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処方箋は有効期限がある!処方箋が期限切れになったら再発行できる?

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処方箋は有効期限がある!処方箋が期限切れになったら再発行できる?
薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」

35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。

医師に診察を受けた後、病院の窓口で渡される処方箋ですが、有効期限があることを知っていますか?

そもそも処方箋とはどんなものなのでしょうか?

処方箋とは、医師が病気の治療に必要な薬を出す時に使用する書類のことです。

この処方箋の取扱いについては、厚生労働省でルールが取り決められています。

今回は、処方箋の期限が切れたらどうしたらいいのかについてご紹介します。

病院で貰う処方箋って一体何?どんな時に必要?

病院で貰う処方箋って一体何?どんな時に必要?

処方箋とは医師が病気の治療のために出す薬の種類や量、服用方法を記載した書類です。
処方箋に書かれている基本的な項目は下記のとおりです。

① 患者の氏名、生年月日、性別
② 医療機関名、住所、電話番号、医師名
③ 処方箋の交付年月日
④ 処方内容
・薬の名前
・薬の形(錠剤、カプセル等)
・1回に飲む薬の量(1回1錠等)
・1日に飲む薬の回数(1日3回毎食後、1日2回朝夕食後等)
⑤ ジェネリック医薬品への変更について

医師の出した処方箋に基づき、薬剤師は患者に病状を聞きながら薬の内容を確認します。
そして、問題がなければ調剤を行い、患者に薬を渡します。

処方箋には院内処方箋院外処方箋があります。
院内処方箋とは病院内の薬局で薬を受け取る処方箋です。
そして、院外処方箋とは病院外の町の薬局で薬を受け取る処方箋です。

現在、病院では「医薬分業」がすすめられています。
「医薬分業」は多くの先進国が取り入れているシステムで、医師が患者に直接薬を出すのではなく、薬は薬剤師が担当します。

この「医薬分業」のメリットとデメリットを患者側と病院側の視点で考えてみると、下記のようになります。

《医薬分業によるメリットとデメリット》

患者のメリット
・医師と薬剤師という複数の専門家が協力し合って治療に関わることで、より安全で適切な治療を受けることでできる
・病院より時間をかけて薬の説明を受けることができる
・待ち時間が少なくなる

患者のデメリット
・患者が病院と薬局の2カ所に足を運ばなけらばならず手間と時間がかかる

病院のメリット
・大量の薬の在庫をストックしておくためのスペースが不要になる
・通院患者の薬が院外処方になることで病院内の薬局は入院患者の調剤だけに専念できる

処方箋を受け取ったら薬局へ持っていき薬を貰う!

処方箋を受け取ったら薬局へ持っていき薬を貰う!

病院で院外処方箋を受け取ったらどこの薬局に行けば良いのでしょうか?

院外処方箋を受け付けてくれる薬局は、「保険薬局」「調剤薬局」「処方箋受付」の看板がある薬局です。

どの薬局でもかまいませんが、かかりつけ薬局をつくっておくと安心です。
自分の健康状態を毎回詳しく説明する手間が省けますし、「お薬手帳」を持って同じ薬局に半年以内に行くと負担額が少し減るなんてお得な規定もあります。

処方箋の受付時間で負担額が変わる⁉︎

薬の価格は全国統一価格なのですが、処方箋を持って行く時間によって負担額が変わります。
基本的に下記の時間は割増しになります。

  • 朝8時前
  • 夜19時以降
  • 土曜日13時以降
  • 日曜日・祝日

営業時間は薬局によって異なります。
確認のうえ薬を取りに行きましょう。

薬局によっても調剤基本料が違う⁉︎

他に、病院内の薬局・病院周辺の薬局・町の薬局とでは調剤基本料が違います。
扱う処方箋の枚数が多い病院の薬局は受け取る報酬が低く設定されています。

そのため、調剤基本料は30円と最も安い金額です。
反対に、町の薬局の調剤基本料は120円と最も高い金額になっています。

【薬局に行けない人も安心】代理で薬が貰える!

