便秘外来」「消化器内科」「胃腸科」のどれかがある病院で受診してみましょう。
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35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。