股関節ストレッチが身体に良いって知ってました?健康になれる股関節ストレッチの方法を解説
最近、股関節をストレッチすることで健康になる、と注目が集まっています。股関節は体の中心部分にあたり、怪我の予防をはじめ、多くのメリットがあります。そこで、今回は股関節ストレッチのメリットを紹介し、効率よく行える股関節のストレッチの方法を詳しく解説していきます。
この記事の目次
股関節ストレッチのメリットはなんだろう?
股関節のストレッチを行うメリットとして、
①姿勢が良くなる
②腰痛予防になる
③代謝が良くなる
の3つがあります。
股関節ストレッチのメリット|①姿勢が良くなる
特にデスクワークが多い方などは猫背になりやすくなります。
姿勢が悪くなると、格好が悪いですし、だらしなく見えてしまいます。
また猫背になると、自然と自信ややる気がなくなってしまい、精神的に落ち込みやすいと言われています。
その猫背を良くするためには、股関節をストレッチすることが効果的です。
背骨は、股関節を土台として、電柱のようについています。
その背骨が曲がってしまったり、倒れたりしないように、根元に非常に重要な大腰筋と呼ばれる筋があります。
ですが、この大腰筋になんらかの異常が生じると、ピンとした良い姿勢が保てず、背中が丸くなってしまいます。
例えば、筋の短縮があります。
悪い姿勢で長時間座っていると、筋肉の長さが縮まるため、筋肉が伸びなくなります。
筋肉は伸びる→縮むが1セットで働くことで、血液を循環させたり、疲労物質を全身に流してくれています。
この1セットに破綻が生じると、痛みが出たり、血液の流れが悪くなるという体への影響があります。
この短縮している筋肉をストレッチすることで、筋の長さや弾力が回復し、姿勢を改善させてくれます。
股関節ストレッチのメリット|②腰痛予防になる
股関節をストレッチすることで腰痛予防にも繋がります。
人間の身体は、各部位が助け合いながら動くように成り立っています。
どこかの動きが悪くなると、他の部位がかばうように頑張って動きます。
このかばって、頑張った部分に痛みが出現することが多くあります。
例えば、立位から膝を伸ばして前に屈む動作を想像してください。
下に落としたものを拾う動きですね。
この動きの時、股関節と腰がほとんどの同じ割合で曲がるのが正常な動きとされています。
ですが、股関節の動きが悪くなった場合、股関節の動きの悪さを腰がかばうように動き、頑張って腰が動いてくれたことで腰に痛みが出てしまいます。
つまり、動きが悪くなった関節が痛くなるのではなく、それをかばって頑張る部分に痛みが出現すると言うことです。
そのため、股関節をストレッチし、柔軟性を高めることで腰痛予防にもつながるのでお勧めです。
股関節ストレッチのメリット|③代謝が良くなる
姿勢が悪くなると、偏った筋の使い方になってしまいます。
猫背になるとお腹の筋肉は働かず、背中の筋肉ばかり働いてしまいますが、全身満遍なく筋肉が働くことで、血流が良くなり、代謝も向上します。
ある特定の部位が過剰に働くと、筋肉は硬くなって血流が滞り、代謝が落ちていきます。
反対に、姿勢を良くすることで、筋肉を満遍なく使えるようになり、代謝を上げることが出来ます。
また、偏った筋肉の使い方をしていると、インナーマッスルの筋力低下を引き起こします。
インナーマッスルとは、身体の奥深くにある筋のことを指し、比較的血管が豊富で、持久力に富むと言われています。
一方、アウターマッスルは表層にある筋を指し、血管分布が少ないとされています。
正しい、良い姿勢をしていると、インナーマッスルが活性化され、代謝の向上に繋がるようになっています。
ストレッチを行う際の注意ポイント
ストレッチを行う際の注意ポイントは、
①正しいフォームで行う
②痛みのない範囲で行う
③ストレッチ時間のかけすぎ注意
の3つです。
股関節ストレッチの注意点|①正しいフォームで行う
目的とする筋肉を正しくストレッチする為には、適切な関節の向きや角度に設定する必要があります。
関節の向きや角度が少しずれてしまうだけで、筋肉が伸ばされなかったり、痛めてしまうことに繋がるからです。
ストレッチをする際は、必ずどこの筋肉が伸ばされているかを意識し、しっかりと伸ばされている感覚を持ってストレッチするようにしましょう。
股関節ストレッチの注意点|②痛みのない範囲で行う
筋肉には自己防衛システムが備わっています。
筋肉自身で筋肉を守る働きのことです。
どういう意味かと言うと、筋肉の中には筋肉がどの程度伸ばされているかを感じ取るセンサーがあります。
