便秘解消の秘訣は〇〇にあり!便秘は予防して快適な生活を送ろう

便秘になると、お腹が張ったり痛みが出たりするだけでなく、溜まった便から有害物質が発生して体に様々な悪影響を及ぼすので、注意が必要です。

便秘の解消・予防には、運動や食生活・生活習慣の改善が必要不可欠です。

人によっては肌荒れを起こしたりイライラしたりすることもあるので、便秘はできるだけ予防に努めましょう。

便秘を早く解消したい!便秘の原因は何?

便秘を早く解消したい!便秘の原因は何?

便秘になるとお腹が張って苦しかったり、下腹がポッコリと出ておしゃれを楽しめなかったりすると思います。

多くの人は「便秘=便秘薬」と思っていると思いますが、便秘薬は使い方を間違えるとかえって便秘を悪化させることがあるので注意が必要です。

一口に便秘と言っても、症状や原因は人それぞれなので自分に合った解消法を見つけることが大切です。

ここでは便秘の原因についてお話していきますので、自分の便秘のタイプを知って正しい対処をしましょう。

<その① 弛緩性便秘>

大腸の蠕動運動(腸が波打つように動いて便を送り出す働き)が低下することで起こる便秘が弛緩性便秘です。

蠕動運動が低下して大腸の中に便が停滞している時間が長くなると、水分が多く吸収されて便が硬くなり便秘を引き起こします。

日本人の便秘の中で最も多いのがこの弛緩性便秘で、便意があってもすぐに排便しない人や、便意があっても我慢する癖のある人に多くみられます。

中でも、高齢者ややせ型の女性、寝たきりの人に多いのが特徴です。

<その② 直腸性便秘>

便が直腸まで押し出されているのに、直腸の神経が鈍くなっていて便意が生じないことが原因で起こるのが直腸性便秘です。

直腸まではスムーズに便が下りてきますが、便意を感じないために水分が過剰に吸収されて便が硬くなったり、腹筋力が低下していることで便を出す力が弱いことなどが原因になります。

<その③ けいれん性便秘>

副交感神経が過度に興奮することで腸管が緊張し、大腸内で便がうまく運ばれずにコロコロとした小さな便になるタイプがけいれん性便秘です。

生活習慣の乱れやストレスによる自律神経の乱れが原因になっていることが多く、中には便秘と下痢を繰り返す人もいます。

<その④ ダイエットが原因の便秘

ダイエットで過度な食事制限をすると、単純に「食べるものが減る=出るものが減る」ことで便秘になりやすくなります。

また、カロリーを抑えるために油分を極端に減らすと、便の通りが悪くなり便が出にくくなります。

ダイエット中でも、体調面を考えて栄養バランスの良い食事を摂ることが重要になります。

便秘解消の秘訣は「腸内環境」を整えること!

便秘解消の秘訣は「腸内環境」を整えること!

腸内には細菌がおよそ3,000種類、100兆個も存在しているといわれています。

細菌は作用や体に与える影響により

  • 善玉菌
  • 悪玉菌
  • 日和見菌

の3つに分けられ、これらは体の健康に大きく影響しています。

ここでは3つの腸内細菌について簡単に説明しますので、頭に入れておくと良いと思います。

<悪玉菌とは>

悪玉菌は、腸内の内容物を腐らせて有毒物質を生成し、血液に乗って体内を巡ります。

腸内の悪玉菌が増えると、腸の動きが鈍くなって便秘になりやすくなります。

また、発がん性物質を産生するなど病気の引き金となりうるので、悪玉菌は増やさないようにしましょう。

<善玉菌とは>

善玉菌は悪玉菌の侵入や増殖を抑制働きがあります。

また、免疫力を高めたり腸の運動を促進したりする働き、発がん性物質を分解する働きもあるので、健康を維持するうえでとても大切な細菌です。

便秘を解消させたい場合は、この善玉菌を増やす必要があります。

<日和見菌とは>

日和見菌は、その時その時で働きが変わる細菌で、全体の数でいえばこの菌が大多数を占めます。

悪玉菌が優勢の時は悪玉菌の味方をしますが、悪玉菌が減ると大人しくなります。

腸内環境の良し悪しで善と悪どちらにもなりうる細菌なので、腸内環境を良好に保つことが重要になります。

便秘を解消させるためには、腸内環境を整えることがとても重要なポイントになります。

  • 食生活の乱れ(タンパク質、動物性脂質の多い食事)
  • ストレス
  • 加齢

などにより、悪玉菌が優勢になりやすくなります。

悪玉菌が優勢にならないように、バランスの良い食生活やストレスを溜めない生活を心がけましょう。

便秘解消法① まずは食生活を改善しよう

便秘解消法① まずは食生活を改善しよう

便秘解消には、バランスの良い食生活・腸内環境を整えるための食生活が欠かせません。

ここでは腸内環境を整える方法についてお話していこうと思います。

<その① 十分な水分摂取>

成人の1日の水分排出量は、尿や便から約1.5L、呼気や汗から約1L、計2.5Lにもなると言われています。

食事から摂取する水分が1L、体内で作られる水分が0.3L程度なので、飲み水として1.2L以上の水分が必要になります。

できれば毎日1.5~2Lは摂取するように心がけましょう。

便秘解消のためには、目覚めてすぐに1杯、就寝前に1杯の水を飲むと効果的です。

目覚めの1杯は消化管の動きを促進する働きがあるといわれているので、積極的に飲むようにしましょう。

十分に水分を摂取すると、硬くなっていた便が柔らかくなり、排便がスムーズになります。

<その② 食物繊維が豊富な食事を>

食物繊維は野菜類、穀類、豆類などに多く含まれていますが、不溶性食物繊維よりも水溶性食物繊維の方が不足しやすいと言われています。

食物繊維が豊富に含まれている食材は、水溶性食物繊維よりも不溶性食物繊維を多く含むものが多いため、意識して水溶性食物繊維を摂取するようにしましょう。

便秘解消にはゴボウやサツマイモなどが効果を発揮すると良く言われますが、これらには不溶性食物繊維が多く含まれています。

不溶性食物繊維ばかりを摂取しているとかえって便秘を悪化させることがあるので、水溶性食物繊維もバランスよく摂取することが必要です。

  • 不溶性食物繊維

不溶性食物繊維とは、水に溶けずに腸の中で水分を吸収して膨らみ、便の容積を増やして腸の蠕動運動を促進する効果があります。

食材としては、

  • 穀類
  • 豆類
  • きのこ類
  • いも類
  • 野菜
  • 果物

などの、ボソボソ・ザラザラしたものに多く含まれています。

  • 水溶性食物繊維

水溶性食物繊維とは、水に溶ける性質を持ち、腸の中でゲル状に変化して腸内のコレステロールを吸着して便と一緒に体外へ排出する働きがあります。

食材としては、
・海藻類
・大麦
・こんにゃく
などの、ネバネバ・ヌルヌルしたものに多く含まれています。

白米を大麦に変えてみたり、野菜の総摂取量を増やしたり、豆類や海藻類を多く摂ったりなど、食事の内容に少しの工夫を加えることで食物繊維の摂取量を増やすことが可能です。

どちらも摂取しすぎると下痢を引き起こす可能性があるため、過剰な摂取は控えて自分に適した量を調整して摂取するように心がけましょう。

<その③ 発酵食品、乳酸菌>

先ほどお話した「腸内細菌」ですが、健康的なバランスとしては善玉菌20%:日和見菌70%:悪玉菌10%が理想とされています。

このバランスを保つためには、外部から良い菌を補給し、良い菌を育てなくてはなりません。

発酵食品には乳酸菌をはじめとする善玉菌が豊富に含まれているので、便秘解消のためにも日々の食事に積極的に取り入れましょう。

腸内環境を整えるだけでなく免疫力を高める効果もあるので、病気の予防にもつながります。

食事に取り入れやすい食材としては、

  • 納豆
  • チーズ
  • 味噌
  • ヨーグルト
  • ぬか漬け

などがあります。

 

便秘解消法② 運動・マッサージを取り入れる

便秘解消法② 運動・マッサージを取り入れる

日本人に多い弛緩性便秘の原因は「運動不足」にあります。

運動不足により体力や筋力が低下すると、腸の蠕動運動が低下したり便を押し出す力が弱くなったりするので、普段から適度な運動を行うことが大切です。

ここでは便秘解消につながる運動やマッサージ法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

便秘が解消しても継続して行えば、その後の便秘予防にもつながりま

す。

<簡単にできる「腹筋運動」>

腹筋の力が弱いと、便を押し出す力が弱くなるだけでなく、腸の緊張が低下して蠕動運動も弱くなります。

便秘解消のためには腹筋を鍛えて胃腸の働きを促進させる必要があります。

  • やり方
    1、仰向けになって両手を頭の後ろで組みます。
    2、膝を立ててつま先を見るように、ゆっくりと少し頭を起こします。
    3、そのまま5秒キープし、頭を元の位置に戻します。
    4、これを10回繰り返します。
    腹筋を意識して、ゆっくりと息を吐きながら行うのがポイントです。

負荷の高い腹筋運動を行う必要はないので、適度に腹筋を鍛えましょう。

寝る前や起床してすぐに布団の上でできるので、毎日継続して行うようにしましょう。

<腹部をマッサージする>

大腸は、結腸→上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸と分けられますが、この曲がり角は便が滞りがちです。

便秘解消のためには、皮膚の上からダイレクトにこの部分を刺激して腸の機能を上げましょう。

  • やり方
    1、左手で左の肋骨の下、右手で右の腸骨辺りをつかんで揉みます。
    2、反対側も同様に揉みほぐします。

腸の四隅を意識して、ゆっくりと揉みほぐすのがポイントです。

<全身運動も忘れずに>

腹筋を鍛えたり腹部をマッサージするのも効果的ですが、便秘解消のためにも普段から体を動かすことも忘れないようにしましょう。

気候の良い季節にはバスを使わずに歩いたり、会社や学校ではエレベーターではなく階段を使ったりなど、適度な全身運動も大切です。

ウォーキング、ジョギング、水泳、ヨガなどを無理のない程度に取り入れて、継続して行うように心がけましょう。

頑張りすぎると続きませんから、自分に合った運動を楽しく行うことが継続のカギになります。

また、ストレスが溜まっていると交感神経が優位になり腸の蠕動運動が低下するので、リラックスして副交感神経を優位にしましょう。

深呼吸は副交感神経働きを高める効果があるので、運動やマッサージの前に深呼吸をしてリラックス状態で取り組むことで効果を上げることができます。

便秘解消法③ 不規則な生活習慣を改善する

便秘解消法③ 不規則な生活習慣を改善する

生活のリズムが乱れるとそれがストレスとなって交感神経が優位になり、便秘になりやすくなります。

便秘を解消させるためには、食事の内容や運動・マッサージだけでなく、不規則な生活習慣を見直さなくてはなりません。

<食事のリズムを整える>

朝食を抜く人は結構多いと思いますが、3食きちんと摂らないと腸の動きが鈍くなって便秘を起こしやすくなります。

夜更かしをすると朝の目覚めが悪くなって朝食を抜きがちになるので、早寝早起きを習慣にしましょう。

朝食を摂ると体温や血糖値が上がって体が目覚めるので、「目覚めが悪くて朝食が食べられない」という人も、朝食を摂ることで体をしっかりと覚醒させることができます。

シフト勤務などで食事の時間が毎日バラバラになる人もいるかもしれませんが、便秘解消のためにはできるだけ毎日同じ時間に食事をするようにしましょう。

出勤時間が遅いからといってお昼近くまで寝るのはやめ、毎日同じ時間に起きるようにするなど生活のリズムを整えることで食事のリズムも整えやすくなります。

<規則正しい排泄リズム>

便意があるのに我慢していると、便が硬くなって出にくくなったり直腸の神経が鈍くなって便意を感じにくくなったりするので、便意がある時は我慢しないことが1番です。

朝起きたら必ずトイレに行く、食後には必ずトイレに行くなど、便意がなくても決まった時間にトイレに座る習慣をつけましょう。

外出先や職場で排便するのが恥ずかしいと思っている人も多いと思いますが、排便は生理現象であって恥ずかしいことではありません。

トイレ後の臭いが気になる人は、携帯用の消臭スプレーがおすすめです。

便秘になると肌荒れや口臭などの良くない症状も併発するので、便意は我慢せずに排泄リズムを整えましょう。

<無理なダイエットは避ける>

無理なダイエットは、生活習慣や食生活が乱れる原因になります。

また、ストレスが溜まるほどの過度なダイエットは、便秘を引き起こすだけでなく精神的な面にも悪影響を及ぼします。

ダイエットをするときは、生活習慣や食生活のことも考えて行うようにしましょう。

まとめ【便秘を解消して美容と健康を手に入れよう】

便秘解消の秘訣は〇〇にあり!便秘は予防して快適な生活を送ろう

  • 日本人に多い便秘の原因は運動不足
  • 便秘解消には、食生活の改善が重要
  • 水分、食物繊維、発酵食品、乳酸菌をしっかり摂ろう
  • 運動やマッサージを取り入れよう
  • 無理なダイエットは避けよう

便秘の解消・予防は、便秘に伴って起こる様々な症状の解消・予防にもつながります。

食生活や生活習慣を改善し、適度な運動を取り入れて腸を健康に保ちましょう。

自分に合ったやり方が見つかれば幸いです。

一酸化窒素は柔軟な血管を作る!一酸化窒素の生成を増やし健康な生活をおくろう

大気汚染などの原因といわれる「一酸化窒素」ですが、体内では重要な役割をもつ物質であることをご存知でしたか?

一酸化窒素には心臓から送り出された血液を各所に運ぶ重要な血管に柔軟性を持たせるという大切な役目があります。

この記事では一酸化窒素の生成を保ち健康な生活を送る方法をご紹介いたします。

体内で生成される「一酸化窒素(NO)」とは?

