つらいあかぎれとさよなら!自宅でもできるあかぎれの予防法をご紹介!
テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」
35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。
手や指がひび割れて痛みを伴うあかぎれは本当に辛いですよね。
水仕事での水など刺激も原因となる為、女性にとって悩みの種です。
予防したいけどどうしたら、とお悩みの方も多いでしょう。
実はあかぎれ予防は日ごろのケアが大切な役割を果たしています。
今回は自宅でもできるあかぎれのケアについてご紹介をします。
この記事の目次
あかぎれは「低温・乾燥・血行不良・刺激」が大きな原因
医学的には「進行性指掌角皮症」と呼ばれる手荒れ症状ですが、あかぎれはその中でも特に乾燥や血行不良により発生した「小さなひび」がひどくなり、皮膚の表皮から真皮にかけて達するほどに深くなったものをいいます。
言いかえると、ひびがさらにひどくなったのがあかぎれといえるでしょう。
原因としては、大きく分けると「低温・乾燥・血行不良・刺激」です。
なかでも、低温と乾燥、そして血行不良は要因として繋がっているところが多く、例えば冬に気温が下がると皮脂や水分が乾燥して、さらに低温により血行不良も起こるため、あかぎれが発生しやすくなります。
また、季節を問わず皮膚への「刺激」も原因となります。
例えば、水仕事による水や洗剤、シャンプーなどの刺激も皮脂を減少させてしまい角質細胞の入れ替え、つまりターンオーバーに異常が発生し、ひびやあかぎれを起こしやすくさせます。
あかぎれの症状としては、皮脂が失われ乾燥状態にありますので、皮膚はカサカサしてささくれた状態。かゆみや腫れを伴い、深いひび割れが発生し、ひどくなると出血することもあります。
ひりひりズキズキして、本当につらいですよね。
あかぎれの予防の仕方はある?ポイントは主に3つ
あかぎれはこのようなつらい症状を伴いますので、できれば事前に予防して、できるかぎり発生を避けたいところですよね。
では、どのようにしたら予防ができるのか、先ほどの原因から対策法を見ていきましょう。
あかぎれの原因は「低温・乾燥・血行不良・刺激」とご紹介をしました。
この中でも特にポイントになるのが、「乾燥と血行不良」です。
低温も刺激も、結局のところこの2点の要因につながってきますので、この「乾燥と血行不良」に重点を置いた対策をご紹介していきましょう。
予防法のポイントは「①保湿、②血行促進、③栄養摂取」の3点。
順を追って見ていきましょう。
あかぎれの予防①保湿
皮膚の「皮脂量」や「水分量」が減少することで皮膚がかさかさに乾燥してしまい、ターンオーバーのサイクルが乱れてしまうことであかぎれが発生してしまうため、皮膚の保湿を行うことが何より大切です。
保湿は「はやめ・こまめ」を心がけてください。
症状がひどくなるまえに、こまめなケアをすることが大切です。
具体的な方法として、保湿クリームなどの保湿剤を使うことが有効で、水仕事やお風呂上り後など、こまめに保湿剤を使用することがおすすめ。
また、乾燥を防ぐためには日常生活においてもひと工夫することが重要。
例えば、水仕事のときにゴム手袋をしたり、熱すぎるお湯は皮脂を減少させる原因となるため、お風呂の温度を調節したり、食器洗いのときに洗剤を薄めたりすることも有効です。
寝る前に、クリームを塗ってマッサージをするとさらに効果的です。
あかぎれの予防②血行促進
寒さや冷え性によって起こる血行不良によっても、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。
血行不良により、肌細胞に栄養が届かず新陳代謝が落ちることにより、ターンオーバーが乱れてしまいます。
角質細胞間脂質などの保湿成分が不足してしまい、あかぎれへつながる要因となります。
こういった血流の改善には、マッサージが有効です。
ハンドクリームを使用したマッサージは血行の促進だけでなく、そのほかにもストレス解消などの効果も期待できます。
寝る前にクリームをつけて、ゆっくりとリラックスして行うと一日の疲れも癒されますよ。
また、日々の生活の中でも血行不良を招いてしまう行動もあります。
例えば、ハイヒールなどのきつい靴は足の血行不良を招く要因となってしまいます。
通勤のときは履かざるをえないという方は、仕事中は足がラクなサンダルなどを履くのが効果的です。
そのほか、運動不足も血行不足の原因の一つとなります。
なかなかまとまって時間を取れないという方も、仕事中のストレッチやひと駅分歩くとか、階段を使うとか、ちょっとしたこまめな運動を生活に取り入れることは、血流の改善に有効です。
あかぎれの予防③栄養を摂る
先ほどの血流の改善と関連しますが、ビタミンEなど血流改善に効果的な成分の摂取も予防法としては有効。
ビタミンEには、「抗酸化作用」があり、血流を改善する効果があります。
サプリメントのほか、食品などからも摂取できるので、日常生活の中で意識的に取り入れるとあかぎれの予防に効果的です。
実はそんなビタミンEと一緒に取ると有効な成分がビタミンCです。
そのほか、ポリフェノールなども血流改善には効果的な成分です。
ポイントはビタミンE!あかぎれ予防は日々の食事から!
