【口唇炎でお悩みの方へ】口唇炎の種類や原因や実際の治療や予防方法を紹介
唇に湿疹ができたり、腫れてしまったり、ヒリヒリするなどのトラブルが起きると不安ですね?
ましてや、繰り返し症状が現れるとどうすれば治るのか、予防できるのかなど悩むこともあると思います。
口唇炎にはどのような種類や症状があって、原因は何なのでしょうか?
口唇炎の症状や治療方法、予防方法はしっかりと確立されています。
そこで今回は、唇にトラブルが起こった時の対処方法や、口唇炎の原因について詳しくご紹介します。
この記事の目次
口唇炎とは?どのような病気なの?
口や唇その周辺に炎症や痛みが起きる病気には、大きく分けて「口唇炎」「口角炎」「口内炎」があります。
まず、口唇炎とは唇に炎症を起こして、痛みや痒みを感じて荒れている状態です。
もともと口唇は顔の中でも皮膚の角層が薄く、外的要因からの刺激を受けやすい環境にあります。
また、口唇炎にはアトピー性口唇炎、刺激性口唇炎、接触性口唇炎や口唇膨張などの種類があり、それぞれ症状が異なります。
次に、口角炎とは上唇と下唇がつながっている部分(口角)に炎症が起きて、主に唇の端が赤く腫れて亀裂が入り、切れたような痛みを伴うこともあります。
話をするときや食事の際には、どうしても口を大きく開けるために強い痛みを感じることが多くあります。
そして、口内炎は主に口の中に起きる炎症です。
口の周辺のトラブルをまとめて口内炎と呼ぶこともあります。
頬の内側など口の中の広い範囲に炎症が起きるので、痛みや沁みる感覚から食事を摂りづらくなることも多いです。
さて、このように口唇の周辺に起きる炎症はそれぞれに異なる症状がみられ、種類もたくさんあることが分かります。
口唇炎・口角炎の種類とそれぞれの主な症状とは?
それでは、口唇炎と口角炎の種類と主な症状をそれぞれの違いを明らかにしながら、解説していきたいと思います。
まず、口唇炎と口角炎の違いについてです。
症状が口角のみに見られる場合は「口角炎」と呼びますが、口角を含めた口唇全体に症状が起きることが多くみられます。
明確な違いについては医師に判断をしてもらうほうがいいでしょう。
口唇炎には次の5つの種類があります。
接触性口唇炎
何らかの物質に口唇が接触することで症状が起きます。
原因となる主な物質は口紅、日焼け止め、化粧品、歯磨き粉、食物(パイナップル、アボカド、ナッツ類、みかんやオレンジなどの柑橘類)、口腔内の治療に使われる金属などが挙げられます。
化粧品にふくまれる物質が原因となることが多いため、男性より女性がかかりやすいとされています。
原因となる物質との接触を避けることで症状は改善することが多いです。
アトピー性口唇炎
アトピー性の皮膚炎が口唇にも起こる状態です。乾燥からカサカサし、皮がめくれて亀裂になることもあります。
アトピー性の因子を持つ人がかかりやすく、慢性化して繰り返すことが多いとされています。
剥離性口唇炎
唇の皮にかさぶたができて、剥がれ落ちることを繰り返します。
唇をなめることでの乾燥や、ビタミン不足などが原因と考えられています。
大人より子どもの方が唇をなめる機会が多いことから子どもがかかりやすい口唇炎です。
口唇膨張
唇が突然腫れる病気です。蕁麻疹由来のものと肉芽腫口唇炎があります。
一過性ですぐに治まるものが多いですが、歯周病などの口腔内感染やクローン病と関係するものもみられるので、注意が必要です。
光線性口唇炎
日光の主に紫外線にあたることでおきる口唇炎です。
水ぶくれができ、赤く腫れることもあります。
また、口唇炎と似ている病気に「口唇ヘルペス」があります。
※口唇ヘルペス
単純ヘルペスウイルスによる感染症です。
唇の周りがピリピリして、水疱ができることが大きな特徴です。
自然に水疱がかさぶたとなって治癒する場合が多いですが、疲れやストレスがたまっている時やお年寄りがかかると、発熱を伴って水疱がかたまりを作って症状が強くなることがあるので、注意が必要です。
このように、口唇炎には様々な種類や症状があることがわかりますね。
口唇炎の種類別にみてみよう!現在の治療方法とは?