一酸化窒素(NO)とは

空気中に存在する窒素と酸素が結合した「一酸化窒素」は燃焼ガスや排気ガスなどに含まれていて、変化したのちに高化学スモッグや大気汚染の原因となるため、みんなから嫌われている物質です。

しかし体内で自然に生成される一酸化窒素は、排気ガスに含まれる人工的につくられた一酸化炭素とは違い身体の中で重要な役割を担っている健康を維持するための好まれる物質なのです。

一酸化窒素が体内でどんなシステムで働き、健康な身体を維持するのに役立っているのか、一酸化窒素の量が減ると身体にどんな悪影響が出るのかをご説明してまいります。

一酸化窒素が減ると血管が固くなり病気のリスクが高くなる

一酸化窒素が減ると血管が固くなり病気のリスクが高くなる

みなさんは「動脈硬化」という病気の名前を聞いたことがあると思います。
「動脈」は心臓から送り出される血液を身体の各所に送る血管であり、「静脈」は反対に身体の各所から使用後の血液を心臓に送り届ける血管です。

動脈硬化は、心臓から送り出される新鮮な血液を送る大事な血管が硬くなってしまうことです。
血液の流れは一定でなく、立ち上がったり運動をすると血流が増え、睡眠中などは安定したゆっくりとした血流です。
このように血液の流れの変化に対応するためには、柔軟性のある血管が必要なのです。

血管が硬くなると血液の中にあるコレステロールなどの脂分が血管に吸着して血管を細くして血の流れを悪くしてしまいます。
また血管自体が弱くなってしまい、壊れやすくもなります。
動脈硬化が進行すると、日本人に多い病気である「狭心症」「心筋梗塞」などの病気や、「脳卒中」などの脳内の重大な血管の病気になることも多くあり、突き詰めると体内で作られる一酸化窒素が減ることにより血管に柔軟性がなくなることから発症することが多いと考えられているのです。

血管を柔らかくする一酸化窒素

血管を柔らかくする一酸化窒素

血管を柔らかくする一酸化窒素は身体の中でつくられます。
その体内でつくられた一酸化窒素は、心臓から運ばれる新しい血液の道である動脈に影響を与えます。
動脈は3層構造になっていて、血液が直接流れる内膜とそれを包む中膜と最も外側にある外膜で構成されています。

真ん中にある中膜には平滑筋という筋肉の繊維があり、この平滑筋によって血管は血流の流れによって柔軟に伸縮するようになっています。
ところがこの平滑筋が硬くなってしまい、柔軟に伸縮しないようになると、血液の流れが悪くなります。
これが、いわゆる動脈硬化のはじまりです。

一酸化窒素はこの平滑筋に作用して、筋肉の緊張をほぐし柔軟性のある血管をつくります。
つまり一酸化窒素の生成が増えることで、柔らかい血管をつくることができます。

この一酸化窒素を平滑筋に送るため生成の指令を出すのは最も内側にある内膜です。
ですから内膜が機能しなければ一酸化窒素は生成されず、結果的に血管は硬くなってしまいます。

この重要な役割を果たす内膜に障害を与えるといわれるのが「喫煙」「高血圧」です。
詳しい説明は省きますが、血管を健康に保つには、喫煙は避けるべきであり高血圧になる前に予防をしなければいけません。

ところで一酸化窒素が体内で多く生成されれば柔らかい健康な血管が維持できるということですが、どうすれば一酸化窒素のつくられる量を増やせるのでしょうか。

一酸化窒素は血流が多くなることに反応して、生成される一酸化窒素が増えて血流が少なくなれば一酸化窒素の生成は減少することが分かっています。
簡単に言えば、血流を増やせば一酸化窒素の生成は増えて柔軟な血管を手に入れられるのです。

おさらいしておきますが、一酸化窒素の生成量が減ると血管は硬くなり血液の流れが悪くなります。
血液の流れが悪いということは血流が減ることになりますから、一酸化窒素の生成が減って更に血管が硬くなり悪循環を繰り返すようになります。

こうならないように血流を増やして健康な血管を保つような努力が必要になります。
どのような努力をすれば健康な血管を維持できるのか、まずは血管が弱くなる仕組みからご説明し、効果的な取り組み方をご紹介してまいります。

加齢とともに生成量が減る一酸化窒素

加齢とともに生成量が減る一酸化窒素

血流は運動をすることで増えます。
年齢を重ねて運動量が減れば血流も悪くなり血管は硬くなっていきます。
また普通の筋肉と同じように血管の筋肉も年齢とともに柔軟性がなくなり、一酸化窒素の生成量も減っていくので血管の老化、つまり血管が弱くなっていきます。

30歳以上になると血液中のコレステロールが増えることが多く、一酸化窒素の生成を指示するはずの内膜に余計な脂分が付着してしまい、内膜の細胞が上手く機能しなくなります。

これらが加齢により一酸化窒素の生成量が減って血管が硬くなってしまう原因の一部分です。
このまま放置しておけば、前述のように悪循環が続き最悪の場合には動脈硬化をおこして心臓病や重大な血管の病気となります。
血管が硬くなる前に、しかりとした予防法をとっておきましょう。

一酸化窒素の生成量を維持する適度な運動

一酸化窒素の生成量を維持する適度な運動

一酸化窒素は血流が多くなることで生成量も増えるということはご説明いたしました。
そして運動をすることで血流が多くなることも既にお話ししています。
つまり運動をすることで一酸化窒素の生成を促し、健康な血管を維持できるのです。

ではどのような運動が良いのか、具体的な運動方法をご紹介いたします。

  • 階段の上り下り(踏み台をつくって上がって降りるのを繰り返すだけでもよい)
  • 軽いジョギングや散歩(足を使って歩く)
  • 手を強く握ったあとに緩める動作を繰り返す
  • 軽い腹筋を何度かして休む、という動作を繰り返す
  • つま先で立って2~3秒したら全身の力を抜く動作を繰り返す

5つの運動法をご紹介いたしました。

運動とまでいえないものもあります。
筋肉をほどほどに使い緩める動作をすることが大事です。
時間的には1日数分で結構ですし、回数も10回から20回程度でも十分です。
ただし、毎日行うようにしてください。
短い時間で良いので、毎日繰り返して継続して行うことが重要です。

また、激しい運動は逆に心臓や血管に負担をかけることになるのでひかえてください。
5つの運動のように無理なく簡単にできるもので十分です。
これらの運動は歩きながら同時に行えるものや、お風呂に入りながらできるものもあります。
身体と心に負担をかけないようにおこなってください。

特におすすめしたいのは、第2の心臓と呼ばれる「ふくらはぎ」の筋肉をつかった運動です。
つま先立ちして降ろすという簡単な繰り返しでも良い運動になります。
ウォーキングや軽いジョギングも、ふくらはぎの筋肉を使います。
運動する際にも「ふくらはぎの筋肉」や「腹筋」を使うことを意識して、筋肉を使ったあとに力を抜くことを意識して行いましょう。

豆知識『海女(あま)の人たちは血管年齢が若い!』

余談になりますが、海の深くまで潜り魚介類を採る「海女・あま」の人達の血管年齢が若いことは有名です。
長い時間を素潜りして漁をすることから、心肺機能が強いので当然だと思うかもしれません。
しかし理由は別なところにあります。海は深くなるほど水圧が高くなり身体にかかる圧力も大きくなります。
当然ですが血管にかかる圧力も強くなり平滑筋を直接刺激します。
加えて血管に圧力がかかるため血流に変化があらわれます。
そして水から上がったときには圧力から解放され血管は広がって血流が増えることになるのです。

これらを何度も繰り返すことで一酸化窒素の生成が増えます。
また平滑筋に直接作用することも影響して、ダブルで柔軟な血管をつくる状況ができるのです。

このように水の中の運動ということも体内の一酸化窒素を増やすのに良い方法といえます。
プールで泳いだり、プールの中を歩行するのも良いでしょう。
水の中では身体に負荷がかかりにくいので、ケガをせずに運動できます。

また運動ではありませんが、入浴も血流を良くします。
できれば熱いお風呂ではなく、身体に負担のかからない「ぬるま湯での半身浴」がおすすめです。
半身浴をゆっくりとしながら、手を握ったり開いたりの「グッパー運動」や、お腹に力を入れたり緩めたりの運動もすれば、相乗効果も期待できます。
リラックスして楽しみながら継続するようにしてみましょう。

一酸化窒素の生成量を維持する適切な食事

一酸化窒素の生成量を維持する適切な食事

難しい専門用語が使われるため、体内での一酸化窒素の生成の過程については触れませんでした。
食餌療法やサプリメントの使用のため覚えておきたい用語があるので、ここで簡単にご説明いたします。

「アルギニン」という言葉をサプリメントなどの成分で聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
体内で一酸化窒素が生成される際にかかわる物質です。

アルギニンは化学式で書くと「C6H14N4O2」になります。
これは「C・炭素」が6つと「H・水素」が14と「N・窒素」が4つと「O・酸素」が2つ結合した物質という意味です。

一酸化窒素は「NO」ですから、アルギニンの中に一酸化窒素の成分が含まれていることが分かります。
このアルギニンが体内ではシトルリン(化学式・C6H13N3O3)という物質に変化して、この時に一酸化窒素「NO」が生成されます。
シトルリンはまたアルギニンに変換されてこれを体内で繰り返して行われています。

少し難しいお話になりましたが、結論だけをいえば「アルギニン」を摂取することで一酸化窒素の生成を増やせるのです。
サプリメントの中には「アルギニン」を含んだものが多くあります。
「オルニチン」にも「アルギニン」が含有されています。
これらのサプリメントを採ることも1つの方法です。

一般の食事においても「アルギニン」を含む食材を採ることで一酸化窒素の生成を増やすことが可能です。
アルギニンを多く含む食材をご紹介いたします。

  • 赤肉
  • 鶏肉
  • 大豆や豆類
  • ナッツ

これらのものには「アルギニン」が含まれる代表的な食材です。

また一酸化窒素は不安定な物質で、酸素と結合して二酸化窒素(NO2)に変化しようとします。
体内にある酸素(特に免疫機能の調整をおこなう「活性酸素」)と一酸化窒素は結合しようとして、結合すれば無益な二酸化窒素にかわってしまいます。

そこで「抗酸化物質」を食事により摂取することで、一酸化窒素を保護することが可能です。
抗酸化作用のある栄養素は、「ビタミンC」や「ビタミンE」、「ポリフェノール」などが代表的なものです。

まとめると「アルギニン」や「シトルリン」はタンパク質の一種ですので、たんぱく質の豊富な食事を採るとともに、抗酸化作用のある栄養素の入った食材も同時に摂取することで、2倍の効果が期待できます。

※サプリメントの他に、コレステロールを下げる効果のある薬や、血圧を下げる効果のある薬剤も体内の一酸化窒素の生成を増やすといわれています。
内皮に作用して一酸化窒素を増やす指令を出す手助けができるとされています。

ただし運動に比べると効き目は少なめで持続性も短くなります。
サプリメントや薬剤の服用を続けることで一酸化窒素を増やす方向に近づけることはできますが、食餌療法とともに補助的な方法だと考えた方が良いでしょう。

軽めの運動を小時間だけ継続することで、食事や薬剤およびサプリメントよりも大きな効果ができることを覚えておきましょう。

軽い運動を毎日続けて体内の一酸化窒素を増やし健康な血管を手に入れよう

ここまで体内の一酸化窒素の生成量を増やして健康な血管を手に入れる方法をご紹介してまいりました。
一酸化窒素がからだの中でどんな役割をするのか、一酸化窒素によりどんな効果が期待できるのかなど、要約すると以下のようなことになります。

  • 健康な血管は健康なからだをつくる
  • 健康な血管とは柔軟性のある柔らかい血管
  • 柔軟性のある血管には「一酸化窒素」が必用
  • 体内でつくられる「一酸化窒素」は加齢とともに減少する
  • 喫煙は「一酸化窒素」の生成をさまたげて血管の劣化をまねく
  • 体内で生成される一酸化窒素を増やすにためは適度な軽い運動とタンパク質の多い食事が効果的

丈夫な血管とは柔軟性のある血管で、その柔らかい血管をつくるのが「一酸化窒素」です。
ご紹介しました方法で加齢による血管の劣化を止めて、健康な血管を手に入れ健康で楽しい生活を送ってください!

にんにくの栄養、効能は?にんにくに秘められたパワーとそれを生かす調理法

皆さんは、「にんにく」といわれて何を想像しますか?

においがきつい?
体に良い?
元気が出る?
吸血鬼はにんにくが苦手?

一般的にぱっと思いつくのはこの辺りではないでしょうか。

にんにくには、さまざまな効果があるといわれています。
今回は、にんにくの歴史からレシピまで幅広くお話ししていきます。

【にんにくの歴史】にんにくはいつ頃から食べられている?

【にんにくの歴史】にんにくはいつ頃から食べられている?

にんにくの歴史についてお話しする前に、にんにくとは一体何なのかについてから話していきましょう。

Wikipediaによると、にんにくとはヒガンバナ科ネギ属の多年草とのことです。
漢方薬の生薬名は大蒜(たいさん)で、その語源は困難を耐え忍ぶという意味の仏教用語の「忍辱」とされています。

にんにくの原産地は中央アジアの中国と地中海を結ぶあたりではないかと考えられています。
そこから中国へと伝わり、そして朝鮮から日本へ伝わったとされています。
しかし、その歴史は古代メソポタミアまでさかのぼるのではないかともいわれています。

古代エジプト人、ギリシア人もにんにくを好んで食べていたようです。
また、にんにくには61の薬効があることがローマ人の歴史家大プリニウスの「博物誌」の中でも書かれています。
そして、「医学の父」と称されるヒポクラテスもまたにんにくには医学的にも有効だとしていたようです。
彼は、にんにくを利尿薬として処方していました。
さらには、にんにくには呼吸を楽にし、傷を治す効果があると教えていたようです。

そして、にんにくは古代より悪を追い払う魔法の力があるとされてきました。
そのため、吸血鬼を追い払う道具としてにんにくは使われてきました。
さまざまな所以があり、現在も解明されていません。

南、中央アジアでは、にんにくはてんかんから寄生虫やリウマチまで、あらゆる病気を治すとされていました。
日本には8世紀ごろにはにんにくは伝わっていたようです。
「古事記」「日本書紀」「源氏物語」にもすでににんにくの記載があったとのことです。

にんにくの歴史は長いことがわかっていただけたかと思います。

【にんにくのもつ栄養】にんにくに含まれている成分とは?

【にんにくのもつ栄養】にんにくに含まれている成分とは?

次は、にんにくのもつ栄養についてお話ししていきます。
にんにくの100gあたりのエネルギーは136kcalです。
これは他の野菜に比べるとやや高い数値といえます。

そして、見た目からは想像できませんが、にんにくは6割以上が水分です。
約3割が炭水化物で、残りがたんぱく質、脂質、ビタミン、無機質(ナトリウムやカリウム、マグネシウムなど)で構成されています。

にんにくの栄養価についておおまかに理解していただけたかと思うので、次は成分についてです。

アリシン:
にんにく特有のにおいや辛み成分のもとになっている物質です。
硫化アリルとも呼ばれています。
無味無臭のアミノ酸であるアリインという細胞が、にんにくをすりおろしたり切ったりすることで壊れ、アリイナーゼという酵素が働いて、アリシンという物質になります。

ちなみに、アリシンが含まれている他の食べ物は、たまねぎ、にら、リーキ、ネギ、らっきょうなどがあります。

アホエン:
アリシンが100℃以下で加熱されて生じる特殊な物質です。
アホエンにはにんにく特有のにおいもありません。

アリチアミン:
アリシンとビタミンB1が結合することでできる物質です。
ビタミンB1は水溶性のビタミンですが、アリシンと結合すると脂溶性になり、よりエネルギーを高めてくれます。

ジアルジスルフィド(二硫化アリル):
細胞が傷つけられ放出されるアリシンが分解するときに生じます。
にんにくの油の主成分になっており、黄色の液体で強いにんにく臭を持っています。
にんにくによる食物アレルギーを引き起こすアレルゲンでもあります。
アレルギーを起こす人は、ジアルジスルフィドを分解する消化酵素が他の人と比べて少ないことが考えられます。

このジアルジスルフィドは加熱しても構造が変わることがないため、火を通しているのにもかかわらずアレルギー反応がでるという人は、ジアルジスルフィドに対するアレルギーかもしれません。

スコルジニン:
にんにくに含まれる物質と糖分がくっついてできた物質です。
アホエン同様に無臭です。

ゲルマニウム:
マグネシウムなどと同じミネラルの一種です。

にんにくの成分は全てが解明されたわけではありません。
まだ明らかにされていない成分もあります。

にんにくの1日の摂取目安量は、10gです。
これは、2片程度に値します。

にんにくを一度に食べすぎると、腹痛や下痢、便秘などのお腹の症状や皮膚炎、口内炎などの皮膚症状を招く恐れがあります。
食べすぎには注意しましょう。

【にんにくの効能】にんにくはどう体に良い?

【にんにくの効能】にんにくはどう体に良い?

