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歯ぎしりしてますか?歯ぎしりの原因や身体への悪影響について知ろう!

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歯ぎしりしてますか?歯ぎしりの原因や身体への悪影響について知ろう!
薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」

35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。

みなんさんは、歯ぎしりをしたことがありますか?

毎晩、歯ぎしりをしていますか?と問われて、ほぼ100人中100人が「いいえ」と答えるのではないでしょうか?

歯ぎしりのほとんどは睡眠中におきるもので、自分が歯ぎしりをしているとはなかなか気がつかないというのも致し方ありません。

歯ぎしりは珍しい症状ではありません。
ほとんどの人が睡眠中に歯ぎしりをするといわれています。

ただ、ふつうは歯ぎしりをしても10分~15分ぐらいですが、歯ぎしりがひどい人になると1時間~1時間半ぐらいずっと歯ぎしりをする場合があります。

日本人の5%~15%が睡眠中に歯ぎしりをしているという結果もあります。
650万人~1950万人が毎晩のように歯ぎしりをしている計算になります。

そう考えると、歯ぎしりは特別な症状ではないというのも無理がないことです。

今回は、歯ぎしりの原因や、歯ぎしりすると身体におこる悪影響や、歯ぎしりのセルフチェックについてご紹介します。

【歯ぎしり】自分では歯ぎしりに気が付きにくい!

【歯ぎしり】自分では歯ぎしりに気が付きにくい!
人間の睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があります。

レム睡眠は、脳が活発に働いている状態で、記憶の整理や定着されるといわれています。

レム睡眠といわれるのは、Rapid Eye Movement(急速眼球運動)が活発にされることから、REM(レム)睡眠と呼んでいます。

non-REM(ノンレム)睡眠になると、大脳が休息します。
この休息が脳や、肉体の疲労回復にとっては非常に重要です。

私たちが睡眠に入るときはまず、ノンレム睡眠から入ります。
つまり、最初から深い眠りに入っていくわけです。

そして、1時間ぐらい経過すると眠りが徐々に浅くなっていきレム睡眠へと移行します。
ノンレム睡眠とレム睡眠を交互に繰り返します。

これが一晩に3回~5回程度繰り返されると言われています。

なぜ睡眠について紹介したかというと、「歯ぎしり」「浅い眠り」「深い眠り」が密接に関係しているからです。

一般的に歯ぎしりは、眠りが浅いときに起こると言われています。
つまり、レム睡眠に入ったときに、歯ぎしりが起きます。

深い眠りであるノンレム睡眠の時は、大脳は休息しているので筋肉の動きも抑制されています。

しかし、レム睡眠に移行すると大脳が動き始めて、抑制されていた筋肉も動きはじめます。
その時に顎の筋肉である咀嚼筋(咬筋)が動くため、歯ぎしりが起きます。

また、歯ぎしりは睡眠中だけに起きるものではありません。

なかには、起きているときに歯ぎしりをする人も少なからず存在しています。

起きているときに歯ぎしりをすることを、TCH(tooth contacting habit)=歯牙接触癖と呼んでいます。

最近、歯科や校区内科でも注目されている症状です。
人の口の中で上下の歯は、唇を閉じていても触れ合うことはありません。

上下の歯が触れ合うのは、ものを食べてるときか、人と話をしているときです。

TCHがある人は、口を閉じている状態でも上下の歯が触れ合っているので、レム睡眠のときの歯ぎしりとは少し違いますが、常に上下の歯に力が加わっている状態が続くので、歯を支え得ている部位に影響があると言われています。

よほど意識していないと発見できない癖なので、普段は見逃していることがほとんどです。

【歯ぎしり原因】歯ぎしりは大きく分けて2つの原因がある!