関節が動きはじめると、筋肉が引き伸ばされ、その伸ばされ具合をセンサーが感じ取ります。
そうすると、まだまだ伸ばせるよ、もうこれ以上伸ばせないよ、などのように筋肉自身に働きかけてくれるようになっています。
つまり、必要以上に伸ばされると、「それ以上伸ばされると切れちゃうからやめて!」と、筋肉を硬くしてしまうのです。
痛ければ痛いほど効果があるんでしょ!と、勘違いされている方も多いですが、ストレッチに関しては痛みが出るほど行うのは禁物です。
筋肉を柔らかくしようと思ってストレッチしているのに、痛みが出るほど行ってしまうと筋肉が硬くなってしまうのですから本末転倒です。
股関節ストレッチの注意点|③ストレッチ時間のかけすぎ注意
筋肉が硬くなっているからストレッチをするのですが、もっと深読みすると、筋肉が硬くなっているのにも理由があると言うことが考えられます。
筋肉の役割は関節の運動です。
筋肉が収縮することで、肘を曲げたり、膝を伸ばしたり、関節が動き、運動が行われるようになっています。
関節に障害が起こると、関節をなるべく動かさないように、固定するように筋肉が硬くなることがあります。
これを「防御性収縮」と言い、この場合は無理に動かすことは避けなくてはいけません。
筋肉に防御性収縮が起こり、関節を守っている場合は、積極的なストレッチは避ける必要があります。
見極めるポイントとして、安静時痛があります。
動かす前から関節や筋肉に痛みがある場合は、防御性収縮によるものを疑いましょう。
また、一度のストレッチで必要以上に筋肉をストレッチするのも控えたほうが良いです。
先程同様に関節を守ってくれている場合もあるので、日にちをかけて徐々に筋肉をストレッチするように注意しましょう。
仰向け・座位・立位などの態勢別に股関節ストレッチの方法を紹介
実際に股関節ストレッチの方法を仰向け、座位、立位、その他で紹介します。
上記の注意点をよく理解し、効率的なストレッチを心がけて行ってください。
仰向けで行う股関節のストレッチ
<腰ねじり>
①仰向けで片方の手で膝を押さえ、もう一方の手は横に広げ、リラックスする。
②この状態で呼吸を止めずに10秒保持
注意点:両方の肩が床から浮かないように気をつけましょう。
<膝裏伸ばし>
①仰向けとなり、片方の膝裏を両手で抱える。
②膝を曲げた状態で、太ももが床と90度程度曲がる位置まで持ち上げる。
③そこから膝を無理なく伸びるところまでゆっくり伸ばす。
④7〜8秒かけて伸ばし、7〜8秒かけてゆっくり下ろす。
注意点:なるべく勢いをつけずに滑らかに動かすように心がけましょう
<タオル足上げ>
①両手でタオルを持ち、仰向けになる。
②足裏にかけて太ももの裏を伸ばすようにタオルを引っ張る。
③この状態で呼吸を止めずに10秒保持
注意点:膝の曲がらない程度のところまで無理なく持ち上げましょう
<両膝抱え>
①仰向けになり、両膝を両手で抱えるようして体を丸める。
②この状態で呼吸を止めずに10秒保持
注意点:腰だけでなく背中全体が丸くなるように心がけましょう
<片膝抱え>
①仰向けになり、片方の膝を胸に近づけるように手で引き寄せる。
②この状態で呼吸を止めずに10秒保持
注意点:抱えてない方の膝が床から浮かないように気をつけましょう
<殿筋伸ばし>
①仰向けになり、あぐらをかくように片方の足を反対側の太ももに乗せる。
②その状態から、乗せた足が胸に当たるように手で引き寄せる。
③この状態で呼吸を止めずに10秒保持
注意点:あぐらをかくようにかけた方の膝をなるべく広げるよう心がけましょう。
座位で行う股関節のストレッチ
<腰かがめ>
①椅子に腰掛け、足を広めに開く。
②なるべく背中が丸くなるように前に屈む。
③この状態で呼吸を止めずに10秒保持
注意点:腰だけでなく、股関節から折りたたむように体を屈めましょう。
<腰捻り>
①椅子に腰掛け、片方の手を反対側の太ももにかける。
②もう一方の手で背もたれを持ち、後ろに捻るように身体をひねる。
③この状態で呼吸を止めずに10秒保持
注意点:腰だけ捻るのではなく、目線も後ろを向くようにして、なるべく体全体を捻るように心がけましょう。
<殿筋のばし>
①椅子に腰掛け、片方の足をもう一方の太ももに乗せる。
②背筋を伸ばした状態から胸が足に近づくように体を屈める。
③この状態で呼吸を止めずに10秒保持
注意点:背中をなるべく伸ばし、良い姿勢を維持したまま股関節から折りたたむように屈めましょう。
立位で行う股関節のストレッチ
<太もも伸ばし>
①立位をとり、支持できる物に捕まる。
②片方の足を持ち、踵をお尻につけるように膝を曲げる。
