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尿が出きっていない感じが続いている人は要注意?残尿感から推測できる病気の症状と治療法!

尿が出きっていない感じが続いている人は要注意?残尿感から推測できる病気の症状と治療法!

残尿感があるものの特に気にされていないという方はいらっしゃいませんか?
放置していれば入院が必要になるくらい悪化する場合もあるので早い段階で医療機関を受診するようにしてください。

医療機関を受診する前に具体的にどのような病気の可能性があるのか知っておけば心の準備ができます。
そのためにも今回は、残尿感とそれ以外の症状から推測される病気について解説していきます。

これもそうなの?残尿感がある時は実際に尿が残っているって本当?

そもそも残尿感とはなんなのでしょうか?
尿が出切っておらず残っている感覚です。

文字通り実際に膀胱に尿が残っている場合もありますが、尿が残っていないのに残っているような感覚になる場合もあります。
残尿感があるということは身体のどこかに異常をきたしており、その原因は色々考えられます。

ここからは比較的症例数の多い病気の残尿感以外の症状や治療法を解説していきます。
ご自身が当てはまるものがあるか確認してみてください。

残尿感だけでなく尿の濁りも感じるなら膀胱炎かも?

膀胱炎という名前を耳にされたことがある方は多いと思います。
しかし、残尿感以外にどのような症状があるのか、どのような治療をするのかご存知でしょうか?

原因・症状・検査・治療法を紹介していきます。
ご自身が膀胱炎かも、と気になられている方は確認してみてください。

〈膀胱炎の原因〉
膀胱炎とは、腸内細菌が尿道を通って膀胱で増殖し、膀胱の粘膜に炎症が生じている状態で、尿道が短い女性に多い病気です。

通常は膀胱に菌が入っても尿と一緒に排出されますが、尿意を我慢して長時間膀胱内に菌を留まらせた時や体調が優れず免疫力が落ちている時には菌がたくさん繁殖し、炎症につながります。
膀胱炎の残尿感は炎症によって膀胱や尿道の知覚に異常が生じることが原因です。

〈膀胱炎の症状〉
・排尿時痛
灼熱感という言葉で表現される様な強い痛みです。
膀胱炎は膀胱の粘膜に炎症が生じている状態なので排尿時に痛みを感じることになります。
膀胱炎が慢性化すると痛みを感じない場合もありますが急性膀胱炎では排尿時以外にも膀胱に尿が溜まった際にも痛みを感じます。
軽度の場合には残尿感であるムズムズとした感覚があります。

・血尿
膀胱の炎症からの出血が尿と一緒に排出されるので血尿があらわれます。
症状の強さによってうっすらと赤みがかっているものから血の塊がみられるものまであります。
さらに悪化すると膿も見受けられます。

・尿の濁り
身体に異常がない時の尿は透明っぽい黄色ですが、尿白濁と言われる白っぽく濁った状態になります。
これは炎症からの出血により白血球が尿中に含まれるためにみられます。

〈膀胱炎の検査〉
・尿検査
尿中の白血球反応と潜血反応を確認し、膀胱炎であればどちらも陽性になります。

・尿培養検査
治療薬を決定するために膀胱炎を引き起こした菌を特定します。

〈膀胱炎の治療法〉
・抗生物質
抗生物質を服用し原因となる菌の成長を阻止します。
膀胱炎は人によって繰り返し発病しますが、自己判断で家にある抗生物質を飲んだり、複数の病院を受診し抗生物質を多量に飲み続けたりすると耐性菌が生じる場合があります。
そうなれば耐性菌にも有効な抗生物質を選択し直す必要が出てきますので、決められた用法用量を守り、効果が得られない時には改めて医療機関を受診しましょう。

薬以外には、水分を積極的にとって尿量を増やすことで尿と一緒に増殖した菌を体外に排出します。
さらに膀胱は冷えに弱い臓器なので体が冷えないよう注意して過ごしましょう。

残尿感に加えて急にトイレが我慢できないような強い尿意を感じる過活動膀胱

過活動膀胱とは膀胱の活動が過剰になる病気なので、頻繁に尿意を感じることになります。
健康な場合は尿がある程度膀胱に溜まった時に尿意を感じますが、過活動膀胱だと尿が少量しか膀胱内にない時にも尿意を感じます。
残尿感に加えて頻繁に強い尿意を感じる時には過活動膀胱の可能性を考えてみてください。

〈活動膀胱の原因〉
脳卒中などで脳が膀胱に指令をだす神経に問題が生じている場合と加齢によって膀胱を支える骨盤底筋が弱くなったことで生じる場合があります。

特に神経に問題が生じている場合、脳が排尿しようと決めると神経が、膀胱が縮むように尿道括約筋に命令を出します。
そうなると尿意を我慢することが難しくなり日常生活にも支障が出ます。
また、人によっては原因不明な場合もあり、まだまだ分からない点がある病気です。