では、にんにくはどう体によいのでしょうか。

先ほどでてきたアリシンは強力な殺菌・抗菌作用、疲労回復効果があります。
また、ビタミンB1の吸収を助ける働きも持っています。

ビタミンB1は、糖質からエネルギーを作り出したり、皮膚や粘膜を正常に保つ働きをする大切なビタミンです。
これが不足すると、糖質がうまくエネルギーにならないため疲労などの原因になります。
さらに進行すると明治や大正時代によく見られた脚気という心臓と神経の病気や脳の中枢神経の病気であるウェルニッケ・コルサコフ脳症になってしまいます。

アホエンは、強力な抗酸化作用を持つ他に血小板の凝集を抑制することで血液をサラサラにし、血栓を予防してくれます。
また、脳を活性化してくれるので記憶力のアップや物忘れなどを予防する効果があるといわれています。

スコルジニンにもアリシン同様にビタミンB1の吸収を助け、エネルギー代謝をスムーズにします。
そうすることで疲労回復へと繋がります。

アリチアミンには、脳や手足の神経を正常に働かせて神経を安定させるため、抗ストレス作用もあるといわれています。

他にもにんにくは、がん予防に効果があるといわれています。
がんによる死亡率が増加して深刻になった1990年代のアメリカでは、国立癌研究所(NCI)によってがん予防に効果のあるとされる約40種類の食品を発表しました。
それをデザイナーフーズ・プロジェクトといいます。

ピラミッドは上段・中段・下段の3段階に分類され、上段にあればあるほどがんの予防効果の高い食品とされていました。
その中でのにんにくの位置づけは、最上段に入っています。
にんにくは、それだけ抗がん作用が期待されている優秀な食品といえます。

【にんにくの調理法】つぶす?すりおろす?

【にんにくの調理法】つぶす?すりおろす?

にんにくの調理法による味やにおいの違いはあるのでしょうか。

<生の場合>

先ほどもお話ししたように、すりおろしたり、潰したり、刻むことでにんにくの細胞を壊し、それによってアリシンが発生します。
細胞を壊せば壊すほど、にんにく特有のにおいや風味が強くなります。
そのため、それらをより感じたいというのであれば、これらの調理方がおすすめです。

では、すりおろす、潰す、刻むではそれぞれどう違うのでしょうか。

細胞を最も細かく壊せるのは、すりおろす方法です。
言い換えれば、一番においや風味を感じる方法といえます。

すりおろしほどではないが、刻む方法でも細胞は壊されます。
ドレッシングなどに使われることもあります。

潰す方法もすりおろすほどではないが、細胞は壊れます。
しかし、包丁の背で潰した場合は細胞破壊の程度は低いといえます。

<加熱する場合>

にんにくを加熱するとアホエンが発生します。
このアホエンという成分はにんにく特有なにおいがないことで知られています。

そのため、にんにくを傷つけずに加熱すると、強いにおいを出さないにんにくを食べられます。

もう腐らせない!【にんにくの保存方法】

もう腐らせない!【にんにくの保存方法】

日本は湿度が高いため、気づいたらにんにくにカビが生えていた、芽が出ていたということはありませんか?
もちろん芽が出てしまったにんにくを食べても問題はありません。
しかし、芽の出ていないにんにくと比べると、味が落ちてしまったり香りが弱くなります。
どうせ食べるなら美味しく食べたいですよね。

そこで、ここではにんにくはどのように保存するのが良いかということについて話していきます。

まず購入したときにビニールの袋に入っている場合は、袋から出してください。
そして、風通しのよい涼しいところで保管してください。
ネットなどの網に入れて、日の当たらないところにつるして保管すると良いでしょう。

常温(15~25℃)ですと1ヵ月程度保存できます。

涼しい季節はこの方法で問題はありませんが、夏は大変暑いためこの時期は冷蔵保存がおすすめです。
にんにくを皮付きのまま1片ずつに分けて保存袋に入れ、冷蔵庫で保管しましょう。
もし時間的に余裕があるならば、にんにくの全ての薄皮を剥き、1片ずつ新聞紙に包んでから保存袋に入れてください。
にんにくは湿気に弱く、また特有のにおいがあります。
こうすることで、カビの発生を遅らせ、また冷蔵庫にある他の食材においが移ることを防げます。

では、にんにくを切ったり刻んだりした場合はどう保存すれば良いのでしょうか。

カットしたにんにくをラップに包んで、保存袋に入れ平らにして冷蔵庫で保管しましょう。
冷蔵庫で1~2週間ほど保存が可能です。
カットしない場合に比べて味は落ちますが、料理の際にすぐに使えるので大変便利です。

用途に合わせて保存しましょう。

【にんにくレシピ】にんにくを使った料理

【にんにくレシピ】にんにくを使った料理

では次に、にんにくを使った簡単レシピを紹介していきます。

にんにくのアヒージョ

  1. まずにんにくの皮を剥きます。
  2. スキレットに、にんにくと塩を少々入れます。
  3. オリーブオイルをにんにくがかぶるぐらいいれ、にんにくがきつね色になるまで煮込みます。
  4. にんにくに竹串などが刺さるようになったら、粗挽き胡椒、鷹の爪を入れて完成です。

スキレットがなくても小さい鍋があれば、アヒージョは作れます。

にんにくのホイル焼き

  1. まずにんにくの皮を剥きます。
  2. 耐熱容器に、にんにくを入れて軽くラップをし、600wのレンジで約1分加熱します。
  3. アルミホイルでカップを作り、その中にレンジで熱したにんにくを入れて、オリーブオイルまたは塩とごま油を入れます。
  4. しっかりとカップを作らないと、液体がこぼれて大変なことになるので気を付けてください。
  5. そして、オーブントースターで約10分加熱します。
  6. こんがりしていないようであれば、追加で5分程度加熱しましょう。

ほうれん草とベーコンのガーリックソテー

  1. ほうれん草1/2束を塩少々入れた熱湯で軽く茹でます。
  2. その後、冷水にとって水気をとって、約4~5cmの長さに切ります。
  3. ベーコンは約1cm幅に切ります。
  4. にんにくをスライスし火にかけ、焦げない程度に弱火で焼きます。
  5. にんにくが良い色になったらベーコンを入れ、こんがりするまで炒めます。
  6. 次にほうれん草を入れ、さっと炒め、塩、胡椒で少々味を調節して完成です。

ここで紹介したレシピはごく一部で、にんにくはさまざまな料理に使えます。

にんにくの栄養、効能は?にんにくに秘められたパワーとそれを生かす調理法

今回は、にんにくの栄養と効能から調理、保存方法などについてお話ししました。

にんにくがいかに優れているかについて深く知っていただけたことだろうと思います。

  • にんにくの歴史は長い
  • にんにくには、アリシン、アホエン、アリチアミン、スコルジニンなど多くの成分が含まれている。
  • にんにくには、抗菌作用、疲労回復、血行促進、がん予防などのさまざまな効能がある。
  • 独特なにんにくのにおいを楽しみたいのであれば、すりおろしたり、潰したり、刻む。
  • にんにくは、風通しのよい涼しいところ、または冷蔵庫で保管する。
  • にんにく料理の定番は、にんにくのアヒージョ、ホイル焼き、ほうれん草のガーリックソテーである。

1日の摂取目安量を守りながら、美味しくいただきましょう。
今夜はにんにく料理にしますか?

参考文献

にんたまジャム健康レシピ186 村上祥子
タマネギとニンニクの歴史 マーサ・ジェイ
衛生 薬学ゼミナール
食品詳細(https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06223_7)
にんにくのホイル焼き(https://delishkitchen.tv/recipes/208521779935707494)
ほうれん草のガーリックソテー(https://www.orangepage.net/recipes/detail_122708)
Wikipedia
にんにくの薬効(http://siva.cc.hirosaki-u.ac.jp/rika/kagaku/kitahara/ninnniku.htm)

キャベツに含まれる栄養は胃腸を守るのに効果的!キャベツの選び方と栄養の効率的な摂り方も紹介!

スーパーで年中見かける身近な野菜のうちの1つであるキャベツ。
優れた栄養価が豊富に含まれていることをご存知でしたか?

一般的に野菜に多く含まれるビタミン以外にもキャベツには様々な栄養が含まれています。
今回はキャベツの栄養とその働き、栄養を効率的に摂取する方法をご紹介します。
日々の食事にも取り入れてみてください。

身近な存在だからこそ知っておきたいキャベツに含まれる栄養!

キャベツに含まれる栄養

様々な調理法で食べることのできるキャベツですが、食べることでどのような栄養が摂れるのでしょうか?
旬の時期には安く手に入れられる野菜ですので、どのような栄養が含まれているのかを知って食べるようにしましょう。

【キャベツに含まれる栄養素】ビタミンU

ビタミンUはキャベツから発見された栄養素で、キャベジンという別名もあります。
水溶性のため加熱すると水に溶け出す性質があります。
「ビタミン」と名前についていますがビタミンではなくアミノ酸の一種です。

【キャベツに含まれる栄養素】ビタミンC

犬や牛はビタミンCを体内で作り出すことができますが、私たち人間は体内で作り出せないため食事から摂る必要があります
保存や調理方法によって大幅に失われることがあります。

【キャベツに含まれる栄養素】ビタミンK

脂溶性で油脂に溶けるビタミンのため油と一緒に摂ると吸収率が上がります。
水溶性のビタミンとは違い、尿として排出されないため体内に留まりやすい栄養素です。

【キャベツに含まれる栄養素】カルシウム

カルシウムは体内でもっとも多いミネラルです。
骨に蓄積されますが、体内のカルシウムが足りなくなってくると骨を溶かして体内のカルシウム量を一定に保とうとする仕組みがあります。

【キャベツに含まれる栄養素】カリウム

小腸で吸収され全身に運ばれた後に腎臓で排出され、体内に不足していれば再吸収されるので常に一定量が体内に維持されます
主に細胞内に存在しています。

【キャベツに含まれる栄養素】マグネシウム

マグネシウムは骨や筋肉、脳、神経など体のいたるところに存在しています。
体を作り出すのに不可欠な栄養素です。

キャベツがもたらす健康効果!胃腸を守るだけじゃない

キャベツの効果

先ほど紹介したように様々な栄養を含んでいるキャベツですが、それぞれの栄養は体にどのような効果をもたらすのでしょうか?
1つずつ解説していきます。

≪キャベツの効果①≫胃腸を守る(ビタミンU)

市販の胃腸薬にも使われているビタミンUは胃腸の粘膜を丈夫にし、粘膜が荒れた時には修復します。
さらに潰瘍を抑える働きも確認されています。
これはビタミンUが粘膜細胞の血流を促進することでタンパク質の生成が活発になるので胃腸粘膜組織が作り出されるためです。
また、胃酸の分泌量を調整してくれるので過剰に胃酸が分泌されている時には分泌量が抑えられるので胸焼けや胃の不快感が改善されます。

≪キャベツの効果②≫免疫力アップ(ビタミンC)

ビタミンCは強い抗酸化作用があるのでウイルスが体内に侵入した時には攻撃して身体の免疫力をあげてくれます
感染症にかかった時の自然治癒力もあがるので病気に対しての抵抗力もつきます。
ビタミンCはストレスを受けた時や喫煙時に多く消費され失われるので比較的消耗しやすい栄養素です。
多く摂取した場合には尿として排出されるので積極的にとった方がいいでしょう。
他には、コラーゲンの合成を活発に行うので血管や粘膜、骨、肌を丈夫にします。
シミソバカスの予防にも効果的です。

≪キャベツの効果③≫血液の凝固促進(ビタミンK)

野菜の中ではキャベツが最も多くビタミンKを含んでいます。
血液の凝固を促す効果があるので止血作用があります。
ビタミンKが不足すると鼻血が止まりにくかったり月経過多になったりする可能性があります。
これが慢性化すると貧血になるのでビタミンKが不足しないように注意しましょう。
さらに、ビタミンKには骨からカルシウムが流れ出るのを止める働きがあるので骨を丈夫にします。

≪キャベツの効果④≫骨を丈夫に(カルシウム)

カルシウムは骨を作る材料になるので骨を丈夫にしてくれるということは多くの方に知られていると思います。
また、心拍を規則正しく保ち筋肉の収縮させる働きもある欠かせない栄養素です。

≪キャベツの効果⑤≫むくみ改善(カリウム)

カリウムは細胞の浸透圧を調整して一定に保とうとします。
そのため、塩分を摂りすぎてむくみが気になる時に摂取すると改善が期待できます。
その他には神経伝達を正常に行う働きもあります。

キャベツと一緒に食べるだけでいいことがある?相性の良い食べ合わせ!

キャベツと相性の良い食べ合わせ

健康効果のある栄養素が豊富に含まれているキャベツですが、栄養をより多く身体に取り込むことができる相性の良い食べ合わせがあります。
ご自身が得たい健康効果に注目して読んでみてください。

【キャベツと相性のいい食材①】トマト(粘膜の補修)

トマトに豊富に含まれているリコピンはキャベツに豊富に含まれるビタミンUと同じく胃腸の粘膜を補修する働きがあります。
さらに、キャベツにはない栄養も含まれているのでそれらを補うこともできます。
ロールキャベツをトマトソースで煮込みスープごと食べれば栄養を余すことなく摂ることができます。

【キャベツと相性のいい食材②】玉ねぎ(血流促進)

玉ねぎに含まれるアリシンは血液をサラサラにする効果があります。
キャベツのカリウムによるむくみ改善効果と組み合わせることで血流の促進効果が期待できます。
血流が滞っていると肩こりや冷えに始まり様々な身体の不調に繋がりますから血流をよくしておくことは日頃から大切です。
比較的組み合わせやすい食材ですので積極的に摂っていきましょう。

【キャベツと相性のいい食材③】あさり(貧血予防)

あさりには鉄が含まれていますが、キャベツに含まれているビタミンCと一緒に摂取することで鉄の吸収率が上がります。
あさりとキャベツは酒蒸しにするだけで美味しく食べられるので料理が苦手な方にも取り入れやすいのではないでしょうか。

【キャベツと相性のいい食材④】オレンジ(美肌)

キャベツ同様オレンジにもビタミンCが豊富に含まれているので美肌効果があります。
キャベツとオレンジを組み合わせるのは一見難しそうですが、スムージーにしたりサラダにしたりと生で食べられる料理が多く栄養を逃すことなく摂りやすいです。
食欲がない時にも取り入れやすい組み合わせです。

【キャベツと相性のいい食材⑤】油もの(貧血予防)

定食で揚げ物にキャベツが添えられている物を多く見かけると思いますが、それには理由があります。
キャベツの粘膜補強効果と合わせて揚げ物から胃を守るためです。
さらにキャベツと油ものの組み合わせで嬉しい効果は他にもあります。
キャベツが含む栄養素の中で油に溶けやすいビタミンKの吸収率をあげることができます
美味しく食べて健康も手に入れましょう。

キャベツの栄養を余すことなく摂りたいならこれに気をつけよう!