【歯ぎしり原因】歯ぎしりは大きく分けて2つの原因がある!
実は、歯ぎしりの原因は明確にわかっていません。

わかっているのは、浅い眠りの時に歯ぎしりが起きるということだけです。

浅い眠りの原因となるのは、飲酒、喫煙、ストレスなどです。

かつては、歯ぎしりの2大原因は、「歯並びの悪さやかみ合わせの悪さ」と「ストレス」だと言われていました。

しかし、最近ではストレスが大きく関係しているのではないかというのが、主流となってきています。

肉体的、精神的に疲れてくるとストレスがたまります。
そのストレスを発散させるために歯ぎしりするというわけです。

また、特定の遺伝子を持っている人は、歯ぎしりをしやすいという結果がでています。

さらに、睡眠時無呼吸症候群の人も眠りが浅いため、歯ぎしりをしやすくなります。

胃酸が食道に逆流するという逆流性食道炎を患っている人も、同じように浅い眠りとなるために、歯ぎしりをする傾向にあります。

起きているときの歯ぎしり(TCH)は癖ですから、自分では意識をしていないのに歯にぐっと力が加わってしまい、歯ぎしりをしてしまいます。

【歯ぎしりの種類】歯ぎしり3つの種類を知ろう!

【歯ぎしりの種類】歯ぎしり3つの種類を知ろう!
みなさんは、歯ぎしりと聞くとどんな症状あるいは状態を思い浮かべますか?

一般には、歯を「ガリガリ」「ギリギリ」「キリキリ」と音を立てる状態を想像するのではないでしょうか?

歯ぎしりには3つの種類があるので紹介します。

【歯ぎしりの種類】グライディング

これは、歯をこすり合わせることです。ふつうは、これを歯ぎしりと呼んでいます。

上下の歯に強い力を加えて、歯をこすり合わせることです。キリキリとかギリギリ、ガリガリといった音を立てます。

【歯ぎしりの種類】クレンチング

これは、上下の歯を強く噛みしめることです。歯を食いしばっているので、グライディングのような音はしません。

【歯ぎしりの種類】タッピング

これは、歯をならすことです。上下の歯をぶつけてしまうので、カチカチとかカチンカチンなどといった音がします。

歯ぎしりには以上のように3つのパターンがありますが、これを総称して「ブラキシズム」と呼んでいます。

プラキシズムのなかでも、気がつきにくいのが「クレンチング」です。

ほとんど音がしないので、周りの人も歯ぎしりをしているとは気がつきません。

こればかりは本人の自覚症状に頼るしかありません。

【歯ぎしりの原因】歯ぎしりの3つの原因を知ろう!

【歯ぎしりの原因】歯ぎしりの3つの原因を知ろう!

【歯ぎしりの原因】顎関節症

なかでも歯ぎしりが原因で増えているのが、「顎(がく)関節症」です。

ふだんは聞き慣れない病状ですが、顎関節症は、口を開けたりすると顎の関節がカクンカクンとなって痛みを伴ったり、顎の筋肉にこわばりが見られるものです。

そのため、口を大きく開けようと思っても、思うように口を開けられなくなります。

そして、顎関節症がひどくなると、ちょっとだけ口を開けようとしても鋭い痛みが走り、食事や会話などが満足にできなくなります。

【歯ぎしりの原因】クレンチング

歯ぎしりのなかで、顎関節症の要因となっているのは、クレンチングです。

歯を噛みしめる行為はリラックスしているときには起こりません。

睡眠中以外にクレンチングが起きるのは、極度に緊張を強いられているときとか、何かに熱中しているときに、無意識のうちに歯を噛み締めていることがあります。

睡眠中のような強い力でのクレンチングではなく、軽い歯の噛み締めでも、それが長時間続くと、顎にとっては非常に大きな負担がかかります。
それがもとで顎関節症になってしまうことも十分に考えられます。

たとえば、パソコンやスマホなどでゲームに夢中になっているときでも、知らず識らずクレンチング状態になっていることがあります。

現代のようにパソコンやスマホでのゲームが増えると、自然に顎関節症の予備軍が増えることになります。
事実、顎関節症の予備軍は多くなっていると言われています。

自分が顎関節症ではないかと判断する方法があります。
それは、人さし指と中指、薬指の3本の指を、縦にして口のなかに入れたときに、3本の指が口のなかに入らなかったり、痛みを覚えたときには、顎関節症を疑ってみてください。

【歯ぎしりの原因】睡眠時無呼吸症候群

歯ぎしりと関係が深いのが、睡眠時無呼吸症候群です。
歯ぎしりをしたあとにその症状になることが多いからだと言われています。

言われていると断言できないのは、歯ぎしり睡眠時無呼吸症候群の因果関係がはっきりわかっていないからです。

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている状態のときに一時的に呼吸が止まるので、突然死の原因とされる場合があります。
たとえば、心筋梗塞で突然生命が奪われるなどです。