③この状態で呼吸を止めずに10秒保持
注意点:バランスを崩して転倒しないように周囲に気をつけながら行いましょう。また、体を曲げてしまうと効率よくストレッチすることができなくなるので、腰をしっかりと直立させた状態で行うよう気をつけましょう。
<四股踏み>
①足を大きく広げ、膝が90度程度曲がるように腰を落とす。
②この状態で呼吸を止めずに10秒保持
注意点:膝をなるべく広げ、爪先と膝が同じ方向に向くように注意しながら膝を曲げていきましょう。
<壁背中反らし>
①壁に向かって立位をとり、両手を真上に伸ばし壁につける。
②腕、顔をなるべく壁から離さないように気をつけながら、腰をゆっくりおろしてく。
③無理のないところまで腰を落としたら、この状態で呼吸を止めずに10秒保持
注意点:腕、顔をなるべく壁から遠ざけないように注意し、お尻が後ろに引っ張られるような感覚で行いましょう。
<肩伸ばし>
①机のような支えられるものの前に立つ。
②膝、背中を伸ばしたまま、股関節から曲げるようにしてストレッチする
注意点:背中をしっかりと伸ばし、肩からお腹にかけて、体の前側を伸ばすようにして行うようにしましょう。
その他の股関節のストレッチ
<太ももお尻ストレッチ>
①正座から横坐りとなり、お尻を床に落とす。
②膝の角度は90度程度にし、胸を床につけるようにして、前に屈む。
③この状態で呼吸を止めずに10秒保持
注意点:骨盤が外側に開かないよう注意しながら行いましょう。
<猫のポーズ>
①四つ這いになり、両手、両膝の間は肩幅くらいに広げる。
②お臍を天井に持ち上げるようにして背中を丸め、5秒程度保持。
③次にお臍を地面に近づけるように背中を反らし、5秒程度保持。
注意点:腰だけで動かすのではなく、背中全体を使って動かすように心がけましょう。
股関節ストレッチをする際に便利なアイテム4選
股関節ストレッチをする際に便利なアイテム4選をご紹介します。
股関節ストレッチをする際に便利なアイテム①ストレッチポール
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ストレッチの補助やバランストレーニングにも利用できるストレッチポール。素材が傷みにくく、硬すぎず柔らかすぎない素材の為、とても気持ち良く使用することができます。
股関節ストレッチをする際に便利なアイテム②開脚ストレッチャー
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開脚ストレッチを行う際にとても便利なアイテムです。自力で行おうとすると、十分ストレッチすることができなかったり、力が入ってしまったりと、効果的なストレッチが行いづらくなってしまいます。このアイテムは開脚した足を支え、機器を手で引っ張ることで身体が前屈しやすくなるといったアイテムです。
股関節ストレッチをする際に便利なアイテム③ヨガクッション
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股関節のストレッチの時にはもちろんのこと、枕やクッションとしても日常生活で使用することができるアイテムとなっています。
股関節ストレッチをする際に便利なアイテム④ヨガマット
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堅い地面でストレッチを行うのはお勧めできません。堅い地面ですと、知れずと力が入ってしまい、筋肉が硬くなってしまいます。こちらのアイテムを使用することで、リラックスした状態でストレッチを行うことができ、効率よくストレッチを行うことができます。
股関節の動きに影響がある筋はなんだろう?
<腸腰筋>
股関節の付け根から背骨に向かって付いている筋肉。良い姿勢を維持するときに重要な筋肉
<大腿四頭筋>
太ももの前側にある膝を伸ばすときに働く筋肉。年を重ねるにつれて、一番筋力が低下しやすい筋肉
<ハムストリングス>
太ももの裏側にある膝を曲げるときに働く筋肉。椅子から立ち上がるときなどに重要な筋肉
<内転筋>
太ももの内側にある、歩くときに膝を安定させてくれる筋肉
<大殿筋>
お尻の後ろにある筋肉。椅子から立ち上がるときなどに重要な筋肉
まとめ【効果的な股関節のストレッチはメリットがたくさん!】
- 股関節ストレッチのメリットは姿勢の改善・腰痛改善・代謝の向上などがある
- 股関節ストレッチは間違ったフォームで行うと逆効果になるので、正しいフォームで行うことが大切
- 股関節ストレッチを手助けしてくれる、アイテムを使うとより効果的