〈活動膀胱の症状〉
・尿意切迫感
トイレに行ったばかりなのにまたどうしても我慢できないような尿意を急に感じることです。
とても強い尿意が急にくるのでトイレにかけ込めない様な外出中などに困ることがあります。
ムズムズする残尿感と合わせて強い尿意を感じる非常に不快な状態です。

・夜間頻尿
健康な場合、1日の排尿回数は6〜8回で、夜間には0〜1回です。
特に水分を多くとっていないのに排尿回数が多い日が続く場合は医療機関を受診しましょう。

〈活動膀胱の検査〉
・過活動膀胱症状質問票
過活動膀胱の疑いがある時にはこの質問票の回答を元に問診が行われます。
排尿の回数やタイミングに関する質問があります。

・腹部エコー検査
膀胱に残っている尿の量や腎臓の状態を確認します。

〈活動膀胱の治療法〉
・行動療法
骨盤底筋訓練や膀胱訓練を行います。
尿道をしめる骨盤底筋を鍛えたり、尿意を我慢して膀胱に溜められる尿の量を増やしたりします。

・抗コリン薬
膀胱の過度な動きを抑制する薬です。
効果が十分に出ない人もいますが、副作用として尿の出が悪くなる場合もあります。
用法用量を守り様子を見ながら服用しましょう。

・電気刺激治療
排泄に関係する神経に電気刺激を与えることで神経の働きを調整します。

過活動膀胱を患うと強い尿意を感じるので日常生活に支障が出ることもあります。
外出が億劫になることもありますが、オムツや尿パットを利用しながら仕事や趣味を楽しみましょう。

50歳以上の男性2割が患っている前立腺肥大症。残尿感や排尿遅延がある方は要注意!

前立腺の病気の中でもっとも多い前立腺肥大症です。
前立腺は精子に栄養を与えたり保護したりする役割を担っていますが、尿道を囲む様に存在しているので肥大化すると排尿に影響を及ぼします。

〈前立腺肥大症の原因〉
前立腺が肥大し尿道を圧迫することで排尿に支障が出ます。
性ホルモンのバランスが崩れることで発病する場合が多く、年齢が上がるにつれて患者数が多くなっています。

〈前立腺肥大症の症状〉
・頻尿
1日の排尿回数が多いことを言います。
前立腺肥大症の初期症状として代表的なものです。

・排尿遅延
尿の出が悪くすぐに出なかったり少しずつしか出なかったりする状態です。

・尿勢の低下
尿管が圧迫されることで排尿時の勢いが悪いため尿線が細くなります。

〈前立腺肥大症の検査〉
・腹部エコー検査
超音波をあてて前立腺や膀胱の形を確認します。
前立腺肥大症以外にも膀胱結石が見つかる場合もあります。

・直腸内指診
直腸越しに前立腺を触診します。
エコーで分かる大きさだけでなく硬さも分かり、前立腺肥大症の場合は石の様に硬くなります。

〈前立腺肥大症の治療法〉
・α1受容体遮断薬
α1受容体とは血管内に存在するもので、これを遮断すると交感神経の作用が抑えられるので血管を拡張し前立腺がゆるみます。
軽度の場合はこれで症状が和らぎます。

・抗男性ホルモン薬
前立腺肥大を引き起こす男性ホルモンを抑える薬です。
前立腺細胞が増えなくなるので肥大をおこさないようになります。
しかし、服用をやめると再び肥大が始まります。

薬物療法で改善が見られない場合は手術で肥大した部分を取り除くことになります。
傷跡が比較的小さい内視鏡で対応可能な場合もあれば開腹が必要になる場合もあります。
肥大が軽度の場合は薬物治療での効果が見込めますので、手術をしなくて済むよう症状が進行する前に医療機関を受診し適正な治療を受けましょう。

高熱を伴う残尿感がある方は腎盂腎炎の可能性あり。すぐに医療機関へ!

