運動前のストレッチは逆効果!?運動能力を最大に引き出す正しいストレッチ
スポーツをしているほとんどの人は、多かれ少なかれ運動前にストレッチをしています。
しかし、ストレッチをする理由やその効果について、正しく理解した上で実践している人は少ないでしょう。
ストレッチ一つとっても様々な種類があり、間違った方法を選択すると、効果が半減するどころか、ケガをする原因にもなりかねません。
そこで今回は、ストレッチの目的や効果、そして運動前に最適なストレッチ方法をご紹介します。
今まで何となくしていたストレッチも理解が深まると、きっと真剣に取り組めるようになるはずです。
この記事の目次
運動をする前にストレッチは必要?それとも不要?
皆さんは運動前のストレッチは必要だと感じていますか?
周りの人もやっているからという漠然とした理由でしていませんか?
まずは、ストレッチをする必要性について正しく理解することが大切です!
その為にもまずは、ストレッチの種類とそれぞれの効果について見ていきましょう。
ストレッチの種類は大きく2つです。
ストレッチの種類①静的ストレッチ
静的ストレッチは、反動をつけずに、ゆっくりと筋肉を伸ばして、その状態を数秒間キープするストレッチです。
「スタティックストレッチ」とも呼びます。
深呼吸をしながら、伸ばした状態を保ち、筋肉の柔軟性を高めます。
基本的にこの静的ストレッチは運動後やお風呂上り・寝る前などリラックスしたい状態の時に行います。
効果としては、
- 筋肉の緊張をほぐして、柔軟性を高める
- リラックス効果
- 血行をよくする
- 疲労回復
- けが予防
があります。
では、運動前に行うとどうなるのか?
実は、運動前に静的ストレッチを取り入れると、筋肉がリラックスした状態になりすぎるということと、筋肉の可動域が広がりすぎることから運動パフォーマンスが下がるという実験データが出ています。
それゆえ、静的ストレッチは、運動前にしては適していないと一般的に言われていますが、その真相については後述します。
ストレッチの種類②動的ストレッチ
動的ストレッチは、静的ストレッチとは逆で動作や反動をつけて行うストレッチです。
運動前に適しているのがこの「動的ストレッチ」です。
さらに、この方法は「ダイナミックストレッチ」と「バリスティックストレッチ」の2種類に分けることができます。
<ダイナミックストレッチ>
腕や足を様々な方向に回したり伸ばしたりと大きく動かしながら関節可動域を広げるストレッチです。
ラジオ体操がこれに当てはまります。
効果
①心拍数を上げて血流をよくする
②体温を上げる
③関節可動域を広げて、柔軟性を高める
④運動時のケガ予防
<バリスティックストレッチ>
バリスティックストレッチは、反動をつけて瞬発的に筋肉を伸縮させて可動域を広げるストレッチです。
脱力した状態から反動を付けて筋肉を伸ばすので、ダイナミックストレッチよりもさらに可動域を広げることができますが、体が硬い人や体温が上がっていない状態で行うと、筋肉や腱を痛めるリスクがあります。
その為、スポーツ上級者向けのストレッチとなります。
効果
①関節可動域を広げて、柔軟性を高める
②瞬発力を上げる
ストレッチの種類によって、それぞれ目的や得られる効果は違います。
これらを理解した上で正しくストレッチを行えば、運動パフォーマンスの向上やケガの予防に繋げることが出来ます。
その為、運動をする前にストレッチは必要?それとも不要?の答えは、「必要」です。
しかし、状況に応じて適したストレッチを選んでいる場合ということが前提にあります。
そして、運動前の静的ストレッチは、必ずしも悪いとは一概に言えません。
静的ストレッチが運動パフォーマンスの低下になったという実験データも、ストレッチ後すぐに測定をした数値であることから、ストレッチ後すぐに運動しなければ、静的ストレッチをしても良いという見方があります。
しかし、プロのトレーナーが付いているわけでもなく、趣味や部活の範囲で運動をしている人は、その判断を自分でするのは非常に難しいです。
そこで、運動前には「動的ストレッチ」、運動後には「静的ストレッチ」が適していることを理解して頂ければ問題ありません。
一番大切なのは、運動前のストレッチを「静的ストレッチ」のみで済ませないということです。
運動前のストレッチに困った時に!動的ストレッチを紹介
それぞれのストレッチの種類や効果を踏まえた上で、実際にどのようなストレッチ方法があるのかについてご説明します。
運動前のストレッチに困っている方は是非、読み進めてみてください。
<運動前のストレッチ①ランジ>
①足を閉じて真っすぐ立つ
②右足を大きく前に踏み出す
※この時、体勢が崩れないようにして背筋を伸ばす
③右膝に両手を当て、股関節まわりと左足をしっかりと伸ばす
④右足に体重をかけて、体勢が崩れないように元の姿勢に戻る
⑤左足も同様に①~④を行う
⑥これを3~5セット行う
<運動前のストレッチ②股関節回し>
①片足をあげて、股関節を内側から外側に回す
②これを左右10回ずつ行う
<運動前のストレッチ③股関節の曲げ伸ばし>
①片足を上げる
②上げた足を後ろに下げる
※膝を股関節より後ろに下げる
③①~②を左右10回ずつ行う
<運動前のストレッチ④肩甲骨回し>
①両手を肩の上に置く
②肩甲骨を意識して腕を大きく前後に動かす
③約1分間繰り返す
<運動前のストレッチ⑤肩甲骨内転>
①顔の前で両腕の内側を合わせて肩甲骨を開ける
②胸を開きながら腕を後ろにして、肩甲骨を内側に寄せる
③10回繰り返す
超万能!運動前のストレッチにおすすめのブラジル体操
ブラジル体操とは、動的なダイナミックストレッチの1つです。
よくサッカーチームが、試合前に士気を高めるためにと全員でやっている所が多く、チームプレーをしている人はこのブラジル体操を取り入れることもおすすめです。
5列ぐらいで整列をして、全員で1~10を数えながら動的ストレッチになるステップのメニューと合わせながら前進しします。
そして、10を数え終わったら、ハイタッチをしながらターンをして、次のステップを行います。
チーム競技でない人でも、このステップを行うことで全身のストレッチが可能ですので、とても万能なストレッチ方法と言えます。
運動前のストレッチの注意点
ストレッチの注意点として、体が温まっていない状態から一気に筋肉を無理に伸ばしすぎると、痛める原因になるので、無理をしないように気を付けてください。
特に冬の運動前はとても体が冷えている状態なので、防寒具などを身に着けながらストレッチを行うと良いでしょう。
まとめ【運動前のストレッチはケガ予防や運動パフォーマンスの向上に繋がる!】
結論、運動前のストレッチはとても重要です
この記事を読んで、運動前のストレッチの重要性を知っていただけると幸いです。
運動前に適した、動的ストレッチを取り入れることで、より運動パフォーマンスの向上やケガの防止になります。
ストレッチは何よりも、目的に応じて使い分けるということが大切です。
これらを意識しつつ継続していくと、より自分にあったストレッチが分かってくるので、さらに充実したストレッチを行うことが出来るようになりますよ!
- 運動前のストレッチは運動パフォーマンスの向上やケガの予防になる
- 運動前のストレッチには「静的ストレッチ」ではなく「動的ストレッチ」を取り入れる
- 急なバリスティックストレッチは筋肉や腱を痛める原因になるので、体温があがった状態で行う
http://www.sc-runner.com/2014/05/static-stretching-harmful-do-dynamic-stretching.html