【マクロビオティック入門編】マクロビオティックの考え方や食生活を徹底解説
最近よく耳にする「マクロビオティック」という言葉を知っていますか?
コンビニやスーパーで売っているお菓子にも、マクロビオティックを謳ったものが増えてきました。
なんとなく健康と美容によさそうなイメージがありますが、マクロビオティックとはどういったものなのでしょうか?
そこで今回は、マクロビオティックの基本姿勢や、食生活についてご紹介します。
「誰が始めた考え方なの?」「具体的に何を食べたらいいの?」といった疑問にも答えていきますので、ぜひご一読ください。
この記事の目次
マクロビオティックってなに?意味や思想について知ろう!
マクロビオティックは食事法と勘違いされることも多いですが、食事だけでなく、ライフスタイル全体に関する思想のことを指します。
具体的には、自然の流れや秩序に沿って生きることで、健康な暮らしを実現できるというのがマクロビオティックの考え方で、その思想に基づいた食べ方が、マクロビオティックの食事法となります。
マクロビオティックを取り入れることで、以下のような効果が期待できると言われています。
- 健康維持、体力強化
- 美肌、ダイエット
- 生活習慣と体質の改善
- 気持ちが明るくなる
- ストレスが減り、生きていく気力がアップする
- 自然な農業や土地を守れて、エコロジーにつながる
身体のことだけでなく、地球環境にも貢献できるのがマクロビオティックです。
具体的にどういったライフスタイルなのか気になりませんか?
マクロビオティックとは、古代ギリシャ語で「マクロ(大きい、長い)」「ビオ(生命)」「ティック(術・学)」という3つの言葉が合わさってできたのもので、「大いなる生命の術」が語源になっています。
これは、「長く生きるための方法」という意味を持ちます。
マクロビオティックでは、自然との調和を大切に自然の秩序にしたがうことで健康を得ていくことを基本姿勢としています。
自然の秩序と聞くと難しいイメージを持ちますが、シンプルに言ってしまえば「その季節に合わせて旬の食べ物を食べる」「化学合成のもの、化学添加物、農薬などは避ける」など、自然に沿って暮らすことで、健康を得られるという考え方です。
現代では、年中いろんな野菜があふれ、旬の味が失われてしまっていますが、促成栽培でなく自然の中で育つ作物は、農薬や化学肥料を減らせて、味や栄養も格段に優れています。
そういった旬の味を取り入れて、自然のリズムに順応した身体の状態を作り出していくというのが、マクロビオティックの考え方です。
マクロビオティックはどこの国が発祥?
マクロビオティックというと、海外のイメージがあるという方も多いのではないのでしょうか?
実際に、マドンナやトム・クルーズ、マイケル・ジャクソンといった海外セレブが実践しているため、欧米のイメージが強くありますが、実は、マクロビオティックは日本発祥の考え方です。
そして、なんと100年近くも歴史のある思想です。
マクロビオティックを提唱したのは、桜沢如一(さくらざわ ゆきかず)という人物です。
明治時代に食医と呼ばれた石塚左玄が提唱した「食養生」に、東洋思想の陰陽の要素を加え、玄米菜食を基本とする「正食」を確立しました。
その欧米名として名付けられたのがマクロビオティックです。
桜沢如一はまずフランスへと渡り、マクロビオティックの普及に努めました。
戦後も弟子たちをアメリカ、ベルギーなど、ヨーロッパを始めとする世界各国に送り出し、マクロビオティックの普及活動をしてきました。
そこで世界中に広められ浸透したマクロビオティックが、日本に逆輸入される形で広まったのです。