ちなみに、薬は本人でなく家族などが代理で取りに行くことが可能です。
本人の代わりに詳しく病状を説明できれば、保険証処方箋原本(必須)お薬手帳(任意)を持って行き代わりに薬を受け取ることができます。

その他、忙しい人向けのサービスとして、事前にFAXやメールで処方箋を受け付けしてくれる薬局があります。
薬局へ行く前に前もって薬を準備してもらえるので待ち時間の短縮になります。

ただ、処方箋には有効期限があります。後日薬を取りに行く場合は必ず有効期限を確認しておきましょう。

【要確認】処方箋にも有効期限がある!無効になる前に薬の受け取りを!

【要確認】処方箋にも有効期限がある!無効になる前に薬の受け取りを!

厚生労働省「保険医療機関及び保険医療担当規則」(昭和32年厚生省令等15号)第20条において、処方箋の有効期限は交付日から4日間と決められています。

ここで注意しなければならないのが、この4日間は日曜日や祝日を含めての4日間ということです。

例えば、金曜日に処方箋をもらった場合、処方箋の有効期限は金、土、日、月までとなります。
もし、金曜日に薬局に行き忘れた場合、土日をはさんで月曜日も祝日で薬局が休みだとしたら、その処方箋は受付してもらえないまま期限切れとなってしまいます。

有効期限が切れた処方箋を使うことはできません。
事前にFAXやメールで薬局に処方箋を送っていたとしても、有効期限内に処方箋原本を持って薬を受け取りに行かなければ、その処方箋は無効となってしまいます。

処方箋の期限が4日間と決められている理由は、診察後、時間が経つと病状が変わり治療内容が違ってくる可能性があるからです。

処方箋が期限切れになったら期限の延長はできる?

処方箋が期限切れになったら期限の延長はできる?

昔は、薬局から医師に「疑義照会」と言って、「○○さんの処方箋の有効期限が切れたけど延長してもらえませんか?」と電話で問い合わせて医師が認めた場合、処方箋の期限延長をすることができました。

しかし、今は厚生労働省の指導により、一切処方箋の期限延長はできないことになりました。
「疑義照会」すること自体も禁止され、認められなくなりました。

ただ、長期の旅行等特殊の事情がある場合には事前に医師に相談すれば、期限を4日以上に変更することができます。
また、年末年始やGWについても、事前に医師に相談すれば処方箋の期限を変更してもらうことができます。

しかし、処方箋の有効期限が切れてから医師に相談しても期限延長はできません。

期限切れになってしまった時、処方箋は再発行してもらえるの?

期限切れになってしまった時、処方箋は再発行してもらえるの?

処方箋の期限が切れた時、また処方箋を紛失した時、処方箋の再発行をしてもらえるのでしょうか?
原則、処方箋の再発行はできません。

再発行ではなく、再び医師に診察を受け、処方箋を発行してもらわなければなりません。
期限切れにしろ紛失にしろ必ず再診は必要です。

そして、病院によっては「処方箋の期限が切れたから」という理由での受診は保険診療として認められず、自費になるケースがあります。

なぜなら、病状が変わっての受診であれば保険診療として認められるが、処方箋の発行を受けるためだけに受診するというのは、本来の保険診療のルールから外れているのではないかという見方があるからです。

自費で診察代と薬代を支払うとなると、かなり高額な出費となります。
そして、再診のために余計な時間を費やすことにもなります。

病院によっては処方箋発行料の600円~800円程度のみ自己負担とし、再診の診察代と薬代は保険診療扱いにしてくれるところもあります。

とにかく、処方箋の期限は必ず守り、紛失しないように注意するのが鉄則です。

まとめ【処方箋を貰ったらなるべく早く薬の受け取りに行きましょう!】

今回は、処方箋の期限が切れたらどうしたらいいのかについてご紹介しました。

  • 処方箋の有効期限は土日祝日を含めての4日間
  • 処方箋が期限切れになった場合、期限延長も再発行も出来ない。
  • 処方箋を貰うための再診察は、病院によっては保険診療外の扱いとされ、自費での支払いを余儀なくされる場合がある。

処方箋は有効期限が過ぎるとただの紙切れに変わってしまいます。
そうならないためにも、処方箋の期限はきちんと守りましょう。

薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」

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