【“塩”との上手な付き合い方】
テイコク製薬社「管理栄養士」
管理栄養士歴4年。フィットネスクラブのパーソナルトレーナーを経て、テイコク製薬社の管理栄養士兼営業業務に従事。栄養学と筋肉を知り尽くしており、お客様のダイエットや健康指導をサポート。
今の日本人は4人に1人が高血圧だそうですが、高血圧って聞いて最初に思いつく言葉は「減塩!」ですよね。
でも、塩って美味しいじゃないですか。しかも、和食って塩をかなり使いますよね。
「・・・塩を摂らない生活なんて考えられない!」という方の為に、塩について、ちょっと調べてみました。
この記事の目次
<生き物は塩がないと生きられない>
もともと、ヒトはサルから進化したっていわれてますよね。
でも、そのサルも何か別の動物から進化してきた・・・
どんどん辿っていくと、“海”の生き物に辿りつきます。
そういえば、海水って凄くしょっぱい。生き物はもともと塩に囲まれて生きてました。
だから、生きるためのシステムに“塩”をいっぱい活用した。
だから、生き物は“塩”がないと生きていけない。
<陸に上がったら、塩が足りなかった・・・>
さて、海に住んでた生き物は、進化して陸に上がりました。
陸に上がって生きてみると、「塩が簡単に手に入らない!?」という事態に直面。
考えた末、「簡単に手に入らないなら、ため込まないと!」と、塩を貯えるためのシステムを急ピッチで備えます。
このシステムは、「塩辛い物が恋しく」なったり、「からだの外に簡単に塩を出さない」という形でヒトにまで受け継がれました。
皆さんが塩を美味しく感じるのは、生きていくために当たり前のことなんです。
<昔の日本人は高血圧だったのか>
昔から日本人の血圧は高かったみたいです。
そこまで古い文献が無かったので1960年のデータになりますが、男女ともに最高血圧の平均が140を超えてました。因みに今の平均は120台。
今(2019年11月)の高血圧の基準が「140以上」なので、1960年の日本人は高血圧症だらけですね。
でも一つ大事な事が。
高血圧が原因でなる病気(心不全や脳卒中、腎臓病)は今の方が多いんです。
<からだは、なぜ血圧をあげるのか?>
血圧が上がる理由は沢山あるけど、シンプルな理由は、
「濃くなってしまった血を薄めるために、水分を増やしたから」
血が濃すぎると、血の流れが遅くなって、栄養や老廃物を運ぶのに効率が悪い。
最悪の場合、老廃物が溜り過ぎて血管が詰まると、場所によっては死に至る。
血圧を上げるのは、からだの防御反応なんです。
だから、簡単に薬を使って血圧を下げるのは良くない。
※ひと昔前の人は、「100+年齢くらいの血圧がちょうどいい!」って感じだったみたい。
<減塩で体調が崩れる>
高血圧予防の為に減塩が必要なのは、塩の中の「ナトリウム」っていう成分が、血圧を上げる原因になるから。
でも生き物は、もともと塩の中の「ナトリウム」だけを使ってたんじゃなくて、カリウムとかマグネシウムとか、他のミネラルも同じように大事に使ってた。
だから、ホントは塩を摂らないと、からだの機能が上手く働かない。
<塩の作り方が変わった>
昔のヒトが食べてた塩は、海水を蒸発させて、水以外の成分を全部摂ってた。他にも、岩塩っていう塩の塊を砕いたものを丸ごと摂ってた。だからミネラルたっぷり!
だけど、日本の環境だと大量に作るのが難しかった。
そこで、1971年から「イオン交換膜製塩法」っていう、塩を大量生産できる技術が開発されて、誰でも塩が安く簡単に手に入るようになった。よかったね。
・・・では終わらなくて、この方法で作った塩には、ナトリウム以外のミネラルを含んだ「にがり」っていう成分が少なくて、国中でミネラル不足に。ちなみに「にがり」は豆腐作りに欠かせない。
<やっぱり海塩や岩塩はカラダに良い>
ここまで読んで下されば、「高血圧はカラダにとって、めちゃめちゃ悪いわけじゃない」ことと、「塩は摂らないと生きていけない」ってことは分かってもらえたと思います。
皆さんも、海で生きてた時みたいに、自然な“塩”を摂るようにしてみてはいかがでしょう。
海とヒトの体液(血とかリンパ液と)のミネラルの割合は非常に似てるらしいですよ。
テイコク製薬社「管理栄養士」
管理栄養士歴4年。フィットネスクラブのパーソナルトレーナーを経て、テイコク製薬社の管理栄養士兼営業業務に従事。栄養学と筋肉を知り尽くしており、お客様のダイエットや健康指導をサポート。