キャベツの栄養を余すことなく摂る食べ方

キャベツの栄養を摂るには気をつけたいことがあります。
それらを把握した上で上手に栄養を摂っていきましょう。

キャベツの食べ方①芯も食べる

キャベツの芯は固いので、食べずに捨ててしまいがちですが葉の2倍もの栄養が含まれています。
細切りにして炒め物に加えたり、そぎ切りにしてスープに入れたりと切り方と調理法を工夫すれば甘みが強い芯は美味しく食べられます。
芯の部分は旨味成分であるグルタミン酸が豊富に含まれているのでスープに入れると旨味が出ますが、煮込みすぎると臭みが出るので注意しましょう。

キャベツの食べ方②生で食べる

水溶性や脂溶性の栄養素は調理することで溶けでるので栄養を逃している場合があります。
そのため生で食べると栄養を逃すことなく食べられます。
しかし、生で食べると身体が冷える場合がありますので冷え性の方は気をつけてください。
また生では食べ応えがあって食べられる量が限られるので、蒸してかさを減らした上で食べるのもおすすめです。

キャベツの食べ方③煮込み料理はスープも食べる

加熱しても栄養を逃しにくい食べ方がスープです。
水溶性の栄養素はスープに溶けでるので具材だけでなくスープも飲めば余すことなく栄養が摂取できます。

栄養が多くて美味しいキャベツの選び方紹介!

美味しいキャベツの選び方

キャベツを選ぶ時に気にされるポイントはありますか?

重さ、芯の切り口など確認してほしいポイントを紹介していきます。
より美味しくて栄養のあるキャベツを選べるように知識を持っておきましょう。
キャベツは一年中出回っていますが、季節によって特徴が異なるので春キャベツと冬キャベツそれぞれでポイントをまとめます。

〈春キャベツ〉

  • 葉が柔らかく巻きがゆるい
  • 葉の緑色が濃い
  • 芯が高くない
  • 芯がみずみずしい
  • 軽い

〈冬キャベツ〉

  • 巻きが強く葉の間隔が詰まっている
  • 葉の緑色が濃い
  • 芯が500円玉くらいの大きさ(大きすぎない)
  • 重い
  • 外葉がみずみずしい

春キャベツは柔らかく軽さがあるのが特徴で、冬キャベツは葉がしっかりと詰まっているのでずっしり重いのが特徴です。
それぞれの特徴に合わせて選んでみてください。

栄養を逃さず長持ちさせるキャベツの保存方法!

キャベツの保存方法

美味しいキャベツを選べたら、次は保存方法を確認してみましょう。
保存法によって長持ちしなかったり栄養を逃したりしますので保存方法にも気を配りましょう。

<1玉買った場合の保存方法>

  1. まずは芯を包丁でくり抜きます。(芯は別で取っておくかその日に食べましょう)
  2. そして水で濡らしたキッチンペーパーを丸めて芯があった箇所に詰めます。
  3. さらに濡らしたキッチンペーパーか新聞紙で包みます。
  4. そこまでできたらポリ袋に入れて口は閉じずに野菜室にいれておきます。
  5. 野菜室には芯があった方を下にして入れておきましょう。

キッチンペーパーは1日ごとに変えてください。
こうしておけば2週間から長くて1ヶ月ほど保存できます。
キャベツは色々な料理に使えるので常に冷蔵庫に入っていれば助かります。

<1/2や1/4にカットしたキャベツを買った場合や野菜庫に入れるために切った場合の保存方法>

  1. 同じように芯を取って濡れたキッチンペーパーや新聞紙で包んでポリ袋に入れた上で野菜室に入れてください。
  2. このキャベツを使う時には切っていくのではなく1枚ずつ剥がすとより長持ちします。
  3. 切り口が黒ずんでいる時には切り落としてしまいましょう。

3〜5日ほど保存できます。

キャベツを1玉買ったもののどうしても鮮度のいいうちに食べきれなさそうな場合は料理に使いやすいサイズに切ってから冷凍しておくと便利です。
冷凍するとしんなりとするので、塩もみの効果や加熱した時に火が通りやすいというメリットがあります。
2ヶ月ほどで使い切ってください。
栄養素を可能な限り失わないようにするためにも、密閉袋に入れてしっかり空気を抜いた状態で、アルミトレーにのせるなどして急速に冷凍しましょう。

まとめ【キャベツの栄養を効率的に摂ろう!】

今回はキャベツの栄養がもたらす効果についてお話ししました。
食べ方を工夫することでより効率的に栄養が摂れるので、正しい知識を持ってキャベツを食事に取り入れましょう。

  • キャベツの栄養:ビタミンU、C、K、カルシウム、カリウム、マグネシウム
  • 栄養素の働き:胃腸を守る、免疫力アップ、血液の凝固促進、骨を丈夫に、むくみ改善
  • 相性の良い食材:トマト、玉ねぎ、あさり、オレンジ、油もの
  • 栄養の効率的な摂り方:芯も食べる。生で食べる。煮込み料理はスープも食べる。
  • 選び方:春キャベツ(葉が柔らかく巻きがゆるい)冬キャベツ(巻きが強くずっしりしている)
  • 保存方法:保水加工をしてからラップではなくビニール袋に入れて冷蔵庫へ。

メリットしかない!白湯を飲むとこんなに健康に効果が!長続きのヒントも解説

白湯を飲む習慣が健康に良いということは、みなさん一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか?
実際にやってみたという方もいらっしゃるでしょう。

白湯を飲むという非常にシンプルな健康法ですが、実にさまざまな健康効果があることをご存知ですか?

その効果のほとんどが、女性が気になる美容やダイエット、冷え性などに対して効果が期待できるものなのです。
さらに、お湯を沸かすだけなので費用もほとんどかかりません。

メリットばかりの白湯習慣ですよね。
とは言いつつ、いざやってみると、なかなか続かないもの。

今回は、白湯の持つ健康効果を解説し、さらに、続けるための工夫もご紹介します。
白湯を飲んで、手軽に健康を実現してみませんか?

白湯の効果を知る前に!まずは白湯とは何かについて知ろう!

白湯とは?

白湯ってお湯でしょ?と思われる方も多いのですが、確かに白湯は簡単に言うと、お湯のことです。
しかし、ただのお湯ではありません。

「しっかりと沸かしたお湯」のことです。

お湯は、単に温度が高い水のことをさしますので、沸騰していない温度の高い水のこともお湯と呼びます。

また、「湯冷まし」というものをご存知でしょうか。
小さなお子さんに水分を与えるため、沸騰したお湯を飲みやすい温度まで冷ますことがありますが、これを湯冷ましと言います。

つまり、「飲みやすくなるまで温度が下がった白湯」とも言えます。

通常、白湯を飲む場合は熱すぎると体に負担がかかるため、だいたい50℃から60℃くらいに冷ましたものを飲みます。

そして、インドの伝統医学である「アーユルヴェーダ」にも白湯を飲む健康法があります。

このアーユルヴェーダでは、「火と水と風」が自然界を構成する要素であると考え、人の体もまた同じ要素で成り立っていると考えられています。
白湯は「水」を「火」にかけて沸かし気泡(風と定義)もできるため、結果として自然界を満たす要素と同じ要素を持つことから、身体のバランスを整えるものと考えられています。

女性が嬉しい効果がいっぱい!白湯の効果はこんなにある!

白湯の効果

では、「お湯を飲む」というたったそれだけの行為が、どれほどの効果をもたらすのかを解説していきます。

実は白湯がもたらす最大の効能は、「温かい水を飲むことによって、体内や内臓が温まる」ということ。
この「内臓が温まる」というところから派生して、色々な効果が期待できます。

白湯の効果①基礎代謝の向上

基礎代謝とは「人が何もしなくても消費されるカロリー」のことで、単純に「生命活動の維持させるためのカロリー」といえます。

人は走ったり、歩いたり、考えたりしますが、その時にカロリーを消費します。
基礎代謝は、こういう行為がない状態でのカロリーです。

当然、この基礎代謝が多くなればなるほど、何もせずともカロリーは消費されていきます。
脂肪燃焼効果がアップし、より多くのダイエット効果が望め、太りにくい体になれるのです。

基礎代謝が上がる仕組みはこうです。

飲んだ白湯は、喉を通り体内に入ります。
この時、食道や胃や腸を温め、同時に血流の流れを良くします。
血流の流れが良くなると、基礎代謝があがります。基礎代謝が上がることで1日の消費カロリーが増加するため、ダイエット効果も期待できます。

白湯の効果②冷え性の改善

女性を悩ませる冷え性にも効果が期待できます。
血のめぐりが良くなることによって、毛細血管の隅々にまで血液が流れていき、冷え性の改善が期待できます。

白湯の効果③便秘の改善

便秘の解消、つまり腸内環境を整える効果もあります。
白湯を摂取することで内臓が温まり、内臓の動きが活発になります。

それによって、腸内の活動も活発になり、便秘を改善する効果が期待できます。
同時に、白湯を飲むことで水分を摂取できるため、水分不足で便秘気味になっている場合、効果が期待できます。

白湯の効果④デトックス効果、美容効果

先ほどの便秘の改善効果に関連して、内臓の活動が活発になることで、利尿作用に効果があります。
この利尿作用効果によって、体にたまっている老廃物などの悪いものを外へ排出するデトックスの効果が期待できます。

白湯によって血流が改善され、老廃物などが流れやすくなるので、肌のターンオーバーが活発になり、肌トラブルの改善などの美肌効果が望めます。

白湯は体を内部から温めることによってさまざまな効果を生み出します。
お湯を沸かして飲むという簡単なことだけに、これだけの効果があるというのは驚きですよね。

こんなにも簡単!効果的な白湯はこうやって作る!

白湯の作り方

白湯を飲んで健康になろう!と思って始めてみると、白湯はどのように作ればいいのかが問題になります。
効果的な白湯の作り方はこの通りです。

<やかんを使った方法>
基本的な作り方は、このやかんを使用した方法です。
具体的には次のような手順で作ります。

①やかんに水を入れ、火にかける。
やかんに入れる水は水道水でOKです。
煮沸することによって、水道水に含まれる塩素やトリハロメタンを除去していきます。

②しばらくして沸騰したら、ふたを外し、そのまま10分以上放置する。
沸騰してもすぐに火を止めず、そのまま10分以上沸騰させ続けます。
こうすることによって、水に含まれる不純物を除去していきます。
ふたを外すのもポイントです。
ふたを外すことで、蒸気の逃げ道を作り、一度除去された不純物が再び水の中へ戻ることを防げます。

③火を止め、自然にお湯が冷めるのを待ってから飲む。
コップや耐熱容器に移し替えたあと、自然にお湯が冷めるのを待ってから飲んでください。
あまりに熱い温度で飲用すると、体に負担がかかりますので、50℃~60℃くらいまで冷ましてから飲みます。

水道水を使用する場合は不純物を除去するために、沸騰後の10分程度煮沸が必要になります。
これを実現するためにはヤカンを使う方法が最も効果的です。

ただし、使用する水を塩素や不純物が含まれていないミネラルウォーターなどにする場合、やかん以外の選択肢も入ってきます。
電子レンジを使用する場合は次のように白湯を作ります。

<電子レンジを使用した作り方>
耐熱用のコップにミネラルウォーターを入れ、500Wで2~3分温めます。
飲みやすい温度になるように時間を調整するのがポイントです。

水道水ではなく、ミネラルウォーターを使用する場合は、電子レンジの他にも電気ケトルなどを使うことで白湯を作れます。

また、作った白湯を温めなおすと健康効果が薄れるとされているので、その都度作って飲むように心がけましょう。

白湯の効果を最大限に引き出す飲み方ってあるの?

白湯の効果を最大限に引き出す飲み方

さあ、いよいよ飲むぞ!というところですが、実は飲み方にもポイントがあります。
飲む時間帯や飲む量について解説していきます。

白湯の飲む量は1日にどのくらい?

結論から言うと、白湯は1日で多くても700~800mlまで。
これ以上飲んではいけません。

だいたい3~5回くらいに分けて飲んでください。
だいたい1回あたり140ml~200mlくらいが適量となります。

白湯を飲むスピードは?

ゆっくりと時間をかけて飲むのがポイントです。
一気に飲むと、白湯が胃の消化液を薄めてしまい、消化吸収が阻害される場合があります。
10分から20分程度かけてゆっくりと飲むと効果的です。

白湯を飲むと効果的な時間帯は?

最も効果的な時間帯は、ずばり朝一番。
睡眠時に下がった基礎体温を上げられ、同時に睡眠時に消費した水分を補えるからです。
まだ起き切れていない体をしゃきっと起こしてくれる、まるで聖水のようなありがたい水ですよね。

また就寝前に白湯を飲むのも、温かさによってリラックスでき、効果的です。
ただし、飲みすぎるとトイレが近くなるので注意が必要です。

食後に飲む場合は注意が必要です。
食後すぐに白湯を飲むと、白湯が胃の消化液を薄めるため、消化不良につながります。
食後に飲む場合は、30分以上あけてから飲むようにしてください。

味や効果を自分好みにプラスしよう!白湯アレンジレシピ集!

白湯のアレンジレシピ

白湯の味ってわかりますか?
しっかり作った白湯は、実はほんのりと甘みがあってまろやかな味わいがします。
ただ、それでも長く続けていくと飽きることもあるでしょう。

白湯に一つ何か食材をプラスすることで、さらなる健康効果が追加され、味に変化をつけられます。

ご紹介するレシピは、コップ一杯の分量(150ml)の場合です。
レシピは目安ですので、ご自身で分量を調節して、好みの味を見つけてください。
アレンジ次第で色々と工夫ができますよ!

白湯のアレンジした飲み方①レモンをプラス

白湯にレモンを入れると、「ビタミンCやクエン酸」を手軽にプラスできます。
ビタミンCは抗酸化作用があるため、美容にも最適です。

作り方は、カップ1杯の白湯にレモンを数滴絞って入れます。

酸味がある味がお好きな方は、もっと多くレモンを入れてください。
使うレモンは果物のレモンが理想ですが、より手軽に行くなら瓶詰めされているレモン果汁を使用するのも一つの手ですよ。

白湯のアレンジした飲み方②はちみつをプラス

はちみつは甘みだけが魅力と思っていませんか?

実は、はちみつには味のおいしさもさることながら、ミネラルやビタミン、アミノ酸、ポリフェノールといった成分を含み、健康にも大変効果のある食材です。
ポリフェノールは抗酸化作用があるため、肌の老化防止にも効果ありです。

作り方は、カップ1杯の白湯にはちみつを小さじ1杯くらい入れてください。
はちみつには殺菌作用があるので、のどが痛い時にもおすすめですよ。

はちみつにレモンをプラスしてもおいしくいただけます。

白湯のアレンジした飲み方③ショウガをプラス

身体を温める白湯ですが、ポカポカ効果をさらにアップさせるために、ショウガをプラスするのもおすすめです。
寒い冬の朝にも最適ですし、冷え性の女性の方にもぴったりですよ。

作り方は、カップ1杯の白湯にうす切りのショウガを1枚~2枚ほど入れてください。
より手軽に作るなら、チューブのショウガを小さじ1杯ほど入れるのもいいでしょう。

こちらもお好みによってはちみつをプラスするのもおすすめ。

白湯のアレンジした飲み方④黒コショウ・ローリエをプラス

ショウガと同じように身体をあたためる食材として、黒コショウやローリエがあります。
それぞれ単独で白湯にプラスしてもいいですし、両方組み合わせてもOKです。

作り方は、カップ1杯の白湯にローリエ1枚と黒コショウを少々入れます。

ローリエは切込みを入れたり、二つに折ると、香りが出やすいのでおすすめ。
ローリエの香りと黒コショウのピリッとした感覚が刺激的で、体も温まりますよ。

白湯のアレンジした飲み方⑤オリーブオイルをプラス

オリーブオイルをはじめとしたオイル系を加えると、便秘にも効果がある白湯ができあがります。
オリーブオイルに含まれる成分が腸の動きを活発にするため、慢性的な便秘にも効果があります。

また、ポリフェノールやビタミンEなどの抗酸化作用も豊富に含まれているので、お肌が気になる女性にも最適ですよ。

作り方は、カップ1杯の白湯に小さじ1杯くらいのオリーブオイルを入れます。
熱いうちに飲むことをおすすめします。

自分の好みの味や栄養素のある食材をプラスすることで、飽きずに白湯習慣を続けられます。
ぜひアレンジしてみてください。

続かない?効果的な白湯習慣を続けるためのヒントを解説!