血行不良の改善には、ビタミンEなどが有効と先ほどお話ししましたが、このような栄養素はサプリメントよりも日々の食事の中で食品から摂取することをおすすめします。
では、実際にどのような食品が血流改善やあかぎれ予防に効果があるのかを見ていきたいと思います。
ここでは代表的な成分をご紹介します。
あかぎれ予防に良い栄養素①ビタミンE
ビタミンEには「抗酸化作用」があり、血行促進に効果のある成分としては代表的なものです。
抹消血管を拡張し、抗酸化作用により血管内で血液が固まることを防ぐ効果があります。
ビタミンEが配合されたハンドクリームもあり、あかぎれには有効な成分です。
主な食材は以下の通りです。
ビタミンEが含まれる主な食品
・ナッツ類
・ヒマワリ油、
・ほうれん草、ブロッコリー、ピーマン、アスパラガス、かぼちゃ、春菊、にら、アボガド
・鮭、サバ、あん肝、うなぎのかば焼き など
あかぎれ予防に良い栄養素②ビタミンC
先ほど少しご紹介した通り、ビタミンEを一緒に摂取すると効果的なのがビタミンCです。
ビタミンCにも抗酸化作用があり、ビタミンEと同様に血行促進に効果的ですが、ビタミンCには特にビタミンEの働きを助ける効果があります。
実はビタミンCにはビタミンEをよみがえらせる効果があり、一緒に摂取することで、疲れてしまったビタミンEの効果を再び上げることができます。
主な食材は以下の通りです。
ビタミンCが含まれる主な食品
・レモン、イチゴ、オレンジ、キウイフルーツ
・ピーマン、パプリカ、小松菜、ブロッコリー など
あかぎれ予防に良い栄養素③EPA
イワシやサバなどの青魚などに含まれる必須脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)も血をサラサラにしてくれる効果があるため、血行改善に効果があります。
この成分はほとんど体内で生成できないため、食材から摂取することになります。
EPAが含まれる主な食材
・イワシ、サバ、サンマ など
あかぎれ予防に良い栄養素④ポリフェノール類
ビタミンEやビタミンCとともに、抗酸化作用がある成分として有名なのがポリフェノールです。
緑茶に含まれるカテキンもポリフェノールの種類のひとつで、そのほかにもカカオに含まれるカカオポリフェノール、玉ねぎに含まれるルチンなどがあります。
水に溶けやすいので短時間で作用するため、毎日摂取することがポイントです。
ポリフェノール類が含まれる主な食材
・緑茶
・コーヒー
・ココア、チョコレート
・ブルーベリー、カシス
・玉ねぎ
日々の食事の中でうまく取り入れると、あかぎれの予防はもちろん、冷え性の改善も期待することができますので、女性の方は特に意識的に摂取してはいかがでしょうか。
あかぎれに有効なハンドクリームには何が入っている?
あかぎれに効果的な成分をご紹介しましたが、かさかさした患部のケアとしてはハンドクリームなどの保湿剤の使用も効果的です。
保湿成分として有効なセラミド、グリセリン、ヒアルロン酸などがあり、それにプラスして血行促進に効果のあるビタミンEなどを配合した保湿剤もあります。
そのほか、直接的な保湿成分はありませんが、油で肌をコーティングして保護する役割のあるものとして、ワセリンがあります。
ハンドクリームの種類を大きく分けると次の3つに分かれ、自分の症状などによって効果的なものを選ぶのがポイントです。
①保湿をメインとしたもの(ヒアルロン酸やワセリンなどが配合)
②ビタミンを配合して血行改善の効果があるのもの(ビタミンEなどが配合)
③皮膚を柔らかくする尿素が配合されるもの(尿素配合)
この中であかぎれに特に効果的なのは、②のビタミンEを含んだものになります。
市販されているあかぎれに有効なハンドクリームにはこの成分が含まれています。
血行促進に効果があるため、冷え性にも効果が期待できます。
ビタミンなどが含まれていない①の保湿系の場合、軽度の手荒れのときに使用するのが効果的です。
普段使いとして使用することで乾燥を防ぐことができます。
ただし、③の尿素を含んだものはあかぎれに対して使用すると逆効果になってしまうので使用は控えてください。
刺激が強いため、あかぎれやひびなどの傷がある箇所に使うと逆に症状を悪化させてしまうことがあります。
最後にあかぎれに効果的なおすすめのハンドクリームを2つご紹介します。
あかぎれに効果的なハンドクリーム①保湿系
ロクシタン「シア ハンドクリーム」
天然の保湿成分であるシアバターを20%配合したクリームで手指にしなやかさをプラスします。
べたべたせず、潤い効果は抜群です。香り付きですが優しい香りなので癒し効果もあります。
あかぎれに効果的なハンドクリーム②ビタミン配合系
ユースキン製薬「ユースキン」
(2020年9月1日より「ユースキンA」から名称などが変更)
ビタミンE誘導体である「トコフェロール酢酸エステル」、炎症を鎮める「dl-カンフル」や「グリチルレチン酸」や保湿成分の「グリセリン」、ビタミンEを助ける「ビタミンC」が配合されています。
(現状のユースキンAという名称から変更されるに伴い、容器の形状などより使いやすくなる改良が加えられます)
血行促進ができるマッサージであかぎれを予防!