腎臓は膀胱に尿を送り出すことで血液中の老廃物を体外に排出する役割があります。
通常は腎臓から尿管にかけて菌は存在しませんが、菌が腎臓まで到達し炎症をおこし腎盂腎炎を発病します。
腎臓の機能が低下すると血液中の老廃物を体外に排出できなくなり身体に毒素が溜まるので重症化すると命に危険が及ぶ場合もあります。
気になる症状があれば迅速に医療機関を受診してください。

〈腎盂腎炎の原因〉
腎盂腎炎とは腎臓に菌が入り炎症を起こしている状態です。
尿道→膀胱→尿管を通って腎臓内の腎盂という尿を貯める部分まで菌が運ばれ繁殖し炎症をおこします。

〈腎盂腎炎の症状〉
・背中や腰の痛み
腎臓は身体の背中側にあるので炎症が悪化すると腰あたりに痛みが生じます。
腎臓は左右合わせて2つありますが同時に両方の腎臓で腎盂腎炎を発症する可能性は非常に低いので痛みを感じるのは左右どちらかです。
膀胱炎と同様に排尿時痛もあります。

・高熱
残尿感がある他の病気との違いは高熱です。
軽度の場合微熱程度ですが、重症だと40度近くの高熱が持続する場合があります。
高熱に伴って倦怠感や悪寒、吐き気が生じることもあります。

〈腎盂腎炎の検査〉
・血液培養検査
腎盂腎炎が重症化し腎臓の機能が低下すると腎臓の菌が血液中に入り敗血症になることがあります。
敗血症になると全身の血液に菌が運ばれ臓器障害が起こるので命に関わります。
血液培養検査では血液を培養して血中に菌がいるか調べることで大腸菌が見つかれば腎盂腎炎の可能性が非常に高いです。

・腹部エコー検査
腎臓をエコーで確認することで腫れや膿の有無を確認します。

〈腎盂腎炎の治療法〉
軽度の場合は通院して抗生剤の服用や点滴の投与ですが、高熱が持続しているような重度の場合は入院して数種類の抗生剤の点滴を投与することになります。

重症化すると生命に関わる腎盂腎炎は早期の治療開始が望ましいので、少しでも不安に感じる場合は内科や泌尿器科を受診してください。

残尿感を放置していたら血尿が出た!その症状膀胱がんかも?

喫煙者が発症しやすいという情報がある膀胱がんですが、その患者の80%が60際以上と高齢の方に多い癌です。
尿を貯める役割と一定量溜まったら尿意を感じる役割を持っている膀胱の癌になると、どのような症状が出るのか、膀胱の温存は可能なのか解説していきます。

〈症状膀胱がんの原因〉
最も多い原因は喫煙です。
これはタバコの発癌性物質が全身を回った後に膀胱に溜まることで、膀胱の粘膜に接触するためです。
膀胱は老廃物が集まる場所なので喫煙歴が短い方が膀胱がんのリスクが低くなります。

〈症状膀胱がんの症状〉
・血尿
膀胱炎のように残尿感、排尿時痛、血尿の症状が出ます。
膀胱炎との違いは抗生剤を服用しても改善が見られないことです。
処方された抗生剤を飲みきっても症状が改善していなければすぐに再診を行いましょう。

・背部痛
癌が進行し尿管を塞ぐと排尿ができなくなり痛みが生じます。
転移を起こすとさらに痛みを感じる範囲が広がります。

〈症状膀胱がんの検査〉
・膀胱鏡検査
内視鏡で直接膀胱内を確認します。
癌の大きさや形などが分かります。

・TURBT
膀胱の腫瘍を切除し顕微鏡で確認します。
癌の種類や進行度合いが分かります。

〈症状膀胱がんの治療法〉
・腫瘍切除
癌が粘膜とその下の組織に留まっている場合、全て切除すれば治療は完了で、膀胱を温存することができます。

・放射線と抗がん剤
腫瘍が深くまで広がっている場合はこの治療を行います。
治療の効果がでて腫瘍が小さくなり切除できれば膀胱は温存できます。

癌は少しでも進行する前に治療を開始することで重症化を食い止められる病気です。
異変を感じたら内科か泌尿器科を受診しましょう。

まとめ【残尿感が教えてくれる様々な病気を知ろう!】

今回は残尿感から推測できる病気についてお話ししました。
膀胱炎など軽度なものは自然に治ることもありますが、悪化を防ぐために早い段階で医療機関を受診しましょう。

  • 残尿感とは:尿が出切っておらず残っている感じ。実際に膀胱に残っている場合もある。
  • 膀胱炎:症状(排尿時痛、血尿、尿の濁り)治療法(抗生物質)
  • 過活動膀胱:症状(尿意切迫感、夜間頻尿)治療法(行動療法、抗コリン薬、電気刺激治療)
  • 前立腺肥大症:症状(頻尿、排尿遅延、尿勢の低下)治療法(α1受容体遮断薬、抗男性ホルモン薬)
  • 腎盂腎炎:症状(背中や腰の痛み、高熱)治療法(抗菌薬、点滴)
  • 膀胱がん:症状(血尿、背部痛)治療法(腫瘍切除、放射線と抗がん剤)

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