白湯習慣を続けるためのヒント

飲み始めてしばらくすると、だんだん当初の気持ちが薄れていき、結局白湯を飲まなくなったという経験をされた方もいらっしゃるでしょう。
「お湯を沸かして飲む」という言ってしまえば単純で簡単なことなのに、なぜ続かないのでしょうか。

最後に続けられる白湯習慣について考えていきましょう。

続けられない理由は以下のようなものではありませんか?

  • 白湯の味に飽きた、味がしないのでつまらなくなった

確かに白湯は水を沸かしただけのものなのですが、実はその奥にはまろやかで甘みのある味わいを感じられます。
ただ、それでも味に変化がないということで飽きることも考えられます。

その場合、ご紹介した白湯のアレンジレシピで自分好みにアレンジすることで楽しむのはいかがでしょうか。
色々な食材を試していくことで自分好みに変化をつけられるので、おすすめですよ。

  • 白湯を作るのが面倒になった

白湯を作る場合、ヤカンを使ってある程度煮沸する必要があります。
朝一番に飲もうと思っても、朝は1日の中で一番あわただしい時間帯でもあり、なかなか時間を割けないですよね。

そういう時は、自宅のやかんを使用して白湯ができる時間を把握するのがポイントです。
時間さえわかれば、やかんを火にかけたらその出来るまでの時間、朝の準備ができます。
タイマー設定ができるコンロの場合はその機能を使うといいでしょう。

すでに解説しましたが、やかんで煮沸するのは不純物を取り除くためなので、ミネラルウォーターなどの不純物が入っていない水を使用すれば、電子レンジや電子ケトルでも白湯を作れます。
電子レンジや電子ケトルの場合も、セットしてしまえばあとは放置しても大丈夫なので、手軽に白湯を作れます。

そして最も手軽な方法は、「ウォーターサーバー」を利用することです。
不純物がない高温のお湯をいつでも出せるため、一番手軽に白湯を作れます。
長く続けるにはいかに手軽に白湯を作るかということがポイントですのでこれらの方法も検討してみてください。

  • なかなか効果が出ないから途中であきらめた

白湯を飲み続けてもなかなか効果が出ないからやめた、という場合はどうでしょう。

当然ですが、白湯の効果は飲んですぐに出るものではありません。

白湯の効果を実感するには、だいたい1か月くらい続ける必要があります。
あきらめないでまずは続けてみるということが大切です。

ただ、その1か月間にも何かしら自分の中での小さな変化を発見することもあるでしょう。
飲むことによって温かくなって気分が良くなったとかリラックスできたとかは、精神面での変化はありませんか。

実際の身体への効果が出てくるまでは1か月かかるかもしれませんが、気分の変化などの自分の変化を見つけることでも、明日もやってみようという動機づけにつながることがあります。
そのうえでまずは1か月続けてみましょう。

まとめ【こんなに効果のある白湯を習慣にしない手はない!】

さまざまな健康効果があるのにやることは実にシンプル。
それが白湯を飲むことによる健康法ですが、これだけの効果が期待できるなら、老若男女を問わずにどんどん実践していきたいですよね!

  • 白湯は身体を中から温めるので健康効果がいっぱい。
  • 朝イチの白湯は体を目覚めさせる聖水!
  • 長続きの秘訣はいかに習慣化をするか。

湯の効果をしっかりと理解して自分なりの習慣をいかに作っていけるか、一度記事を参考に試してみてください。白湯習慣で健康になりましょう!

「痰が絡む」のは体からの危険信号?痰が絡む原因や考えられる病気、そして上手な痰の出し方

皆さんは、痰が絡んでなかなかすっきりしないという経験はありませんか?
呼吸器系の病気の中でも咳と1位2位を争うぐらいよくある症状としてあげられるのが、痰が絡むという症状です。

しかし、痰の役割やメカニズムを知らないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、そちらを説明しつつ考えられる病気などについて話していきます。

【痰について】痰とは何?痰の役割って?

痰の役割とは?

痰とは、呼吸器系でつくられ咳こむことによって外に出される粘液のことをいいます。
痰は、実に約94%が水です。

その他には、ムチン(ムコタンパク質)、免疫グロブリン、脂質などが約5%を占め、残りは電解質と細胞遺残物で構成されています。
ムチンには、シアル酸という酸性の糖とフコースという中性の糖があります。

正常時は、シアル酸の割合が多いためサラサラしている痰ですが、ウイルスや細菌などによりフコースの割合が多くなるとネバネバした痰となり、痰が絡むという症状を引き起こします。

免疫グロブリンとは、免疫の中で大きな役割を担っており、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類に分かれています。

痰には、体内に入ろうとしている異物を気管支から分泌される粘液で絡めて体外に出すことで、異物が体内に侵入するのを防ぐ役割があります。
つまり人間の防御反応ということです。

【痰のメカニズム】なぜ痰がでるの?

痰のメカニズム

次は痰が出るメカニズムについて話していきます。
気道粘膜には、線毛上皮内の杯細胞や粘膜下組織にある気管腺・気管支腺が存在しています。

その両方から気道分泌物という粘液が作られています。
気道分泌物は、上皮細胞の線毛運動によって喉頭側、つまり上の方へ運ばれ、気道をきれいにします。

正常時は気道分泌液の分泌量はごくわずかのため、その後気道分泌物は無意識に食道を通って胃へ送り込まれ、痰は出ません。
しかし、ウイルスや細菌などによって気道分泌物量の増加により、食道を通ることが難しくなり、飲みこめなくなります。
それにより痰として出ていきます。

線毛も痰ができるメカニズムに影響を与えています。
線毛とは、その字の通り毛です。
体の中にある毛のことです。

線毛は、表面のネバネバとしたゲル層と深層のさらさらしたゾル層の2つの層で覆われています。
ゾル層の線毛の動きに影響され、その上のゲル層が動いて痰が咽頭側へ運ばれます。

このときの動きは一方方向であり、ベルトコンベアーを想像してもらうとわかりやすいでしょう。
しかし、死んだ細菌を含むことで気道分泌液の粘度が高くなるといった性状の変化によりこの輸送機能(ベルトコンベアーの動き)が低下し、痰をうまく吐き出すことが難しくなります。

それにより、なんとなくすっきりしない感じがし、痰が絡むという症状になります。

【痰で考えられる病気】痰は何かの病気のサイン?

痰は何かの病気のサイン?

痰のメカニズムについて理解したら、次は痰から考えられる病気について話していきます。
痰は、病気ごとに色調・硬さ・臭いなどに特徴があるといわれています。
ですので、痰の性状を観察することは大切です。

〈白色~透明〉

粘り気のある痰(杯細胞や気管支腺などからの過剰分泌)

  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • アレルギー性気管支炎
  • 非細菌性感染症

COPDとは、主にタバコの煙による有害物質を長期にわたって吸い続けることで、気道や肺の炎症を生じる病気です。
喫煙歴のある40歳以上の方に多くみられます。

粘り気のない痰(毛細血管の透過性亢進)

  • 気管支喘息(ぜんそく)

気管支喘息は、皆さんも既にご存じだと思います。
気道の慢性炎症により咳や呼吸困難といった症状がでる病気です。
意外に知られていませんが、気管支喘息でも痰がでます。

〈痰黄色〉

最もよくみる痰です。この色の場合、細菌性感染症の疑いがあります。

  • 気管咽頭炎
  • 急性気管支炎
  • 急性肺炎

〈緑色〉

緑膿菌などが産出する色素による色で痰に色が付きます。

  • びまん性汎細気管支炎(DPB)
  • 慢性気管支炎
  • 気管支拡張症

DPBは、両肺に広範囲に広がって呼吸細気管支と呼ばれる細い気管支を中心に慢性炎症がみられ、咳や痰が絡むような症状がみられる病気です。
ほとんどの患者さんで慢性副鼻腔炎を合併します。
東アジアに多く見られ、欧米にはほとんど存在していないようです。

〈さび色〉

膿に少量の血液が混じってみえる色をしている痰です。
この痰の中には、腫瘍や肺膿瘍の組織破壊物が含まれています。

  • 肺炎球菌性肺炎
  • 肺膿瘍肺化膿症

肺膿瘍は、肺炎が重症化・慢性化することで肺の中の肺実質という部分が破壊されて膿がたまることで起こる病気です。

〈ピンク色〉

この痰は、肺循環のうっ血により肺毛細血管から漏れ出た血液と肺胞の空気が混ざることで泡状のピンク色となります。

  • 肺水腫

肺水腫は、肺毛細血管から血液だけでなく水分も血管外へ漏れ出てしまい、肺が水浸しになってしまう病気です。
肺が水浸しになると、肺で酸素をしっかりと取り込むことが難しくなりため、重症化すると呼吸器不全に陥ることがあります。

〈茶色、暗赤色〉

この色の痰は血痰です。
肺血管が破れ、気道内へ出血することでこの色を生じます。
血線を引いたものは咽頭性や喉頭性に多く、全体的に赤い痰は下気道性が多いようです。

  • 肺がん
  • 気管支拡張症
  • 肺結核
  • 肺梗塞
  • Goodpasture症候群

気管支拡張症は、慢性的な気道炎症によって太い気管支が大きく広がり壊されてしまう病気です。
大量の痰を出すということで知られています。

Goodpasture症候群は、肺と腎臓をおかす自己免疫疾患です。
肺胞出血と糸球体腎炎の併発として現れることが最も多いですが、どちらか片方だけという場合もあるようです。

〈赤色〉

この色も血痰です。
肺血管が破れることによる気道内の出血が1回2mL以上のときにこの色の痰がみられます。

  • 肺出血気管
  • 大動脈瘻

以上が痰の色からわかる病気の具体例です。
今回は、痰が絡む、痰が出るという状態から一歩踏み込んでお話ししました。
しかし、これらはあくまで一般論にすぎません。
診断や治療を必要とする場合は、自己判断で決めつけず早めに医療機関を受診しましょう。

【痰の治療方法】どんな検査をする?どんな薬を飲む?

痰の治療方法

痰から考えられる病気がわかったので、次は痰の検査にはどのようなものがあるか、痰を治療していくにはどのような薬を飲むのかについて話していきましょう。
検査は必ず行うというわけではありませんが、必要に応じて行います。
痰の検査には、微生物学的検査、細胞学的検査(細胞診)の2つがあります。

まず検査をする前には、うがいをして口内への常在菌の混入を避けます。
そして、咳とともに痰を出させ、それを検査します。

痰の検査方法①微生物学的検査

  • 塗抹鏡検
  • 培養検査
  • 遺伝子検査

塗抹検査とは、採取した痰をプレパラートに広げて顕微鏡で菌数などを観察します。
簡単に素早く行える検査方法です。

検査した後の評価方法は2種類あります。

1つ目は、Miller-Jones分類です。
これは痰の粘液性と膿性を肉眼で評価します。
分類としては、M1、M2、P1、P2、P3の5種類です。

2つ目は、Geckler分類です。
これは顕微鏡で白血球と扁平上皮細胞という細胞の数を数えて評価します。
白血球が多いほど炎症部位由来の可能性があり、扁平上皮細胞が多いほど唾液由来の可能性があります。
白血球数が少なく、扁平上皮細胞数が多い場合、その検体の痰は唾液由来であるといえ、その後に培養検査などすることは少ないようです。

痰の検査方法②細胞学的検査(細胞診)

  • 炎症細胞
  • 悪性細胞

細胞診は主に癌を見分けるために行います。

次は薬についてです。

去痰薬は、痰の性状を変化させたり、気道粘膜を潤わせ滑りをよくすることで痰を出しやすくする薬です。
あくまで対症療法という位置づけです。
気道分泌促進薬、気道粘膜潤滑薬、気道粘液溶解薬、気道粘液修復薬の4種類に分かれています。

薬による痰の治療法①気道分泌促進薬(ブロムヘキシン)/気道粘膜潤滑薬(アンブロキソール)

この両剤には気道粘液物質を促進することで痰の粘度を下げ、線毛運動を促進させて痰などの異物を出しやすくし、さらに肺サーファクタントの分泌促進により気道の滑りをよくします。
肺サーファクタントとは、気管支や細気管支内に付着した痰などを剥がしやすくする表面活性物質です。

薬による痰の治療法②気道粘液溶解薬(アセチルシステイン、エチルシステイン、メチルシステイン)

これは痰を小さくして粘度を下げ、痰を出しやすくします。
痰が大きくなってしまう原因には、ジスルフィド結合と呼ばれる結合の関与があります。
気道粘液溶解薬にはこのジスルフィド結合を切断し、構造が小さくなることで痰を出しやすくします。

薬による痰の治療法③気道粘液修復薬(カルボシステイン、フドステイン)

これは杯細胞の過形成を抑えることで粘液の分泌量を減らし、シアル酸の割合を増やします。
つまり粘液の組織のバランスを調整し、正常化することで痰を出しやすくします。

【排痰の方法】上手な痰の出し方

排痰の方法

皆さんは、痰が上手く出せないという経験はありませんか?
ここでは痰の上手な出し方について話していきます。

体位排痰という痰を出しやすい姿勢になることで痰を喉元に集めて出す方法があります。
痰がたまっている部分を上にすることで、喉元に流れ落ちてきてきます。

例えば、胸・肺の前面であれば仰向け、背中であればうつぶせ、左側背面であれば右下の半うつぶせになるといった具合です。
重力を利用した方法になりますが、デメリットは時間がかかることです。

別の方法としては、ハフィングと呼ばれる方法もあります。
これは、体位排痰などで喉元に上がってきた痰を出しやすくする方法です

少し多めに空気を吸い込み、声を出さずに「ハッ、ハッ、ハッ」と勢いよく息を吐きます。
これを数回ほど繰り返した後に咳をして、痰を出します。
咳はエネルギーを要するので、3回程度に収めてください。

また、上記と似ている方法にはなりますが環境再生保全機構が上手な排痰方法を動画で説明しています。
痰が上手く出せずに困っているという方は一度見てみてください。

自力では痰を出すことが難しいという方には、痰を出しやすくする器具を使うという方法があります。
その一つに、アカペラという器具があります。
これは、器具内のバルブ圧力を調整することで息を吐くときに気道内に圧力と振動が発生し、それによる気道の広がりが痰を出しやすくします。

痰の出し方はこのように何点かあります。
自分にあった方法を見つけましょう。

痰が出るのを予防!日常でできるちょっとした工夫とは?