一方、歯ぎしりと歯周病の関係はどうでしょうか。歯周病の直接の原因は歯ぎしりではありませんが、すでに歯周病になっているとしたら、歯ぎしりは歯周病の進行を早める要因となっているといわれています。

【歯ぎしりの影響】歯ぎしりが身体へ及ぼす悪影響

【歯ぎしりの影響】歯ぎしりが身体へ及ぼす悪影響
歯ぎしりは対策や、治療をせずに放っておいていいものでしょうか?

人にもよりますが、歯ぎしりをしていても身体になんら異常を感じない人、異常な症状がでなければ、ある程度は放っておいてもいいかもしれません。

しかし、歯ぎしりの影響はやはり身体に悪影響を及ぼす場合が多いと言われています。

【歯ぎしりの注意】インプラントへの影響がある!

インプラントをしいる人は、歯ぎしりに要注意です。

なぜなら、歯ぎしりという強い力が加わることでインプラントが脱落したり、インプラントのためのセラミックなどの被せ物が外れてしまったり、ネジがゆるくなったりすることがあるからです。

【歯ぎしりの注意】歯の形状が変わる!

歯ぎしりによって、本来ならかすかな丘陵になっている歯の先端部分が擦り切れて平になってしまい、正常な形状ではなくなってしまいます。

【歯ぎしりの注意】知覚過敏になる!

歯は、エナメル質や象牙質、セメント質など3つの硬い組織とそれに囲まれた歯髄(歯の神経)からできています。

しかし、歯ぎしりという強い力が加わることによって、エナメル質などがはがれてしまい、その下にある象牙質がむき出しになってしまいます。

そうなると、歯の神経へ刺激が伝わりやくなり、冷たいものや熱いものが歯にしみるとか、歯ブラシで歯を磨くときに痛みを感じるなど、知覚過敏になってしまうことがあります。

【歯ぎしりの注意】エラが張る!

歯ぎしりとエラの張りは大きく関係しています。
歯ぎしりは、言ってみれば一晩中咬筋を動かしているわけですから、咬筋がふつうの人よりも鍛えられることになります。

そうすると、咬筋と下あごの骨の発達に影響し、エラの張った顔立ちになることがあります。

【歯ぎしりの注意】頭痛や肩こりの原因!

歯ぎしりによって咬筋などの筋肉が筋トレ状態になっていることから、咬筋などとつなっている首や肩、こめかみなどの筋肉にも影響を及ぼします。

ひどい状態になると、それらの筋肉に炎症を起こしてしまいます。
そうなると、頭痛や肩こりなどの症状が現れることがあります。

この他に、歯の位置が移動したり、歯並びが変化したり、口のなかで下あごや上あごの骨がふくらんできたり、出っ張ってきたりという症状が現れることもあります。

【歯ぎしり】セルフチェックで歯ぎしりを確かめよう!

【歯ぎしり】セルフチェックで歯ぎしりを確かめよう!
家族や同居人から言われないとなかなか気づかない歯ぎしりですが、自分が歯ぎしりをしているかどうかをチェックする方法があります。

  • 1年に2回以上歯ぎしりを指摘されたことがある。
  • 起床時に、顎にこわばりや口の周囲に違和感を感じることがある。
  • 食べものを口にするときに、口が開けにくいことがある。
  • 口が開けにくくて人と会話がしづらくなることがある。
  • 顎がカクカクとなることがあったり、痛みを感じることがある。
  • 無意識のうちに歯を噛みしめていることに気づくことがある。
  • 前歯や奥歯などがすり減っていると感じることがある。
  • 冷たい水や熱いものが歯にしみることがある。
  • 顔立ちが変わってきつつある(とくにエラが張ってきたと感じる)
  • 歯にかぶせものをしたり、仮歯をしても、よく外れることがある
  • 風でもないのに頭が痛くなったり、肩がこることがある
  • 舌や頬の内側にかみ跡ができている
  • 歯の位置が移動してきた
  • 口のなかで、上下の顎の骨が出っ張ったり、膨らんだりしている
  • なにかに集中したり、極度に緊張しているときに、歯を噛みしめていることがある
  • 何らかの事故やけがではなく、歯が割れたり、欠けたりしたことがある
  • 歯の先がフラットになっている
  • 歯の付け根の部分がくぼんでいる

以上のような症状が見受けられる場合は、自分は歯ぎしりをしているかもしれないと疑って、歯科科口腔内科に相談をするようにしたほうがいいだろう。

【歯ぎしりの治療】歯ぎしりの予防や治療方法とは?