マクロビオティックをよく知るための3つの言葉
マクロビオティックにおける重要なキーワードが3つあります。
この3つの言葉を理解すれば、マクロビオティックの思想についてより深く知れます。
【マクロビオティックの重要ワード】身土不二(しんどふじ)
聞きなれない言葉ですが、これは仏教用語で、「身体と環境(土)は切り離せない(不二)」という意味を持ちます。
「身体と住むところは切り離せない。住んでいる土地のものを食べることで、その土地の気候風土に適した身体になり、健康を保てる」という考え方です。
たとえば、暑い土地では体を冷やし水分を補給してくれる野菜や果物が育ちます。
逆に、寒い土地では体を温めるものが収穫できます。
人間も自然の一部であるため、寒い地域で暮らす人は体を温めるものを、暑い地域で暮らす人は体を冷やすものを食べるようにすると、環境に調和でき、健康を保つことができるのです。
また、自分の暮らす土地と近い場所で収穫された食材を選ぶことは、フードマイレージ(食糧の輸送距離)を減らすことにつながります。
輸送に伴って排出される二酸化炭素の量を少なくすることになり、地球環境の保全にも適しているのです。
身体の健康だけでなく自然環境にもプラスになるのが、この「身土不二」という考え方です。
【マクロビオティックの重要ワード】一物全体(いちもつぜんたい)
こちらもあまり耳にしない言葉ですが、一物全体とは「一つの食材を丸ごと食べる」という意味です。
食べ物を丸ごとすべて食べることで、バランスが取れ、エネルギーを身体に生かせるという考え方です。
捨てられてしまいがちな野菜の皮、種、魚の骨や皮には、実はそれ以外にはない栄養素が豊富に含まれています。
野菜なら皮や根っこ、種の部分まで、魚は頭から尻尾、内臓や骨まで調理することで、食物本来の生命力をいただけるのが、「一物全体」の考え方です。
また、お米は精米をせずに玄米のまま食べます。
精白して取り除かれた胚芽には、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、栄養的にとても優れています。
「一つの食材を丸ごと食べる」ということは、つまり「捨てない」ということ。すなわち、ゴミが出ないので、結果的にエコロジカルな食べ方につながります。
また、野菜は皮などもすべて食べることから、無農薬、無化学肥料で栽培されたものが選ばれており、こちらも地球環境の保全に通じています。
【マクロビオティックの重要ワード】陰陽調和(おんみょうちょうわ)
陰陽調和は東洋の伝統的な思想で、「万物は陰と陽の2つのエネルギーから構成されている」という考え方です。
陰陽というとこれまた難しい印象がありますが、要するに「物事には両面がある」という意味です。
昼と夜、光と影のように、私たちの周りでは相反する2つの関係があります。
一方があるからもう一方が成り立っていて、お互いにバランスを取って補い合っている。これが陰陽の考え方です。
具体的に食べ物にあてはめると、世の中には「体を冷やす陰性の食べ物」と「温める陽性の食べ物」があります。
この食生活の陰陽のバランスを大切にし、どちらかに偏らないよう中庸の状態でいることが、マクロビオティックでは望ましいと考えられているのです。
暑い季節には、体を冷やしてくれるキュウリやトマトなどの夏野菜が食べたくなり、寒い冬には大根など陽性の根菜で体を温めようとするのは、無意識のうちに陰陽のバランスを取ろうとする、体の自然な反応なのです。
マクロビオティックを食で実践してみよう!
マクロビオティックの基本姿勢についてお分かりいただけたでしょうか?
では、具体的な食事法はどういったものなのでしょうか?