先ほどご紹介したハンドクリームですが、使い方によっても効果が大きく異なってきます。
水仕事や入浴後に使用するのはもちろんですが、クリームをつけた後でマッサージを行うのも効果的です。
マッサージするときは、クリームを塗って滑りを良くしてから行うのがポイントです。
クリームの使用量はだいたい、人差し指の第1関節分くらいが目安。
たっぷりとクリームをつけてマッサージするのが効果的です。
マッサージの効果としては、血行促進はもちろんのこと、冷え性の改善や新陳代謝の活性化、むくみ防止にもなります。
また、ツボを刺激することによって、体のコリの解消やリラックス効果による疲労回復、ストレス解消などの効果も期待できます。
ここでは悩みの種となることが多い手指のあかぎれ予防として、具体的なハンドマッサージの方法をご紹介します。
あかぎれ予防に!ハンドマッサージのやりかた
①指をそらせてストレッチ
反対側の手で指を手の甲側へゆっくり反らすようにストレッチします。
②ツボを刺激
手のツボを親指と人差し指で挟み込むようにして刺激していきます。
主なツボは次の3つです。
<あかぎれの予防におすすめなツボ>
①合谷(ごうこく)
万能のツボと呼ばれるツボで、血行促進のほかにも風邪のひき始めや肩こり、ストレス解消にも効果的です。
場所は、人差し指と親指の付け根(V字になっている箇所)にあります。
マッサージ方法としては、反対側の手の親指と人差し指でグッグッと挟み込んで刺激してください。
②虎口(ここう)
こちらも血行促進に有効なツボで、合谷と同様に親指と人差し指で挟んでマッサージします。
場所は、親指の付け根ですが、先ほどの合谷より浅い箇所にあります。
③指間穴(しかんけつ)
冷え性にきくツボとされ、血行促進に効果があります。
場所は手の甲側の人差し指・中指・小指の指の根本にあります。
マッサージ方法としては同様に親指と人差し指で挟んで刺激してください。
③指1本1本を爪先までもみほぐす
ツボを刺激し終えたら指を一本一本、こちらも親指と人差し指で挟みこむようにして爪先までもみほぐします。
④手の甲をくるくるマッサージ
最後に手の甲をもう一方の手のひらでクリームをなじませるようにくるくるとマッサージします。
就寝前にマッサージをした場合、お布団などにクリームが付着するのを防ぐため、手袋を着用することをおすすめします。
もちろん手の保護にもつながるので日中でも手袋の着用は効果的です。
また、マッサージの他にも日常生活において血流を改善するためにも、適度な運動を心がけましょう。
喫煙などの血行不良につながる行動は避けるのも日常生活ではポイントになります。
ケアをしてもあかぎれがひどくなってしまったら?
万が一、予防をしていてもひどいあかぎれになってしまった場合は、病院で診察をしてもらいましょう。
そうはいっても、なかなか時間がなくて・・・という方は、まずは絆創膏などで患部を保護するのが大切。
市販の絆創膏では、「水絆創膏」があかぎれには効果的です。
水絆創膏とは液体絆創膏とも呼ばれ、通常の絆創膏と違って、液体状の薬剤を患部に塗り、それが乾くことで患部を保護するというものです。
防水効果があるので、水仕事も行うことができるので安心です。
まずは患部を保護することで症状がひどくなることを防ぐことが症状改善には重要です。
まとめ【あかぎれの予防はとにかく保湿や血行促進が大切!】
今回は、あかぎれの予防法と対処法についてご紹介をしました。
つらいあかぎれには日ごろからのケアが重要ですが、特に乾燥や刺激から守り、血行促進をはかることが大切です。
ついおろそかになりがちですが、毎日のこまめなケアを心がけましょう。
- あかぎれのケアは乾燥の予防と血行促進がポイント!
- あかぎれに有効な成分はビタミンEやCなど色々あり!ぜひ食品から摂取しよう!
- 保湿クリームはビタミンEが入ってるものが有効!
- ハンドマッサージで血行促進!適度な運動も大事です!
記事を参考にして、しっかり予防をすることであかぎれから解放された日々を手に入れましょう!
テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」
35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。