痰の予防方法

痰の予防法①室内の加湿

空気が乾燥することで喉の粘膜を刺激して、痰が絡む・痰が出しづらいといった症状が現れやすくなります。
冬だけではなく、エアコンを使う夏も乾燥は起こります。
しっかりと加湿しましょう。

痰の予防法②喫煙

タバコを吸っていると痰が絡むという人もいるかと思います。
これはタバコの煙に含まれている有害物質を吸い続けることで気道や気管支が炎症を起こし、痰が増えるためです。
タバコを吸いすぎるとCOPDのリスクも高くなるので、禁煙がよいでしょう。

痰の予防法③痰を切る食べ物

痰を切るのに良いとされちる食べ物は、大根や銀杏、杏、レンコンなどがあげられます。
しかし、きちんとしたエビデンスはなく、昔から伝えられているということにすぎないようです。
上であげた食べ物だけを偏って食べるのではなく、バランスのよい食事を心がけましょう。

まとめ【もうこれから「痰が絡む」のも怖くない!】

今回は痰が絡むというのはなぜ起こるのかについて、痰の役割、検査方法、薬などとともにお話ししました。
痰について詳しく理解できたのではないでしょうか。

  • 痰は水、ムチン、免疫グロブリンでできている粘液で、異物侵入を防ぐ役割がある
  • 気道分泌物量の増加、粘度の増加などの性状の変化により嚥下が難しくなることで痰がでる
  • 痰の色から病気を推定できる
  • 去痰薬はあくまで対症療法にすぎない
  • 痰の出すときのポイントは、重力と「ハッ、ハッ、ハッ」という吸い方

痰が絡むのが続くときには自己判断で病名を決めつけず、早めに医療機関を受診しましょう。

歯痛はツボ押しで和らぐ?辛い歯痛に効くツボを紹介します!

歯痛があってもなかなか歯医者に行けずに、辛い痛みと戦わなくてはいけない…そんな経験をしたことがある人は少なくないと思います。

歯痛を放置すると痛みが悪化することがあるので治療が必要不可欠ですが、治療までの期間の痛みの緩和には「ツボ押し」がおすすめです。

NG行動も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

歯痛の原因にはどのようなものがあるの?

歯痛の原因

歯痛の原因は、

  • 歯由来の痛み
  • 歯茎由来の痛み

に分けることができます。

ここでは歯痛の原因について簡単に説明していこうと思います。
歯痛が長く続くときは、我慢したり放置したりせずに歯医者で診てもらいましょう。

歯痛の原因①歯由来の痛み

(1)虫歯
・食べ物を口に入れるとしみる
・叩くと響くような鈍痛がある
・歯痛が長く続いている

などの症状があれば、虫歯である可能性が高いです。

歯垢を放置していると、歯垢の内部が酸性になって歯の表面のエナメル質をゆっくりと溶かしていきます。
歯が溶かされて穴が開いた状態が「虫歯」で、進行すると痛みを伴います。

(2)知覚過敏
何らかの原因でエナメル質に傷がつくと、象牙質がむき出しになり内部の神経を刺激しやすくなります。
熱いものや冷たいものがしみるという点で虫歯と共通していますが、知覚過敏の場合は
・痛みは持続しない=一過性のもの
・叩いても歯痛はない
という点で虫歯とは異なります。

(3)歯が割れている・欠けている
外傷や歯ぎしりなどで歯が割れたり欠けたりすると、割れ目から細菌が入って炎症を起こしたり痛みが出たりします。
硬いものを噛むと歯痛がある、といった場合は、歯が割れたり欠けたりしている可能性があります。

歯痛の原因②歯茎由来の痛み

(1)歯周病によるもの
歯周病の原因は虫歯と同じ「歯垢」で、歯垢を放置していると歯茎に炎症が起こり「歯肉炎」になります。
この歯肉炎を放置していると炎症が進行して歯槽骨にまで及ぶ「歯周病」になります。

(2)親知らず
親知らずは一番奥、手前から数えると8番目の歯で「智歯」と言われているものです。
完全に生えている人もいれば、歯茎に埋まっていて生えてこない人、半分だけ出ている人など様々です。
汚れが溜まりやすいので、虫歯や智歯周囲炎(細菌性の炎症)になりやすく、痛みが起こりやすいのが特徴です。

歯痛を和らげたい!歯痛に効くツボを紹介

歯痛に効くツボ

歯痛があるけれど、
「忙しくてなかなか歯医者に行く時間がない」
「早くても10日後にしか予約が取れなかった」
という人は多いのではないでしょうか。

歯痛があると、痛みで眠れなかったり、食事が美味しく食べられなかったり、仕事や勉強に集中できなくなったりすると思います。
歯医者に行くまでの期間、痛みを和らげる方法としては「ツボ押し」が効果を発揮します。
ここでは歯痛に効くツボを紹介しますので、一時的な痛みの対処法として取り入れてみると良いと思います。

歯痛に効くツボ①合谷(ごうこく)

人差し指と親指の骨が交差する場所(人差し指と親指の付け根)にあり、歯痛以外にも、頭痛や眼の疲れ、生理痛などにも効果があります。
反対の手の親指の腹を使い、「痛い」と感じるくらいの強い力で何度も押したり揉んだりしましょう。
つねったり爪楊枝で突いたりしても効果があります。

歯痛に効くツボ②歯痛点(しつうてん)

歯痛点は手の平の中指と薬指の付け根にあり、その名の通り歯痛に効くツボです。
反対の手の人差し指と親指で挟むようにつまみ、「痛い」と感じるくらいの力で強めに刺激しましょう。

歯痛に効くツボ③太谿(たいけい)

太谿は、足の内くるぶしとアキレス腱との間のくぼみにあります。
歯痛のほかにも体の疲れや自律神経の乱れにも効果があるといわれています。
片方ずつ、両手の親指を重ねてしっかりツボを押しましょう。

歯痛に効くツボ④下関(げかん)

耳の穴の前の凹んだところにあり、口を開けた時に盛り上がる部分が下関です。
歯痛以外にも、顔のたるみやしわ、目や口の歪み、ニキビにも効果があるといわれています。
口を閉じて左右両側のツボに人差し指の腹を当て、痛気持ち良い程度の力でゆっくりと垂直に押します。

歯痛に効くツボ⑤頬車(きょうしゃ)

耳の付け根からエラ(下あごの骨の角)の辺りにあり、歯を食いしばった時に硬くなって盛り上がるところが頬車です。
歯痛のほか、顔のむくみ、たるみ、口周りのシワに効果があると言われていて、小顔効果も期待できます。
左右のツボに人差し指の腹を当て、少し上に向かってグリグリと揺らすように痛くない程度に刺激しましょう。

ツボ押しは一時的に痛みを和らげることができますが、決して虫歯や歯周病による歯痛を治すものではないので、痛みが続く場合は必ず歯医者で診てもらってください。
ひどい時は抜歯しなくてはならないこともありますので、早めに受診することをおすすめします。

歯痛の時のNG行動!痛みが悪化するので注意

歯痛の時のNG行動

歯痛があるととても気になってその事しか考えられなくなる…なんてこともあると思います。
気を紛らわせるために他のことに集中しようとするかもしれませんが、実は逆効果になる行動もあるので注意が必要です。

歯痛の時のNG行動には、

  • 痛みがある部分を触る
  • 痛みがある部分を温める
  • スポーツをする
  • 熱いお風呂に浸かる
  • タバコ
  • アルコール

などが挙げられます。

患部を指で触るとそこから細菌が入り込むので、絶対に触らないようにしましょう。
舌で触るのも極力控え、患部には触らないように心がけましょう。

痛みがあるときは、患部を温めたり熱いお風呂に浸かったりせず、患部を冷やして血の巡りを抑えると痛みが和らぎます。
また、タバコやアルコールも体温を上げる作用がある上に患部を刺激する作用もあるので、歯痛が悪化する可能性があります。

歯痛がある場合は、

  • 患部を冷やす
  • 体温を上げない
  • 刺激物の摂取を控える

などをして痛みを和らげましょう。

まとめ【歯痛はツボ押しで緩和できる!早めに受診を】

  • 歯痛の原因は虫歯や歯周病
  • 歯痛はツボ押しで緩和できる
  • 温めたり刺激を与えるのはNG
  • 歯痛を感じたら早めに受診をしましょう

歯痛の時は、ツボ押しをしたり患部を冷やしたりするなどして痛みを和らげましょう。
痛みがあるときは熱い湯船やスポーツは避け、なるべく早めに歯医者で診てもらうことを勧めます。
辛い歯痛は早めに撃退して、快適な生活を送りましょう。

なんでこんなに栄養のある「柿」を食べないの!?フルーツの隠れた王様「柿」の魅力

昔話にも出てくる「柿」ですが、あまり食する機会がないことは残念ですね。
柿にはたくさんの栄養素が詰まっていて、健康にも美容にも良いことが分かっています。

この記事では「柿の栄養」に焦点をあてて解説します。
ぜひ栄養価の高い「柿」をもっとたくさん食べてみましょう。

世界に柿を広めたのは日本!外国でも柿は「KAKI」

世界に柿を広めたのは日本!外国でも柿は「KAKI」

「柿」という名前は中国からきたもので中国本土では「柿子(シーズー)」と呼びます。
現在も柿の生産は中国が世界一ですが、世界へ柿を広めたのは我が日本国です。
そのため和名と同様に外国でも「KAKI」と呼ばれます。

世界一の生産量をほこる中国を置きざりにして、日本がヨーロッパやアメリカに「柿」を広めたのです。
日本は中国と台湾に次ぐ3番目の柿の生産国です。
しかし日本から柿が広まったということは品質が良いということの証しです。

中国は果物をたくさん食べる国としても有名ですが、「柿子」といって「トマト」のことを指す地域もあります。
地域や季節ごとに呼び名が変わったり、安定した品質でなかったことも、呼び名の生みの親である中国から海外へ広められなかった一因だと考えられます。

米英では柿の木を「パーシモン」と呼び、ゴルフクラブに使われていたことでも有名ですが、日本の柿の木とはわけが違うようです。
パーシモンの実は小さく日本の柿の実とは大きさも味も全く異なるようです。
美味しい柿をつくりあげたのは我が日本であり、保存食ともなる渋柿を考案したのも日本独自の技術なのです。

日本では庭木としても有名な「柿」(産地の説明)

日本では庭木としても有名な「柿」

中国から「柿」の名前をもらった日本ですが、縄文時代よりも前から柿があったといわれています。
柿の種が化石で出土しており、遠い昔から日本には柿があったと考えられています。

また戦前には日本の家屋の庭には柿の木がたくさんあったようです。
日本で柿は縁起が良いものとされていました。
これも中国から伝わったことでもありますが、日本では「家が繁盛する」とか「良縁に恵まれる」として、特に娘さんが生まれたときなどには良い縁談に恵まれるようにと大きなお屋敷の前には必ずというように柿の木がありました。

しかし一方で「柿の木」は縁起の悪いものと言われており、柿の実を採ろうと子供たちが木に登り、落ちて大けがをしたり死亡事故が相次いだことが影響しています。

また「柿」は身体を冷やす果物です。
中国などでは「陰・マイナス」をイメージさせる果物でもあります。
そんな諸説がある「柿」ですが、柿にはすごい栄養が含まれているという結果が出ています。

柿にはすごい栄養とパワーが含まれている

柿にはすごい栄養とパワーが含まれている

「柿が赤くなれば医者は青くなる」と昔のことわざがあります。
本来の意味は、柿が美味しくなる秋には果物がたくさん成長して食べ頃になるので病人が減るという意味でした。
しかし現在では「柿」の栄養素から、「医者いらずの果物」として紹介されることもあります。

柿の代表的な栄養素は、ビタミンCとβカロテンです。

柿に含まれる栄養素①ビタミンC

ビタミンCは皆さまもご存知のように、たんぱく質の一種である「コラーゲン」をつくる作用があります。
「コラーゲン」といえば最近では美容効果老化防止に欠かせないものと知られています。
「ビタミンC」は皮膚の再生をうながし、シミやソバカスの他にも日焼けのしすぎなどの軽度な火傷にはビタミンCが投薬されてもいます。

また「ビタミンC」には免疫機能を高める効果があり、ウイルスなどへの抵抗力が強くなり風邪をひかなくなったりインフルエンザなどの感染症の予防にもなります。
また精神を落ち着ける作用もあるので疲労回復ストレス解消にも最適です。
なお「ビタミンC」と聞くと「酸っぱい柑橘系」のイメージがありますが、甘く熟した柿には柑橘系の果物に次ぐビタミンCが含まれていて、キウイやイチゴよりも同じ量で比べるとビタミンCの含まれる量は多い果物です。

柿に含まれる栄養素②βカロテン

一方「βカロテン」はというと、体内で必要な分だけ「ビタミンA」に変換されるため、文献によっては柿の成分として「ビタミンA」と記載されることもあります。
「βカロテン」は抗酸化作用といって「身体を錆びないようにする」、つまりは老化を防止する効果があります。
鉄が酸素と結合することで錆びてしまうように、体内の組織も酸化(酸素と結合)することで、身体は錆びついて老化が進んでしまいますが、「βカロテン」はそれを止めてくれるのです。

また体内で変化した「ビタミンA」は、たくさんの効果をもたらしますが、その中でも重要な効果は「免疫作用を強くする」ことです。
皮膚の組織や口や鼻などの粘膜の生成を補助してくれるなどの効果があるので、風邪やウイルスに対して強くなることが分かっています。
万が一、風邪などの感染症にかかったとしても免疫作用が強くなったことと合せた効果が期待できるので、病気から早く回復できるのです。

「βカロテン」は人参にも多く含まれていて黄色い色素である「カロテノイド」と呼ばれる一種です。
「柿」は熟すにつれて、黄色から赤みがかってきます。
するとトマトと同じように「リコピン」と呼ばれる赤い色素が増えて、これががんの予防に効果的であるということも証明されており、食べるがんの特効薬でもあります。

柿には「ビタミンC」や「βカロテン」の他にもたくさんの栄養素を含んでいます。

柿に含まれる栄養素③カリウム

カリウムは体内にたまったナトリウム(塩分)を体外に排出する作用があるので、高血圧で困っている人には食べる良い薬です。
足がむくんだり、すぐに足がつってしまう人、おしっこが出にくい人や不整脈の人にも効果があります。

柿に含まれる栄養素④タンニン

タンニンとは渋柿や熟れきっていない柿を食べたときに「渋い」と感じる成分です。
タンニンには血液中の悪玉コレステロールや他の毒素となる物質を減らしてくれる効果があります。
これにより身体全体の新陳代謝が良くなり、若々しい健康な身体を維持できます。

柿に含まれる栄養素⑤ペクチン

柿に含まれるペクチンは水に溶けやすく身体の中に入っていきますが、体内では分解されない食物繊維です。
食物繊維は便秘に効果があり、困っている女性などには打ってつけの果物です。

二日酔いにも効く柿の3つの秘密とは!?