ストイックなイメージのマクロビオティックですが、実はベジタリアンやビーガンのように、食べてはいけないものはありません。
人や動物、環境に配慮しながら「今の自分に必要なもの」をバランスよく食べることが大切とされています。
まず、玄米をはじめとした穀物を主食として、よく噛んでしっかりと食べることが基本になります。
よく噛んで食べることで、食べすぎを抑え、消化吸収をスムーズに行い胃腸への負担を和らげる効果が期待できます。
玄米はビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれていることから完全栄養食と呼ばれており、とても体にいいものです。
いきなり玄米からスタートするのはハードルが高い…という方は、白米に雑穀を混ぜたり、胚芽米を使っても大丈夫です。
おかずとして、野菜を使ったサラダや煮物などを摂取します。
野菜は原則として、その土地・その季節に採れる旬のものを食べるようにしましょう。
玄米や野菜の他には、豆や海藻、ナッツ、果物も推奨されています。
味噌>を使った料理もオススメです。
具体的には、玄米ご飯を中心に、野菜や海藻の味噌汁、野菜のきんぴらや煮物、サラダなどを食べるとバランスが取れます。
和食の基本といわれる一汁三菜と通じるところがありますよね。
なるべく避けたいのは、肉、卵、乳製品そして化学調味料などですが、絶対に食べてはいけないというわけではありません。
適度にたんぱく質を摂取するのも大切なことなので、無理せずマクロビオティックの食生活を実践していきましょう。
より深く学びたい人のためにマクロビオティックの教室
ここまで読んで、さっそくマクロビオティックの食生活を取り入れてみよう!と思った人もいるのではないでしょうか?
ですが、実際に取り入れるとなると、「具体的にどんな料理を作ればいいの?」「おいしく作れるかな?」「自分の体に合っているの?」と不安に思うかもしれません。
そこで、マクロビオティックの料理教室に参加してみることをオススメします。
マクロビオティックの料理の基本を教えてもらえば、日々の料理に取り入れやすくなります。
きっと健康な暮らしを楽しむヒントをもらえるはずですよ。
ここで紹介したいのは、「やまと薬膳メディスナルクッキングお料理教室」です。
開催していらっしゃるオオニシ恭子先生は、30年以上にもわたり、ヨーロッパで日本の薬膳の普及活動に努めてきた食のエキスパートです。
マクロビオティックの考案者・桜沢如一の奥様である桜沢リマ先生の教室で学ばれていたそうです。
「やまと薬膳メディスナルクッキングお料理教室」では、まず自然を理解し、自然環境をいかに取り込んで暮らしていくかを知ることから始めていきます。
そのうえで、人それぞれのタイプ、年齢、体調に合わせた食の選択、組立て、調理を学べるため、自分に適応した食を知れるので大きな魅力です。
「やまと薬膳メディスナルクッキングお料理教室」は初級コース、中級コース、上級コースに分かれています。
中級コース:初級で学んだことを応用し、家族や身近な人を守ることを学びます。
上級コース:体と食の関係をより深く追求していきます。
健康管理だけでなく、人生を楽しく生きるための食事につながる情報がたくさん学べる「やまと薬膳メディスナルクッキングお料理教室」、ぜひ参加してみてくださいね。
オオニシ恭子先生は、インターネットでも講座を開講しているので、なかなか教室に通えない方も楽しく学べます。
また、著書もたくさん出版されていますので、ぜひチェックしてみてください。
マクロビオティックは体にも心にも、そして地球にもやさしい考え方
今回は、マクロビオティックの基本姿勢や、食生活についてご紹介しました。
マクロビオティックとは、体にも心にも、そして地球にもやさしい考え方です。
興味を持った方は、ぜひ実践してみてください。
「絶対にこれを食べてはいけない」というルールがないのも、生活に取り入れやすいポイントですよね。
「心身ともに健康になりたい」「もっと地球環境のことを考えて食事をしたい」という方は、まず旬の食べ物を取り入れるところから始めてみてはいかがでしょうか?
- マクロビオティックは自然の流れや秩序に沿って生きるという考え方で、食事法に限らない
- 大切なキーワードは「身土不二」(その土地のものを食べる)、「一物全体」(食材まるごと食べる)、「陰陽調和」(バランスよく食べる)の3つ
- 穀物を主食として、おかずにサラダや煮物、味噌汁を取り入れると良い
- 絶対に食べていけないものはなし!無理せずバランスよく食べよう
- 料理教室に行くと、より実践的にマクロビオティックを学べるのでおすすめ
楽しくマクロビオティックを取り入れて、健康的で環境にやさしい生活を送ってみましょう!