口唇炎の主な治療方法について解説していきましょう。
口唇炎の治療といえば、皮膚科を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
実際の治療は皮膚科だけではなく、歯科や口腔外科でもおこなわれています。
口唇炎の治療にかかせないのが保湿です。
口角や口唇は皮膚の角質層がとても薄く、外部からの刺激を受けやすくて弱い部分です。
治療を初めた頃は1日に5回から10回程度(食前、食後、風呂上がり、寝る前など)保湿剤を塗ることをオススメします。
それと同時に、接触性口唇炎や光線性口唇炎などにかかり、原因となっている物質がわかっている場合には、その物質や紫外線を避けることも重要です。
保湿剤だけでは口唇炎の炎症を抑えて症状を鎮めることは難しいので、弱いステロイド薬を場合によっては併用することもあります。
ステロイドのお薬は1日2回程度とし、長期間の使用は避けましょう。
できるだけ、1週間程度での治癒を目指して使用します。
また、口唇ヘルペスの場合はヘルペスウイルスに有効な抗ウイルス内服薬と炎症を鎮めるためにアズノール軟膏、そして抗ウイルス外用薬(塗り薬)アラセナA軟膏で治療をおこないます。
口唇ヘルペスは家族間での感染が起こる可能性があります。
できるだけ、口唇が直接触れる食器(コップや茶わん、お箸など)やタオルなどは家族と共用しないように注意が必要です。症状が治まっても1週間程度は別のものを使うようにしましょう。
口角炎でみられる「カンジダ」という菌が疑われる場合には検査をおこないます。
そこで陽性と判明すれば、抗カンジダ薬が処方されます。
いずれの口唇炎でも疲労やストレスが炎症や症状を強めていると判断されると、ビタミンB2、B6、B12が処方されることもあります。
口唇炎・口角炎の主な原因のまとめ
口唇炎…原因となる物質(化粧品や食物、紫外線)、ヘルペスウイルスの感染、歯科治療に用いられる金属製の物質、口腔内感染、疲労やストレスなど
口角炎…カンジダ感染、ビタミン不足(B2、B6、B12)、口腔内感染、疲労やストレスなど
これらの原因をできるだけ避けて、口唇炎・口角炎にかからないようにしたいですね。
口唇炎にならないための予防方法
では、どのようにして日常生活を送る中で口唇炎を予防すればいいのでしょうか?
【口唇炎の予防】一番重要なのは保湿
唇は顔の中でも皮膚が非常に薄くて角質層が浅いです。そのため、とても乾燥しやすく、保湿はかかせません。
ワセリン(プロペト)や、市販のできるだけ添加物が少ないリップクリームでの保湿がオススメです。
気がついたら塗るようにして乾燥から唇を守ってあげてください。また、マスクの着用もとても有効でしょう。
生活環境との関係も重要です。冬はもともと乾燥しがちな季節ですが、夏場もクーラーの乾燥に注意してこまめに保湿するように心がけましょう。
【口唇炎の予防】ストレスや疲労はためこまない
どんな病気についても言われることですが、ストレスや疲労は病気の天敵です。
免疫力が低下してしまうと、いつもなら症状が出ない病気も現れてきます。
オンオフの切り替えを上手くして、オフのときには副交感神経を優位にリラックスして過ごすようにしましょう。
【口唇炎の予防】なめない・かまない・触らない
口唇が荒れてくるとどうしても無意識に舌でなめてしまいます。
そうすると、唾液が口唇の水分を蒸発させてまた乾燥します。
そしてまたなめる。悪循環ですね。
また、炎症が起きると気になって唇を触ってしまいがちです。
いろいろな雑菌がついている手で触ることによってさらに炎症を悪化させることも考えられます。
炎症が起こっている部分をなめたり、かんだり、触らないように充分気をつけましょう。
【口唇炎の予防】唇と口の中の清潔を保つ
口腔内の感染から口唇炎を起こすことを考えると、口の中の環境をいい状態に保つことも大切です。
子どもはセルフケアや歯みがきが上手くできず、それが原因で口唇炎にかかることもあります。
また、入れ歯を使用されている方は入れ歯での雑菌の増殖が心配ですね。
毎日かかさずに手入れをして清潔な状態にしましょう。
【口唇炎の予防】紫外線対策
紫外線を浴びると口唇にも刺激となって、それが原因で口唇炎を引き起こすことがあります。
屋外で強い紫外線を浴びるかもしれないときは、あらかじめUVカットのリップクリームを塗るなどして紫外線対策をするように心がけましょう。
【口唇炎の予防】睡眠と栄養
こちらもどんな病気に対しても予防になりますね。
質のいい睡眠と偏らない食事はどんな薬にも優る予防効果があります。
ビタミンが多く含まれる食品についてまとめておきましょう。
ビタミンB6…かつお、まぐろ、レバー、バナナなど
ビタミンB12…牛レバー、カキなどの二枚貝、ホタルイカ、イクラなど
質のいい睡眠は日中の過ごし方と深いつながりがあります。
日光をたっぷり浴びて、適度に身体を動かしましょう。
また、寝る直前の過ごし方も大切です。
寝酒や寝る直前の食事、スマホいじりは睡眠の質を低下させます。
朝までぐっすりと休める環境を整えましょう。
このように、日常生活を送る中で様々なことに注意して口唇炎を予防できます。
口唇炎をしっかりと予防して快適な毎日を送ろう!
今回は、唇にトラブルが起こった時の対処方法や、口唇炎の原因について詳しくご紹介しました。
口唇炎かも?と不安に思われたときや病院を受診するか迷われたときや、日常生活での予防に参考になれば幸いです。
口唇炎とよく似ていますが、治療方法が違う病気についても知っておくと安心ですね。
ぜひ参考にしていただいて、快適な毎日を送りましょう!