【歯ぎしりの治療】歯ぎしりの予防や治療方法とは?
歯ぎしりがひどい場合には、歯科か口腔内科をまず受診することをおすすめします。

歯科で受診すると最初に歯がどの程度摩耗しているか?朝起きたときに筋肉の痛みやこわばりがないか?顔立ちを見て顎の筋肉が発達してエラが張っていないか?診断します。

さらに、睡眠時無呼吸症候群に陥ってはいないかどうか、逆流性食道炎ではないかなどを問診します。そして、それらの病状の疑いがあれば、専門の診療科を紹介します。

睡眠時無呼吸症候群や、逆流性食道炎の疑いがない場合は、普段の食生活(飲酒など)や日常の生活習慣(喫煙など)を聞き出し、適切なアドバイスをします。
それは、少しでも深い眠りをしてもらうためです。

そのようなアドバイスを施して実践してもらって、歯ぎしりが治らない場合は、歯の摩耗を防ぐ意味合いもあって、歯を保護するためにも「スプリント療法」を実施します。

スプリント療法は、眠るときに樹脂製などのマウスピースを上下どちらかの歯にはめて、歯や顎にかかる力を低減することで歯の摩耗や、インプラントの詰め物が外れたりするのを防ぎます。

また、歯周病の進行を遅らせたり、顎関節症になるのを防ぐこともできます。

マウスピースをつくる場合には、個人の歯型をとって、ピッタリフィットするその人専用のマウスピースをつくります。

肝心なことは、マウスピースがその人の歯にピッタリあうことです。

そうしないと、歯をサポートすることにはなりません。
むしろ、歯ぎしりによるダメージで歯を悪化させることにつながります。

歯科医院等で歯ぎしり専用のマウスピースをつくる場合は、費用は健康保険が適用できますので、個人だと3割負担となります。

金額にすると歯科医院で若干差はありますが、3,000円前後でマウスピースを作れます。

歯並びの悪さやかみ合わせの悪さが原因で歯ぎしりしているわかった場合は、まず精密検査をして、歯の治療や矯正を実施します。

また、歯ぎしりを予防する方法として、自分でできるものがあります。
それは、「腹式呼吸」と「自己暗示法」です。

どちらもあ精神をリラックスさせ、深い睡眠ができるようにするものです。

腹式呼吸をすると身体全体をリラックスさせる効果があり、緊張感もほぐせます。
自己暗示法も有効です。

例えば、歯ぎしりをした時にどんな状態にするかを、寝る前に自己暗示をかけておけば、長時間の歯ぎしりは防げるはずです。

腹式呼吸も自己暗示も個人によって効果の程は差がありますから、自分に適した方法を選ぶといいでしょう。

起きているときの歯ぎしりを防ぐには、意識して歯ぎしりをしないようにするしか方法がありません。

THCがある人は癖なので、その癖を治すしか方法がありません。

目につくところは「今、歯ぎしりをしてはいないか」など、注意喚起をする張り紙をしたり、何らかのかたちで歯ぎしりを意識させる方法を考えましょう。

歯ぎしりがひどい場合は歯科か口腔内科に相談しよう!

歯ぎしりがひどい場合は歯科か口腔内科に相談しよう!
今回は、歯ぎしりの原因や、歯ぎしりすると身体におこる悪影響や、歯ぎしりのセルフチェックについてご紹介しました。

個人ではなかなか気づけない歯ぎしりですが、ひどくなったら身体に悪影響を及ぼすこともありす。

周囲の人から歯ぎしりをしていると指摘されたら、「自分はそんなことはしない」「歯ぎしりなんかしていない」と我を張らずに、素直に歯科医院か口腔内科を受診してみましょう。

顎関節症やその他の症状が悪化しないうちに、専門医療機関に相談することをおすすめします。

薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」

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