二日酔いにも効く柿

「柿は二日酔いに効く」とお酒を飲む人ならご存知の人も多いとおもいます。
これは本当のことです。

その理由の1つは柿に含まれる「シブオール」という成分はアルコールの吸収をさまたげる効果があるからです。
つまりアルコールを飲んでも吸収されずに排出されるため、あまり酔わないということです。

2つ目は「ビタミンC」がアルコールの分解を助けて早めにアルコールを体内から排出することを手助けすることによります。

3つ目は柿に含まれる「酵素」がアルコールの分解を速めてくれます。
アルコールの分解は肝臓が大きな役目を担いなすが、それを酵素が補助することにより、肝臓への負担を軽くしてくれます。

これらにカリウムに含まれる利尿作用が加わって、柿を食べることやサプリメントの「柿エキス」などで二日酔いの状況を軽くしてくれる効果が生まれているのです。

渋柿こそ柿の元祖!甘柿との違いについて

渋柿こそ柿の元祖!甘柿との違いについて

実は甘柿よりも渋柿の方が歴史は古く日本人にも馴染みが深いことをご存知でしたか?
織田信長が勢力をほこった戦国時代には来日した外国人に干し柿を献上したという文献が残っています。
日本にあった当時の柿は渋い味で、そのままでは食べられるものではなかったために渋みと水分を抜いて甘味を増やし保存食ともなる干し柿は貴重な甘味食材だったのです。

そのために祭祀などにも使われる高貴な果物でありお菓子でもありました。
砂糖が高価な時代ですから、糖分が豊富な干し柿はとても貴重だったのです。
その干し柿が突然変異で甘柿が鎌倉時代の頃に生まれたといわれます。
ですから柿の品種も圧倒的に渋柿の品種が多いのです。

甘柿の品種は「富有・ふゆう」「次郎・じろう」が有名で2種類程度です。
渋柿の方は「平核無・ひらたねなし」「甲州百目・こうしゅうひゃくめ」「西城・さいじょう」「愛宕・あたご」と豊富にあります。
突然変異で生まれた甘柿は、その種を植えても甘柿が育つことは稀であり、接ぎ木などをおこなって栽培しないとそのまま美味しく食べられるような甘柿をつくることはできません。

日本だけでなく第一の生産国である中国や第二位の韓国でも作り方に多少の違いはありますが、干し柿として食べることの方が主流となっているのです。

渋柿と甘柿では成分にも大きな違いがあります。
身体に良い影響を与える甘柿のビタミンCは、干し柿になるとほとんど無くなってしまいます。
ですから甘柿で得られるビタミンCの効果は渋柿では期待できません。

反対にβカロテンは凝縮されて渋柿の方が多くなります。
なんとその量は甘柿の3倍にもなります。
粘膜の保護や風邪の予防に効果があるβカロテンが豊富に含まれている甘菓子なのです。

甘菓子というように甘味は普通の甘柿の4倍もあります。
それだけカロリーが高い食べ物であることは覚えておきましょう。

柿の食べ過ぎには注意と言われる理由とは?

柿の食べ過ぎには注意と言われる理由

よく「柿の食べ過ぎには注意」といわれることがあります。

柿を食べ過ぎない方が良い理由①高カロリー

それはカロリーが高いことが1つの理由です。

信じられないかもしれませんが、甘柿よりも生の渋柿の方が元から甘味も多いのです。
タンニンという渋みがあることで甘味が少なく感じられますが、甘味の多い渋柿の水分を抜いて凝縮するので、もっと甘味が増えるのです。
甘柿を干しても渋柿を干したような甘さは出ないそうです。

柿を食べ過ぎない方が良い理由②便秘・下痢

渋みの成分であるタンニンには整腸作用があり、ほどほどに食べる分には健康に良いのですが、食べ過ぎると便秘になることがあります。
反対に柿の成分であるペクチンは便秘に効果があり、食べ過ぎると下痢になる場合もあります。
どちらにしても食べ過ぎは良くないという理由がここにあります。

柿を食べ過ぎない方が良い理由③体を冷やす

柿は陰の食材で身体を冷やすものでることは解説いたしました。
身体を冷やし過ぎることは健康を害することです。
子宝にも恵まれるという縁起の良い「柿」ですが、妊婦の人は身体を冷やすのは良くないので注意してください。

またナトリウムがたくさん含まれている柿を過剰に食すると、塩分を排出し過ぎて必要な塩分まで不足してしまうこともあるので気をつけましょう。

他にも「柿の食べ過ぎは毒である」と昔の人が言ったという話がありますが、これには全く根拠がありません。
関ヶ原の戦いで無残に敗れて斬首の刑となった石田光成は喉が渇いたときに柿を食べるようにいわれ、「柿は身体を冷やす・武士は最後まで有事に備える」と虚勢をはったことから言い伝えられたということです。

身体を冷やすことは事実ですが毒にはなりません。

こんな食べ方もある!柿の美味しい食べ方をご紹介!

柿の美味しい食べ方

干し柿は漢方薬として使われることもあります。
干し柿の場合には保存食であることからも特に気をつかうことはありませんが、甘柿は熟れすぎるとドロドロに溶けたようになってしまいます。

甘柿は買ったらすぐに食べた方が美味しさを楽しめます。
熟れすぎたりして食べ頃を過ぎてしまった甘柿は凍らせてシャーベットにして食べると良いでしょう。
冷凍庫に入れておくと日持ちがして食べるときに少し溶かせば美味しいデザートになります。

最近では「柿の葉」の栄養が注目されています。
「柿の葉茶」といわれ、ビタミンCが豊富で他のビタミンも多く含まれているので、これこそ二日酔いに最高に効くお茶であるとして重宝されています。
お茶は身体を温めるものでもあり、柿の陰のイメージを取り払うことにもなります。

柿の実だけでなく葉のほうにも栄養がタップリです。
ぜひお試しになってみてください。

柿は栄養のかたまり、もっと食べて健康になろう!

ここまで柿の歴史からはじめて「柿の栄養素」についてご紹介してまいりました。
この記事では以下のようなことを解説しご理解が得られたはずです。

  • 柿は中国から日本につたわった果物で外国でも「KAKI」と呼ばれる
  • 柿の生産はアジアが中心で中国が第一位で日本は第三位
  • 柿は栄養の宝庫といわれ、特にビタミンやβカロチンが豊富
  • 柿に含まれるビタミンCは二日酔いに最適な薬
  • 渋柿でつくる干し柿は生の柿とは栄養素が変化している
  • 熟れすぎた柿は冷やしてゼリーなどにして食べると良い
  • 柿の葉にも栄養分がたっぷり・柿の葉茶が有名

柿は栄養が豊富な果物です。
日本ではその栄養分が豊富で健康にも良いことを知っていて、縁起物でもあるため庭さきに柿の木がたくさん植えられていたのです。

現代の人々は皮を剥いたりするのが面倒で柿を食べることが少なくなったようです。

これだけ多くの栄養を含んだ「果物の陰の王様」を食べないことは「もったいない」のひとことです。
もっと積極的に「柿」を食べて免疫を高めて健康な生活を送ってください!!

黒酢はダイエット効果だけじゃない?黒酢の様々な効果を知って健康に過ごそう!

黒酢は体に良さそうというイメージを持たれている方は多いと思います。

しかし、具体的にどのような効果があるのかご存知でしょうか?

黒酢にはダイエット効果、美容効果、健康効果があり、これは黒酢の他の酢との違いが関係しています。

今回は黒酢の他の酢との違いと効果を解説していきます。

ご自身が期待する効果はあるのか確認しながらご覧ください。

様々な効果が期待できる黒酢って他の酢とどう違うの?

黒酢は他の酢とどう違うのでしょうか?

色が黒ければ黒酢というのか、なぜ黒くなるのか、分からないことは色々あると思いますので、解説していきます。

一般的に穀物で作られる酢は玄米の糠層を削った精米が原材料として使われています。

しかし、黒酢は精米されていない状態の玄米や大麦を原材料として、1〜3年ほど発酵・熟成をされているため色が黒っぽくなります。

さらに、精米されていない玄米や大麦を使用していることで一般的な米酢の約4倍のアミノ酸を含んでいます。

このように黒酢は他の酢と比べて原材料と製造過程が異なります。

黒酢が脂肪を燃焼させる?黒酢のダイエット効果!

黒酢には、①腸内環境(便秘)改善②血糖値上昇抑制③脂肪燃焼効果があるためダイエットに役立ちます。

それぞれ黒酢がどのように働くことでもたらされる効果なのか解説していきます。

①腸内環境(便秘)改善

腸内環境を改善してくれる食品といえばヨーグルトや納豆などのように発酵食品が有名ですが、黒酢にも整腸作用があります。

それは酢の抗菌効果によるものです。

酢が身体に悪い影響をもたらす悪玉菌を減らしてくれるので、腸内の腐敗を緩和してくれるだけでなく、酢のグルコン酸が便秘や下痢を予防する善玉菌を増やし動きを活発にしてくれます。

こうして腸内環境が整うと老廃物を体内から排出できるのでダイエットに役立ちます。

②血糖値上昇抑制

血糖値の上昇を緩やかにします。

私たちは血液中のブドウ糖をエネルギーにしていますが、食事で糖を摂取し血糖値が急上昇すると、血液中の糖分を脂肪に変換して身体にため込もうとします。

しかし、食前に酢を摂ることで胃腸が食べ物を運ぶぜん動運動の動きが抑制されるので食べ物が小腸まで届くのに時間がかかり血糖値の急上昇を抑制できます。

さらに嬉しい効果として消化のスピードがゆっくりになるので満腹感が得られやすく食べ過ぎ防止になります。

③脂肪燃焼効果

酢に含まれるクエン酸にはエネルギーを脂肪に変える効果、アミノ酸には脂肪燃焼効果があります。

黒酢には一般的な米酢の4倍のアミノ酸が含まれているのでより高い脂肪燃焼効果が期待できます。

酢を摂るだけでも効果は得られますが、運動の30〜1時間前に酢を摂っておくことで効率よく脂肪燃焼できます。

年齢を重ねて代謝が落ちると、運動してもなかなか体重が減らずダイエットのモチベーションの維持が難しくなります。

そのような状況でダイエットに前向きに取り組むためにも、より効果が期待できる黒酢を取り入れてみましょう。

黒酢で肌質が変わるかも?黒酢の美容効果!

黒酢にはアミノ酸が豊富に含まれていますが、その中でもD-アミノ酸は美容に有効です。

肌にどのような効果があるのか紹介していきます。

①肌質改善

肌の乾燥が気になる方の中で、お風呂上がりに化粧水などのケア用品でたっぷり保湿しても翌朝には乾燥している方はいませんか?

肌の水分保持能力が低下するとバリア機能も低下するのでダメージを敏感に受け取りやすい肌質になります。

D-アミノ酸には保湿機能を助けてくれる役割があるので、水分保持能力の向上とバリア機能の回復が期待できます。

D-アミノ酸は体内で作り出されることはほぼありませんが、口から摂取すれば肌までしっかり届きます。

定期的に黒酢を摂ることで肌質改善を目指しましょう。

②頭皮(髪の毛)改善

「肌」と聞いて思い浮かぶのは顔だと思います。

しかし頭皮も顔と同じ肌で、頭皮の衰えが顔のたるみやシワに繋がってくるため、頭皮もケアする必要があります。

D-アミノ酸を摂ることでバリア機能をあげると夏場気になる頭皮のテカリ改善が期待できます。

さらに頭皮の環境を改善することで健康な髪の毛が育つ土台ができるので、髪の毛が細くなって悩まれている方にぜひ黒酢を摂っていただきたいと思います。

③老化防止

D-アミノ酸が肌の深部にある繊維芽細胞を活性化します。

繊維芽細胞はコラーゲンを作り出して肌の弾力を保つ細胞なので、これが活性化することでシワやたるみを防いで若々しい肌作りに役立ちます。

コラーゲンを食事から摂取しても体内で一度分解されるので、肌がコラーゲンを作り出す仕組みを強化することが美肌づくりへの近道です。

疲労回復には黒酢が最適?黒酢の健康効果!

ここまで黒酢のダイエット効果と美容効果をご紹介しましたが、それら以外に黒酢には健康効果もあります。

主に①疲労回復②高血圧(コレステロール値)改善③冷え性改善④ガン抑制が期待できます。

それでは1つずつ解説していきます。

①疲労回復

疲れがたまっているときに無性に酸っぱいものが食べたくなりませんか?

これは身体が酢酸やクエン酸を欲するようになるからです。

酢酸やクエン酸には疲労物質である乳酸を分解して蓄積を防ぐ効果があり、筋肉痛の緩和が可能です。

さらに食べ物を効率よくエネルギーに変えることで疲労が回復しスタミナがつきます。

栄養バランスのとれた食事に黒酢をプラスすることでより高い疲労回復効果が期待できます。

また、仕事や運動後など特に強い疲れを感じる時には甘いものと黒酢を合わせて摂ることで糖分が効率的に吸収されるので身体のエネルギー不足を補いやすくなります。

②高血圧(コレステロール値)改善

酢に含まれる酢酸はアデノシンという血管を拡張させる物質に働きかけるので、血圧の上昇を抑制する効果があります。

そして、酢には善玉コレステロールを減らすことなく悪玉コレステロールを減らす効果もあるので乱れた食生活を続けてメタボリックシンドロームの前兆がある方などに特に取り入れていただきたいと思います。

酢を摂るだけで劇的に改善が見られるわけではありませんが、生活習慣を見直すきっかけとして酢を食習慣に取り入れて見てはいかがでしょうか?

③冷え性改善

黒酢に含まれるアミノ酸は、赤血球を柔らかくするため血行がよくなり代謝が上がります。

代謝が上がると冷え性改善だけでなくリラックス効果もあります。

黒酢は水で割って飲むのがスタンダードですが、冷え性改善にはお湯で割って飲むのがおすすめです。

重度の冷え性の方だと内臓が冷え切っている場合があるのでしっかり身体の内側から温めていくことが大切です。

④ガン抑制

酢には癌細胞の増殖を抑制する効果と癌の前兆として現れる病変の発生を抑制する効果があります。

癌は日本人の死亡理由として上位を占める病気ですので、日頃から予防を意識した生活をするに越したことはありません。

比較的取り入れやすい酢を習慣化させることが健康寿命を伸ばす要因になりえます。

黒酢はどうやって飲む?加熱しても効果は変わらないの?

ダイエット・美容・健康面で嬉しい効果のある黒酢ですが、どのくらいの頻度でどれくらいの量をどのように摂ればいいのでしょうか?

オススメの取り入れ方と合わせて紹介していきます。

酢の1日の摂取目安量は15〜30mlです。

これは計量スプーンの大さじ1~2杯ですが、自宅に計量器具がない場合はカレースプーンを目安にするといいでしょう。

そして今回解説したような様々な効果を得るには、毎日継続的に酢を摂取してそれを少なくとも3ヶ月続ける必要があります。

すぐに効果が現れるわけではないので長期的な目線を持って継続することが必要です。

黒酢は他の酢と比較しても酸味が強いため原液をそのまま飲むことは難しいです。

そのため何かで割ったり料理に使ったりとアレンジする必要があります。

もっとも手軽な飲み方は水割りです。

冷え性改善効果の解説でも記載したように、冬や身体の冷えが気になる場合にはお湯で割るのがおすすめです。

何倍希釈かは製品に記載されている通りに従いましょう。

不明な場合は5倍希釈を目安に飲みやすい量に調整してください。

水で割る以外にも炭酸水や牛乳、豆乳で割るなどアレンジは色々できます。

黒酢の風味が苦手な方は割ってからはちみつを加えたり、原液をヨーグルトにかけたりすると比較的摂りやすくなると思います。

また、もともとリンゴなどの果汁で割られた黒酢も販売されているのでそういった商品から取り入れてみるのもいいかもしれません。

割る以外には、料理に取り入れることもできます。

加熱の必要のないドレッシングやピクルスへのアレンジは手軽に取り入れられますし、加熱しても酢の成分が壊れることはないので炒め物や煮物、スープなどバリエーションが豊富です。

ご自身の好みのアレンジを見つけてみてください。

他にも、酢には特にカルシウムと鉄の吸収率をあげる作用があるので小魚や乳製品、レバーと組み合わせると身体が効率的に栄養を吸収できるのでおすすめです。

反対に、塩分の吸収を抑制する効果がありますのでむくみが気になる時に酢をとりいれると効果的です。

黒酢を効果的に摂取するために気をつけたいこと!

長期間熟成されている黒酢は栄養素が豊富で味わいが濃厚な分、摂取する時に気をつけるべきことがあります。

①原液のまま飲むと胃が荒れる②口内が荒れないよう酢を飲んだ後はうがいするの2点です。

1つずつ紹介していきます。

①原液のまま飲むと胃が荒れる

黒酢に豊富に含まれる酢酸は健康効果をもたらしますが、原液のまま飲むと胃に強い負担をかけるので消化器官が荒れる原因になります。

特に空腹時には酢酸を和らげるものが何もなく胃の粘膜に直接的に作用するのでさらに荒れやすくなります。

薄めたり調理したりして原液のままでは摂取しないようにしましょう。

②口内が荒れないよう酢を飲んだ後はうがいする

原液のまま飲むと消化器官同様に口内も荒れます。

さらに酸には他の物質を分解して溶かす作用があるため、黒酢を割ったものや調理したものを長時間に渡ってゆっくり摂り続けると口内がずっと酸性の状態になります。

そうなれば酸蝕症になる危険性が出てきます。

酸蝕症とは酸で歯が溶けることですが、ここまで重症化しなくとも、歯が酸性のものに触れると柔らかく傷つきやすい状態になるので黒酢を摂ったら口をすすぐといいでしょう。

酢を摂った直後の歯磨きは歯を傷つけることになるので避けましょう。

まとめ【健康や美容のために黒酢を飲む習慣をつけよう!】

今回は黒酢のダイエット・美容・健康効果についてお話ししました。

様々な効果が期待できる黒酢ですが、摂取の仕方を誤ると健康被害が出る場合もありますので、その点に注意しながら習慣化しましょう。

  • 黒酢とは:精米する前の玄米または大麦を原材料として時間をかけて発酵・熟成をさせたもの。一般的な米酢の約4倍のアミノ酸が含まれている。
  • ダイエット効果:腸内環境(便秘)改善、血糖値上昇抑制、脂肪燃焼
  • 美容効果:肌質改善、頭皮(髪の毛)改善、老化防止
  • 健康効果:疲労回復、高血圧(コレステロール値)改善、冷え性改善、ガン抑制
  • 摂取方法:1日大さじ1~2杯。水(お湯)、炭酸水、牛乳(豆乳)で割る。料理に取り入れる。カルシウムと鉄の吸収率をあげる。塩分を控えたいときに便利。
  • 注意したいこと:原液のまま飲むと胃が荒れる。口内が荒れないよう酢を飲んだ後はうがいする。

耳鳴りの原因と対処法は?正しく知って悪循環を断ち切ろう!

「キーン」、「ジー」という音が自分だけに聞こえてくる耳鳴り。
寝静まったときに不意に聞こえてきて、睡眠不足にもつながってしまう、つらい症状ですよね。

耳鳴りはなかなか治らないと言われていますが、実は原因や知識を得ることが治療法としてとても大切です。

耳鳴りについて、もっとよく知って、症状を改善させていきましょう。

【耳鳴りの種類】自覚的耳鳴りと他覚的耳鳴りの原因

【耳鳴りの種類】自覚的耳鳴りと他覚的耳鳴りの原因

耳鳴りのことを耳鳴(じめい)とも言いますが、本来聞こえない生活音以外の音が、自分だけに聞こえてくる症状のことをいいます。

耳の外から音が聞こえてくるのではなく、耳の中から聞こえてくると感じる症状が起きます。

耳に関する症状の中でも比較的よくみられるものが、この耳鳴りです。
耳鳴りの症状が出ると、「キーン」や「ジー」、「ピー」などの金属音や電子音や、「ボー」というこもったような低い音が聞こえてきます。

音の種類はさまざまですが、いずれにしても日常生活における環境音とは違った音が聞こえてくるのが特徴です。
本来聞こえるはずのない音のため、自分の中で気になり始めると、どんどん意識がそっちに向いて行ってしまうため、ひどい場合、日常生活にも影響が出てしまいます。

このような耳鳴りで悩まされるのが、周りが静かな時で、特に眠るときは気になります。
シーンとした場所では、特に耳鳴りがひどく聞こえてくるように思えるからです。

のちほど解説しますが、このように気になってストレスに感じてしまうことは、実は耳鳴りの症状を悪化させる原因となることがあります。

耳鳴りを原因ごとに分類すると、自覚的耳鳴りと他覚的耳鳴りに分けられます。
それぞれについて解説をしていきます。

本人にしか聞こえない耳鳴り「自覚的耳鳴り」の原因

本人にしか聞こえない耳鳴りで、もう一方の他覚的耳鳴りと比べて比較的頻度が高い耳鳴りです。

聴覚系に異常がある場合に発生することがよくあります。
加齢による難聴や、爆発音などの騒音に暴露されたときの音響障害によって引き起こされることもあります。

他人にも聞こえる耳鳴り「他覚的耳鳴り」の原因

本人にしか聞こえない自覚的耳鳴とは違い、本人以外の他人にも聞き取ることが出来る耳鳴りです。

頭や首などに通っている太い血管の血流が乱れることで起こったり、口や耳の筋肉がけいれんしたりすることによっても起きます。

そのため、血流が流れるような「ドクドク」という音や、筋肉が動く「コツコツ」などという音が聞こえてきます。
実際に身体から発せられている音のため、他人にも聞き取ることが出来るということです。

聴覚が関係している自覚的耳鳴りですが、耳鳴りは難聴が大きくかかわってきます。
実に耳鳴りの症状を感じている方の90%が難聴を抱えているとされています。

このように耳鳴りは聴力の低下が大きくかかわってきますが、実際のところ、決定的な治療法や薬が確立されていないのが実情です。
原因もさまざまにあるため、総合的に症状を見ていく必要があります。

【耳鳴りの仕組み】音が聞こえる仕組みからわかり易く解説

耳鳴りの仕組み

耳鳴りのほとんどは聴覚が影響していますが、実際にどのようにして耳鳴りが起こるのかを解説します。
それを知るためにも、まずは音が聞こえる仕組みから見ていきましょう。

<音が聞こえる仕組み>

音が聞こえるということに関係しているのは、「外耳、中耳、内耳」です。
それぞれに役割があり、中耳には耳小骨があり、内耳には蝸牛や三半規管、前庭があります。

① まず、耳たぶで集められた音波が外耳道(耳の穴)を通り、鼓膜に当たります。
② 鼓膜に伝わった音波は、鼓膜の奥にある中耳の耳小骨を振動させます。
③ 耳小骨が振動すると、内耳にある蝸牛内のリンパ液が振動し、蝸牛の細胞を動かします。
④ 有毛細胞と言いますが、この有毛細胞に伝わった動きは、化学信号に変えられて、聴神経に伝わります。
⑤ 聴神経がこの情報を脳に電気信号として伝えることで、音が認識されます。

音が聞こえる仕組みの中で耳鳴りに関わるポイントが、蝸牛から聴神経、そして脳へ音波が電気信号で伝わる部分になります。
では、これを踏まえて耳鳴りが発生する仕組みを解説していきます。
ほとんどの耳鳴りが難聴と関わっているため、紹介するのは難聴が関わる耳鳴りの発生の仕組みです。

<耳鳴りが発生する仕組み>

先ほどの音が聞こえる仕組みのなかで出てきた蝸牛ですが、この蝸牛に異常が発生してしまうと、電気信号が伝わりにくくなってしまいます。

電気信号が伝わりにくくなり、音が聞こえにくくなると、今度は脳に変化が生じます。
足りない電気信号を補おうと、電気信号を増幅させようとします。
そして、この音を補う増幅は、電気信号が送られていないとき、つまり音が鳴っていないときにも起こるようになります。
これが、耳鳴りが起こる仕組みです。

つまり、音が聞こえにくくなり、それを補うために脳が電気信号を増幅させるが、これが、音が鳴っていないときにも起こるため、耳鳴りが起こってしまうのです。

【耳鳴りの原因】耳の病気が関係する場合と関係しない場合がある

耳鳴りの原因

さきほど耳鳴りの種類について紹介しましたが、耳鳴りの原因について、もう少し見ていきましょう。
耳鳴りにつながる原因としては、耳が直接関係するものとそうでないものとに分けられます。

耳の病気が関係する耳鳴りの原因

  • 突発性難聴
  • 加齢による難聴
  • イヤホンによる難聴
  • 中耳炎などにより耳の器官(中耳など)が傷ついている
  • 耳垢栓塞
  • 生活環境、職場環境における難聴(騒音性難聴)

耳が関係する原因の中では、聴覚に影響を与える要因がほとんどです。

突発性難聴や加齢による難聴のほか、最近ではイヤホンやヘッドフォンを使用することでも聴覚が低下し、耳鳴りへとつながるケースも増えています。
そのほか、耳垢がたまることでも耳鳴りが発生することがあり、騒音がある職場などで働くことも原因になることがあります。

また、ストレスでも耳鳴りが発生することもあります。
このストレスは非常に大切で、耳鳴りの症状を悪化させる要因としてもおさえておかなければなりません。

耳の病気以外で耳鳴りになる原因

  • メニエール病
  • 高血圧
  • ストレス
  • 気圧の変化
  • 生活環境、職場環境

直接的に聴覚に関わらない場合でも、耳鳴りが発生することがあります。

この中では、特にメニエール病や高血圧による症状で耳鳴りが発生してしまうことに注意してください。
めまいなど耳鳴り以外の症状がないかなどを確認することが非常に大切です。

メニエール病について、簡単に解説をしておきます。

<メニエール病とは?>
メニエール病の症状は、激しいめまいや難聴、耳鳴りなどです。
内耳リンパ水腫(内耳内のリンパ液が過剰にたまる)によって起こります。
日常生活に支障をきたすほどのめまいがおこるため、難聴や耳鳴りの症状のほかにめまいの症状があれば、メニエール病を疑ってください。

【耳鳴りの症状】どんな音がする?耳鳴りの精神面への影響

耳鳴りの症状

では、耳鳴りの症状について詳しく見ていきましょう。
耳鳴りは、「キーン」、「ビーン」、「ブーン」、「ブンブン」、「ボー」など、の音が聞こえてくるのが主な症状です。
急に聞こえたり、また消えたりするため、一度気になりだすとどんどん耳鳴りの症状がひどくなることもあります。

症状としては、本来聞こえるはずのない音が聞こえるということですが、最も注意しなければならないことがあります。
耳鳴りが原因で寝不足になったり、ストレスがたまったりするなどして、メンタル面へ悪影響を与えてしまうという点です。

特に、寝るときは周りの音が静かなので、耳鳴りに意識が集中してしまい、気になって眠れず、寝不足によって疲れがたまってしまうことがあります。
やがて、肉体的な疲れから、精神面でも緊張感や不安感が生まれ、それが原因でまた耳鳴りが気になってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
この悪循環こそが、耳鳴りの症状を悪化させることになるのです。

まとめると以下の通りです。

耳鳴りによる精神面の悪循環
① 耳鳴りが気になる
② 睡眠時などで気になってしまうことで、寝不足になったり、ストレスを感じたりする
③ 寝不足やストレスから、余計に耳鳴りが気になりだす
④ 耳鳴りが気になることで、さらに意識が耳鳴りに向いてしまい、ますます寝不足になったりストレスと感じたりする

このようにして、どんどん悪循環していきます。
つまり、耳鳴りの症状は意識も大きくかかわってくるということです。
症状の改善については、この部分がヒントとなってきます。

【耳鳴りの治療方法】症状を改善する為の2つの方法

耳鳴りの治療方法

これまで見てきたように難聴を伴う耳鳴りが発生する原因と症状が悪化する要因としては、共に聴覚に対する脳の異常反応が原因となることが多いため、症状の改善としては、その点へアプローチをするものがいくつかあります。

耳鳴りの改善方法①補聴器による治療

代表的な治療法としては、まず、補聴器の装着があります。
難聴が問題となる耳鳴りの場合、補聴器をつけて、音を聞き取りやすくすることでだんだんと耳鳴り症状が改善されます。
先ほど解説した通り、耳鳴りは脳による電気信号の増幅によるものなので、それを強制していくため時間をかけて治療していきます。

耳鳴りの改善方法②TRT

先ほど、耳鳴りが気になればなるほど症状がひどくなり、耳鳴りが大きくなるということを解説しましたが、耳鳴りを自然なものとして自分の中で取り込み慣れていくことで症状を改善しようというのがこのTRTです。

Tinnitus Retraining Therapyと呼ばれ、耳鳴りに順応するための治療法です。

音響療法とも呼ばれますが、先ほど紹介した補聴器のような形をしたTCIと呼ばれる装置を使用します。
TCIはサウンドジェネレーターと呼ばれ、その名前の通り、音を生み出します。

どんな音かというと、耳鳴りが少し聞こえるくらいの雑音です。

「耳鳴りで辛い思いをしているのに雑音?」と思われるかも知れませんが、雑音を流すことで、逆に耳鳴りに意識がいかなくなるため、耳鳴りの症状が改善されていくという治療法です。

大体1日6時間くらい装着し、2週間くらいで効果が出る場合もあります。

脳への意識改革を起こさなければならないため、長期間の治療が望まれます。

【耳鳴りの予防法】日常生活で出来る耳鳴りの予防法

耳鳴りの予防法

日常生活でも耳鳴り症状の緩和のために予防できることはあります。

耳鳴りの予防方法①十分な睡眠と適度な運動

十分な睡眠や適度な運動は、ストレスを溜めないようにするためです。
ストレスがたまることで自律神経が乱れ、耳鳴りなどの症状を引き起こすことがあります。

耳鳴りの予防方法②耳垢を定期的に除去する

耳垢がたまりすぎると耳鳴りの原因になることがあります。

耳鳴りの予防方法③イヤホンをつけたまま大音量で音楽を聞かない

イヤホンで大音量の音楽を聴き続けると、内耳の細胞に悪影響を与え、細胞が傷ついてしまうことがあります。
イヤホンによるものでなくても、ライブなどの大きな音がする空間にいる場合も要注意です。

もし内耳の細胞が傷ついてしまうと、結果として、難聴におちいってしまい、難聴から耳鳴りへ繋がってしまいます。

簡単なことですが、耳鳴りへつながる行動をしないように常日頃から心がけていきましょう。

耳鳴りがおさまらないときは病院を受診しよう

耳鳴りの症状の中でも、高音の音が断続的に続いている場合は注意が必要です。
加齢による難聴、イヤホンによる難聴、騒音性難聴などが疑われますので、生活環境や自身の状態をあらためて見直してください。

また、耳鳴りのほかに、めまいの症状がある場合はメニエール病を疑いましょう。
突然耳鳴りが起きたという場合は突発性難聴の可能性もあります。

このような症状が出た場合は、病院で診察を受けてください。
重大な病気が隠れていることもあります。

まとめ【耳鳴りの原因を知り正しく改善しましょう】

これまで解説した通り、耳鳴りは難聴が原因となって発症することが多く、その音を気にすることによってさらに症状が悪化してしまうことがあります。

この悪循環を断ち切るため、現在では、補聴器やTRTなどの治療法や、生活環境の改善や工夫をすることによっても、症状を改善することが可能です。

しかし、ときに別の重大な病気が隠れている場合もあるため、症状をきちんと見定め、場合によっては病院を受診することもおすすめします。

  • 耳鳴りは原因を正しく知ることが症状改善への第1歩!
  • 症状悪化の鍵は、意識にあり!悪循環を断ち切ろう!
  • 症状が治まらない場合は病院で診察を!

完全な治療薬や治療方法がない耳鳴りの場合、一番大切なのは、耳鳴りを正しく知ることです。
きちんと耳鳴りがどういうものかを知って、付き合っていくことで改善できます。

正しく知って、耳鳴り症状を改善していきましょう!